KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

PT 富岡に行こう(2017年12月30日)

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品川駅にいる、時刻はAM6:37である。

 

寒い・・・、

今日はつま先カイロにプラスしてお腹に貼るカイロをつけてきて正解であった。

 

なぜ、こんな早朝に品川駅にいるのか?

それは、前回のリベンジである!

今年の雪辱は今年の内に晴らす! そして2018年を迎えるのだ。

 

前回の旅、品川6:45発の特急ひたちの指定券を事前購入したのだが、

寝坊をして乗り過ごしてしまったのだ・・・、その雪辱戦なのだ。

今日は、3:50に起床(おいおい)して、準備万端でのぞんだ

 

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品川駅の常磐線ホームには、すでに常磐特急ひたち1号が入線していた。

この純白の車体に赤いライン、とても見栄えのする列車である。

 

特急ひたち号は品川始発と上野始発がある、

前回は上野始発に乗車した、今回は品川始発である、

6:45に品川駅を出発して、9:18に終着駅・いわき駅に到着する、

乗車時間は2時間33分である。

東京・いわき(福島)間を2時間30分ほどで結ぶのが常磐特急のすごいところである、

この区間は他の路線と比べカーブが少なく直線が多い、そして停車駅も少ない為、

最高速度130kmをたたき出すのだ。

この高速運行が常磐特急の特徴であり、強味である。

 

そして特筆すべきは、前回も書いたが、それは車内にある!!

常磐特急は全席指定であり、自分が購入した座席の上のランプがグリーンになる、

「ここに座れ」ということだ。

そして、前に座席の上のランプを見ると赤ランプがついている、これは空席であるという印である。

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さらに先の席を見ると黄色ランプが点いている(視認できないが)、

これは誰かが指定券を購入した、近い内に乗ってくるぞという印である。

さすが最新の設備だと唸らせる、しかしこれを導入した意図を考えると、

「・・・・・・」である。

 

そんなこんなで、特急ひたち号は、順調に北上していく。 

 

8:56、その瞬間を迎える!!

高萩駅を出て、11分後、茨城県から福島県に入る、県境を越えたのだ!!

これに高揚した乗客はKITだけだろう・・。

 

「いつも神奈川県から東京都の県境を越えてるよね??」

※東京は都だけど、つっこまない。

 

茨城県から福島県の県越えには、大きな意味があるのだよ。

関東圏から東北地方に入る!! これが圧倒的に違うのだ。

ここに旅情があるのだ。

 

それに福島県は祖母のふるさとでもあり、いろいろと思うところもあるのだ。

 

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 9:18、定刻通りにいわき駅に到着。

グリーン車に乗ってみたいのだが、

乗る必要性をあまり感じないのが、この常磐特急のスゴイところだ。

普通席であっても快適なのだ、前後は広くとられており、窮屈さを全く感じない、

でも1回ぐらいは乗ってみようかな。 

 

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特急ひたち号の隣のホームには、これから乗る常磐線普通が停車していた。

寒冷地の為、ボタン押し乗車となる。

冬場にドアが開いているとつらいんだよね~。

 

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 行先は、富岡駅である。

上州富岡でなければ、京急富岡でもない・・、富岡である。

 

最近まで、常磐線の終着点は竜田駅であった。 

常磐線はもともと上野駅から宮城県岩沼駅を結ぶ路線であった、

2011年3月11日に発生した東日本大震災福島第一原発の事故により、関東圏発の常磐線の終着点は竜田駅となっていた。 

今年2017年10月21日、竜田駅ー富岡駅間の運転が再開した。

 

9:22いわき駅発、10:00富岡駅着に乗車する。

車内は想像以上に乗客が乗っていた。

 

 竜田駅を過ぎると、ほどなくしてトンネルに入っていく、

いつもよりトンネルの轟音が大きく思える、

トンネルを抜けると乗客の視線が進行方向右前方に向けらたように感じた、

東京電力福島第二原子力発電所があるのだ。

 

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定刻通り、富岡駅に到着。

車両は5両編成であり、多くの人が階段に吸い込まれていく。

 

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 富岡駅の駅名標の岩沼側には先が無い、しかし線路は続いている。

 跨線橋を渡り、改札に向かう。

 

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 跨線橋から福島第一原発方向にカメラを向ける、

ここからは視認はできないがこの先にある、そして黒い塊の山が暗い気持ちにさせる。

 

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こちらは宮城県岩沼方面である、線路は伸びている、

この10km先には東京電力福島第一原子力発電所がある。

 

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乗ってきた列車は、いわき駅行きに変わり、来た線路を戻っていく、

10:05富岡発となる。

なんだか、寂しげに思える光景だ。

 

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横浜駅からsuicaで富岡駅まで来た、

富岡駅はsuica対応駅ではないため、証明書を書いてもらい、別の駅で履歴を抹消することになった、その為横浜駅から富岡駅までの乗車代金は現金で支払うことになった。 

 

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駅前は広い、そして当然だがきれいである。

 

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 駅舎に併設してコンビニ兼軽食店が営業していた。

軽食スペースは混雑しており、麺類をおいしそうにすすっていた。

もちろん、KITも食べ物・飲み物を購入、そして記念にクリアファイルを頂いた。

 

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 バスターミナルには代行バスが停車しており、ほとんどの常磐線の乗客が乗っていく、

このバスは、常磐線の不通区間・富岡駅から浪江駅を結ぶ代行バスである、

浪江駅を通り、原ノ町駅から常磐線に乗り継ぎ仙台駅に行くことができる。

このバスに乗れば、13:10仙台着となる。

 

仙台に行き、牛たんを食べ、萩の月と笹かまとずんだ餅を買い、東北新幹線で帰っても

よかったのだが、今回は富岡でUターンすることにした。

 

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では少し歩こう。

 

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駅前には富岡ホテルというビジネスホテル風の宿泊施設があった、

営業はしているように思えなかった。

 

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諏訪神社に向けて歩き出す。

ここから徒歩35分ほどの距離である、駅前にはタクシーはなく、交通手段は徒歩のみとなる。

風の切る音が大きい、道には人が歩いておらず、時折車が通過するぐらいであった。

 

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小学校と中学校の横を通過していく。

 

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比較的きれいな建物が多い、しかし人の気配がほとんどしない。

前に歩く一人の男性がいる、そして先のガソリンスタンドにも男性が2名ほどいた。

 

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途中、少し高台に神社の鳥居が見えた。

日吉神社・独古稲荷神社とある。

 

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中は倒壊していた、鈴を鳴らすこともできないし、お賽銭をいれることもできない。

 

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手だけ合わし、復興を願う。

 

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少しだけ先へ進む。

 

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しばらくすると、湯殿山という石柱と門口という名のバス停があった。

 

「ここで引き返そう・・・。」

これ以上、人がいない町を進むことはできない、また風の轟音、そして寒さが

戻ることを進めているようだった。

 

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神社横に福祉センターがあった、

そこには0.268マイクロシーベルトと表示されていた。

富岡駅より高い数値をだしている、とはいえ健康には害のない線量である。

 

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途中に名が失われた神社があった。

 

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さらに奥には別の鳥居が見える。

 

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ロープがはられているため、ここまでとする。

 

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新たに造られたと思われるアパートが駅近くにある。

 

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富岡の駅舎が見えてきた。すこし雲が多くなっている。

 

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踏切があるので渡ってみる、

この踏切は閉まることがないだろう、富岡駅止まりなのだから。

 

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奥には富岡駅が見える。

 

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こちらは、2019年末の運転再開を待っている線路である。

 

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フェンスの通りを歩く、先には海が見え、そして工事作業員がこちらをみている、

Uターンをしよう。

 

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線路沿いを歩いてみる。

 

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春の桜まつり。

 

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春のさくらYOSAKOIとある、

早く春が来てほしいものだ。

 

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 駅舎に戻ろう、これ以上は行けそうもない。

太平洋の青が深い。

 

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富岡駅に戻ってきた、

コンビニでアメリカンドッグを購入、うどん・そばは混雑しており断念する。

 

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では駅舎に入ろう。 

 

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11:30発のいわき駅行に乗る。

 

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次の目的地・久ノ浜駅までの乗車券を購入。

富岡駅から先の表記はない、空白があり、浪江駅から岩沼に続く。

 

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代行バスの案内がある。

 

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駅構内にも測量計があり、0.073マイクロシーベルトを表示している。

 

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これから乗車する常磐線普通が停車している、

あれはかつてスーパーひたちとして活躍していた特急車両である、

第二の人生をここで過ごしていたとは。

 

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跨線橋に上がると、正面には太平洋が見える。

 

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雲は出てはいるが、深い青である。

 

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これは得した気分になる。

 

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やはり今見ると、古さを感じてしまう、

これはこれで画期的であったのだが。

 

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 普通・いわき行きと書かれている、では乗車だ。

 

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 内装も古い、

それほどまでに今の新型特急が洗練されているのだ。

全ての座席はなぜか、向かい合わせになっている、どういうことか。

 

そして、元特急車両は出発する。

 

今回初めて被災地に行き、自身の足で歩いてみた、

この地区は津波より原発事故の影響を大きく受けた町である、

建物は多くあるのだが、生活している雰囲気が一切ない、

どこかの記事にかいてあった、駅が再開しても住民は戻っていないと・・、

もうすこし時間もかかると、それは難しいかもしれない。

 

この眠っている町を歩き、とても不安な気持ちになった、

そして20分ほど歩き、駅に戻ろうと思ってしまった。

 

今後、どのようになっていくか、わからない。

ただ復興が進むことを願うだけであった。

 

富岡に行こう。 完