しとどの窟(しとどのいわや)を知っているだろうか。
源頼朝が隠れてていたと言わている洞窟である。
(左:真鶴のしとどの窟 ・ 右:湯河原のしとどの窟)
1180年石橋山の戦いという源氏(頼朝)と平氏との戦いが今の神奈川県小田原市であった。
石橋山の戦いが行われたのは、JR早川駅から徒歩21分ほどの場所だ。
源頼朝の源氏はこの戦いで敗れ、敗走することになる。
その敗走先の洞窟が「しとどの窟」なのだが、それが2つ存在するのだ。
そのように呼ばれているかどうかは、わからないが、
「しとどの窟・論争」勃発である!!
その場所とは、
(1)神奈川県真鶴町
(2)神奈川県湯河原町
である。
今日はその2つに行ったみたいと思う。
源頼朝はしとどの窟で隠れ、再起を待ち、
真鶴町の岩海岸から安房国(今の房総半島)に脱出することになる。
そして最終的には壇ノ浦の戦いで平氏を滅ぼし、鎌倉幕府へと続く。
岩海岸(2018年2月12日・訪問)
ではしとどの窟に出発しよう!
まずは真鶴町に向かう、
今回は車を使う、真鶴駅から徒歩30分で行くことができるのだが、
次に向かう湯河原町のしとどの窟は歩きで行くには遠すぎる、バスも出ているが本数が少なすぎてフットワークにかける。
と・・その前に近くにある貴船神社に寄り道だ。
※ここからしとどの窟へは徒歩でいける距離だ。
鳥居前に駐車場があるので、ここで停めよう。
本日はガラガラ状態だ、そして他の参拝客は1名だけであった。
7月下旬には貴船まつりがある、
御祭神は大国主神・事代主神・少彦名神、そして拝殿近くにも駐車場があり、そちらにもどうぞと書かれている。
なんと情報が多い看板だ。
手水舎。
階段がはるか先へ続く・・。
一段、一段をかみしめていく、中腹に別の社もあるが帰りに寄ろう。
108段あり、清めの石段とも呼ばれている。
拝殿に到着。
比較的新しく見える拝殿である。
そして階段向こうの景色だが、残念ながら海は見ることはできなさそうだ。
こちらは山神社といい、シンプルで良い。
厄除厄祓門。
くぐって奥へ行こう(笑)
御輿舎と御船舍がある。
山桜だろうか、地元の人に聞いてみたが、わからなかった・・・。
上りでは気づかなかったが、降りるときにかなり急な階段であることに気づく。
中腹の社に寄っていこう。
船主竜神社。
船主竜神社の横から海が見えるが、良い景色とは言えないな・・・。
反対側には、貴船稲荷大神がある。
よい狐様だ。
こじんまりしているが、壮観だ。
これは趣きがある。
頼朝腰掛石である、
石橋山の戦いに敗走した後、この石に腰掛け休息をとったという。
真鶴には、この地に隠れた頼朝に親切にした村人に対して、「御守」「五味」「青木」の名字を与えたという話しも伝わっている。
では、この旅の主役である・・・「しとどの窟in真鶴」に行こう。
貴船神社から徒歩3・4分ほどの距離である。
真鶴・魚座横を通る、和食レストランとのことだが・・、客が来るのだろうかと
いらぬ心配をしてしまう。
真鶴観光と言えば、三ツ石であるが、この旅ではいかない、
B級スポットハンターの私は「しとどの窟」に行くのだ!!
赤い橋が見えてきた、
ここまで近所のおばさん4人組とだけすれちがう、いかにも漁村!!という感じの雰囲気で少し気分が高揚(笑)
しとどの窟の案内板が建てられている、結構新しい?!
湯河原に応戦だ!!!
鵐窟の石碑。
これで「しとどのいわや」と読む。
小さい口である、今は施錠がされている。
鵐(しとど)を読む、
ホオジロ科の鳥らしいのだが、今回初めて知った鳥である、
追手がこの洞窟を調べにきた時、しとどが洞窟内から飛び立った、この内部には人がいないと判断されて難を逃れてという伝説がある。
洞窟内を除くと、あれは源頼朝だろうか・・・。
こんな場所にいたら、気が滅入ってしまう。
窟の前に石碑がある。
すべて漢字で彫られており、まったく内容がわからん!!
中央に頼朝が彫られていたことだけは理解した(ダメじゃん)
目の前には、「 品川台場礎石の碑」というものがある、
これはしとどの窟とは関係はないが、真鶴では良い石材を採掘することができ、これを用い江戸幕府は品川台場をつくった、今はその役目を終え、故郷に戻ってきたという
里帰りのお話しであったとさ・・・。
すぐ隣りには、頼朝鵐窟観音がある。
これで、しとどの窟の見学、参拝を終えた。
頼朝が身を隠したしとどの窟から岩海岸まで1.7km、ここから安房国へ渡る。
真鶴の洞窟はかつて海に面していたが、岩盤の隆起により今の高さになった。
この距離感・・・ここが真の「しとどの窟」だろうか・・・。
では、もう1つの「しとどの窟」に行こう。
しとどの窟からしとどの窟へ。
距離は17.5km、車で約30分である。
一応、バスで行くこともできるが、本数があまりにも少ないのでお薦めはできない。
湯河原駅前を通り、駅前に銅像が見えた、これは行くしかないと思いながら、
湯河原の奥地に向けて車を走らせる。
不動滝という気になるスポットも通過して、椿ラインに突入していく。
椿ラインというほど、沿道には椿はなかった(ような気がする)
椿ラインの先を行けば、箱根ターンパイクへジョイントする、
湯河原のしとどの窟は、その中間地点手前に位置する。
ここがしとどの窟のベースキャンプ地だ。
この手前に駐車スペースがあり、車であれば5・6台停められるスペースがある、
実際にはもっと停められるが、そこは常にバイクの駐輪場となっている、
そう、ここはバイカーの聖地でもあるのだ。
椿ラインはバイカーが好むようなカーブが多く、楽しいツーリングができると思われるのだ(勝手に想像・運転したことないため、・・・)
何台か、後ろにつかれ、変なプレッシャーを感じながら椿ラインを登っていく・・・
途中のスペースで追い抜いてもらいながら、高度を上げていく。
反対車線からは下っていくバイクと何台もすれ違う、しかもかなりのスピードを出している。運転に集中しなくてはならない。
看板には、徒歩20分と書かれている、大したことないと思うかもしれない・・・。
また、車でもう少し先まで行くことができる、しかしこの先は行き止まりである、
その為、先ほどのスペースで駐車するのだ。
「椿ライン しとどの窟駐車場」という。
右を見ると眼下に町が見え、遠くには海がかすかに見える。
すぐにトンネルが出現、車1台分しか通れない幅だ。
トンネルはさっさと通過するにかぎる。
そしてトンネルを抜けると・・・行き止まりである!
右方向には道が続き、広いスペースとなっている、
その周りには石仏・祠が置かれており、荘厳であると感じる人、異様な光景と感じる人がいるかもしれない。
これらは、近くの修行場から集められたものという。
石灯篭が並ぶ。
子安地蔵尊が中央に鎮座、左右に燈篭が並ぶ。
様々な石仏・石柱などが無造作に置かれてい感じだ。
青空はあまり期待できそうにない、もう少し時間が経たないと晴れないだろう。
今日は午後から晴れという予報である。
来た道を振り返る・・・、たしかに一人ではあまり来たくないところかもしれない、
では行こう。
ひらすら坂を下っていくことになる、しかも寂しい道程だ。
夏になれば、鮮やかな緑となるだろうが虫に悩まされそうだ。
短い間隔で石仏が置かれている。
折り返しながら降りていく、ここの石仏の間隔は短い。
このつづら折りを何回か繰り返す。
しとどの窟まで300mと刻まれた石柱が置かれている、
50mごとに置かれていると思われる・・・。
野ざらしになっている石仏には布がかけられている。
残り250m、短そうで長い・・・行きはどうしても長く感じるものだ。
出発から7分後に最初の分岐に到着。
右に曲がれば、湯河原梅林に行くことができるが・・・。
もちろん、しとどの窟に向かう。
湯河原梅林の方角を見てみよう。
「おい!! これが道かよ!!?」
雰囲気でもうゴールは近いと感じる。
これは岩がくり抜かれているのか?
その下に石像が何体も置かれている。
道のりもそうであるが、石仏の数に圧倒される。
もう少しだ、終わるのが寂しいほどだ。
こちらにも、多くの石仏がある。
最後の登り返しだ。
到着!!
10分ほどで着いてしまった。
看板が多いです。
水が流れている、その為かこの辺りはかなりぬかるんでいる。
年季が入っていますね。
これが本当に最後の階段だ。
いざ、しとどの窟へ!!
開口部が広い洞窟に石仏が雛壇上に置かれている。
これが湯河原のしとどの窟である。
とても独特の雰囲気だ。
800年以上前に頼朝はここにいたのだろうか・・・。
今は頼朝の代わりに石仏がこの地を守っている。
どれも自然に溶け込んでおり、趣きがある。
滝のように流れている、水流は多くはなく、そして水温は冷たくなかった。
苔の衣装をまとった石仏。
こちらはなんだったのか・・・。
💛の形。
無事に帰還した。
トンネルの雰囲気が・・・。
よくわからん展望台まで戻ってきた、
いきなりこんな建物があり、違和感を感じるが・・・とりあえず登るしかない。
うーん、コンセプトがよくわからん。
雲が多く、海と空の境界が不明瞭であるが、初島が視認できてよかった。
その先には大島があるはずだが・・・。
バイカーたちが談笑をしている。
ここからもルートがあるのか?!
ハイキングコースとして整備されていそうだが・・・。
湯河原のしとどの窟の石板。
真鶴と湯河原、2つのしとどの窟であるが、
どちらが正しいのか、両方とも違うのか・・・、そんなことは誰にもわからない、
しかしそれを言ってしまっては身もふたもない。
歴史ロマンとは諸説があり、それらを比較して、考察して、考えを巡らすことに意味があるのだと思う。
以前、桶狭間論争の地に行き、名古屋市緑区と豊明市が論争を見たが、
優勢さには違いはあるが、結局はどちらかという決着はついていない、
別にこの論争に終止符が打たれる必要性はない、
これらを酒のつまみにして語らうぐらいが丁度いい。
さて、下山をしよう、
途中からバイクに背後をとられ、プレッシャー受けたことは言うまでもない・・・・。
次は、湯河原の町へ行き、散策だ!!
しとどの窟に行こう! 完