KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

PT 水止舞を見に行こう!(2018年07月14日)

『水をかけられたいか?』

 

この問いかけに対して、殆どの人は、

『かけられたくない!!』と答えるだろう。

 

だが、それを好む人たちがいる(おいおい、嘘つくな・・)

ある人はこう呼ぶだろう、『変人』と。

いや、この記事を読んだあとは、こう言うだろう、彼らは『勇者』だと。

 

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今回のプチプランは、そんな勇者たちの物語である。 

turumigawa915.hatenablog.com

風鈴の音により涼をとり、

次に水浴びをして涼む、

ごく当たり前の日本の夏の光景である。

そして、それを実践できるのが、この日なのだ。  

 

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池上本門寺から来たので、JR蒲田駅から京急蒲田駅まで歩かなくてはならない、

この夏の炎天下では、かなりの苦痛だ。

 

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近代的な駅舎である、京急蒲田駅

 

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京急蒲田駅を出て2つ目の駅、大森町駅で降車、あまり馴染みがない駅である、

初めて降りる駅のような気がするが、どうだったかな?

どうでも良いことを考えてながら、道を歩く、目的地は徒歩8分ほどである。

 

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 曲がる場所を間違え、グルっと周ることになる、

それにしても暑い!!

『水でもかけてほしいぐらいだ!!』

!?

『やべえ、言ってはいけない事を言ってしまった・・・・・・。』

 

目的地は厳正寺だ。

 

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 厳正寺に12:15に到着した。

計画通りの理想的な時間だ、遅すぎず、早すぎず・・・。

 

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『水止舞の寺』の碑

 

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境内には舞台が出来上がっている。 

 

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本堂の扉は閉まっており、法事が行われているのだろう。 

 

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少し絵を引いてみると、鳩が庭に二羽いる?!

『暑さでどうかしているな・・・、水で顔でも洗いたいものだ。』

?!

『やべえ!! 言ってはいけないことを言ってしまった!』 

 

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厳正寺の住所:大田区大森東3-7-27。

 

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山門の下には、案内所になっており、パンプレット(無料)と手ぬぐい(¥1,000)を購入。

おじさん、手ぬぐい買う時、『買うの? 買ってくれるのかい』という感じがしたのだが、私の気のせいだな、きっと(笑)

 

祭りに行くたびに手ぬぐいが増えていく、やはり祭りを見せてもらう以上は、

協力しないとね。

 

そして、龍神の藁』を頂きました。

 

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この道が数十分後には、『地獄の道』へと変わる(笑) 

 

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日本中、どこにでもありそうな生活道である、

夏の昼下がりの生活道・・・。

『さぞかし、アスファルトは熱いだろうな・・・。』

 

大田区立大森東中学校に向かう、

ここが全ての始まりの地である。 

 

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12:22、大森東中学校に到着。

お気づきだろうか?

なんの変哲の無い夏の中学校の校門であるが、なにか違和感を感じるよ。 

 

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違和感の正体はこれだ!! 

 

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 ワラがとぐろを巻いている、それも2体も。

ワラで編んだ縄(七五三縄)を渦巻き状に巻きあげたものである。

 

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そのワラには龍の頭がついている。

 

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正面から見てみよう。

どこからみても龍だな・・・。

 

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なんと外国人観光客も来ている、国際的な祭りになったといってもよいだろう。

開始35分前である、周りには、見物客約6・7人が既に待機している。

 

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祭男達が現れ、地面に水を撒き始める。

まだ大人しい・・・。

 

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中学校からホースをつなぎ、水を注入する、そして水と戯れる男たち、

水が気持ちよさそうだ。

?!

『やべえ、言ってもいけねえことを言ってしまっただ・・』

 

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厳正寺に続く道(生活道)にも水をかけ、熱をとっていく。

 

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12:45頃、子供達が入ってきた。

 

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獅子3匹と花籠2人が入ってきた!!

これから始まる!!という高揚感がでてくる、役者はそろった。

 

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12:50頃、ワラ2つが移動される。

 

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2つのワラ、2つの龍が定位置に陣をとった。

 

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中をのぞいている、人ひとりが入れそうな大きさだな。

 

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白装束を身に着け・ねじり鉢巻きを付け、法螺貝を持つ男2人が現れた。

この二人は『龍神役 』として演じる、この祭の主役と言ってもよい。

 


水止舞2018①

龍神役がワラに入る。

 

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龍神役の背中には龍の絵がある、

周りの男達の法被には龍の鱗だろうか、そのような模様となっている。

これは北条氏の家紋と龍の鱗をかけているのだろうか。

 

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定刻通り、13:00開始。

これから世界で最も長い150mとなる!!

 

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『道行(みちゆき)』が始まる。

この前半は、雨乞いの儀式である、そして法螺貝が鳴り響く。

 


水止舞2018②

 

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 2人の龍神は横にされる、自分の力では動けないので、

できるのは法螺貝を吹くだけとなる。

 

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前から、後から容赦なく、水が飛んでくる!!

バケツから、ホースから、逃げるすべ無し!!!

皆、被弾覚悟でカメラを向ける!!!

 

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バケツからのぶっかけは、時として滝のごとし!!

 

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虹が出た!! 

 

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龍神(ワラ男)はこのように移動していく。

 

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そして法螺貝を吹く。

オロナミンCの『ファイト一発!!』のCMのよう。

2人で苦難を乗り越えていくぞ的な・・・。

 

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さらに水をかけられる。

 

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周りの見物人にも容赦なく、水がかけられる。

皆、カメラを守りながらの撮影だ、

そして途中からマイクの聞こえが悪くなった・・・・。

 

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前日に購入した100均のレインコートを着込み、こちらも応対(笑)

ハンドタオルで顔とカメラを拭きながら、進む。

まさに命がけだ!!(笑)

 

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龍神にも疲労が見えてきた。

しかし勘違いしないでほしい!!

龍神は、水をかけられ喜び、法螺貝を吹くことにより、喜びを表現しているのだ!

(決して苦痛ではないのだ・・・ 説得力0・・・)

 


水止舞2018③ 

 


水止舞2018④

 


水止舞2018⑤

 

f:id:turumigawa915:20180716191711j:plain龍神も力を振り絞り、法螺貝を吹く。

真ん中の子供が『なんで、ここまでするの?』『何やっているんだろう?』と

思っていそうな顔に見える(笑)

 

これが神事だからだ。 

 

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ここから水が補給されている、補給に限りはない!

 

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魚政が補給基地となっている。

 

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前後ともに見物人が多い。

写っていないが、龍神の後ろには、青竹で地面を叩きつけながら、牡丹が描かれた扇をかざす子供達の警固、

笛頭を先頭にした笛師連、花笠をかぶり、ささらを鳴らす花籠が続く。

列の最後には、水止舞の主役、三匹の獅子が太鼓を叩きながら練り歩く。

 

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13:22、厳正寺に到達する。

もう少しである!

 

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まだまだ、水の洗礼が続く。

 


水止舞2018⑥

 

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山門を通過してくる。

 


水止舞2018⑦

 

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1体目が舞台に到着。

 

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次の龍神が引き上げられる。

舞台に上げられると体を解かれしまう為、龍神は必至に抵抗するのだ。

 

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抵抗する龍神を問答無用で引っ張っていく。

 

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13:28、2体とも舞台に到着した。

 

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ワラが解体されて、舞台の周りに置かれる。

 

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獅子と花笠が入ってくる。

 

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ここからは第2部となる。

 

『水止舞(みずとめのまい)』は、

文字通りに水を止めること(雨を止めること)を願う祭りである。

 

水止舞は、1321年に遡る、ここ武蔵の国が干ばつに襲われた際、住職・第二世法蜜上人がワラで龍の像を造り、祈祷をささげて雨を降らせた。

 

その2年後、長雨の影響をうけ、田畑が水害にあってしまう、

村人はこの長雨は住職の祈祷のせいであると恨むようになった。

 

住職は、獅子の仮面を造り、それを『水止(しし)』と命名する、

それを村人に被らせ、舞わせて、法螺貝を吹かせ、太鼓を叩かせ、龍神に祈祷をした、その水止の祈祷により雨が止んだ。

村人はその感謝の心から、『水止舞』を奉納することにしたという。

 

『 水止舞』は毎年7月14日に行われる、

そして雨天決行!!!

『当たり前だ!!!!!!!!』

 

では、その感謝の舞『水止舞』を見よう。

しかし安心してほしい、

水攻めの後は、灼熱地獄が待っているのだ、この炎天下で1時間30分はかなりのしんどさとなる、

踊り手はもっとしんどいだろう、無事に終わることを祈りつつ、みてみよう。

 

 

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 『三匹獅子舞』である

花籠の2人のささらと正面の男衆の横笛の伴奏により、

獅子は自らの腹にくくりつけた太鼓を打ちながら、水止(しし)舞を踊る。

獅子はそれぞれ、赤い面の雄獅子(大水止)、黒い面の若獅子(中水止)、金の面の雌獅子(女水止)と呼ばれている。 

 


水止舞2018⑨

 


水止舞2018⑩ 

 

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水止舞2018⑪ 

 

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14時過ぎ、一時の休憩に入る、後半戦は演者を替えて行われる。

通しで臨んでいた人もいましたが。

 


水止舞2018⑫

 

水止舞は、

(1)雌獅子の舞(女水止舞)

(2)出羽の舞

(3)大若女・水止舞(トーヒャロ)

(4)コホホーンの舞

(5)雌獅子かくしの舞

  水止舞の最高の舞とのこと、その為かなりの長丁場となる。

 

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花籠の間に雌獅子を隠す。

 


水止舞2018⑬

 

 

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(6)仲良く3匹が躍る

これが最後の演目である。

 

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演舞の終了後は、獅子の頭を被せてくれる、無病息災を祈願しよう、

雄獅子は女性に、雌獅子は男性となる。

 

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最後は記念撮影。

テレビ局(地元)がきており、番組名を全員で言って締めとなった。

 

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この水止舞の記事はハトで締めよう。

 

水止舞を見に行こう! 完