この日が来た、輪島以来の旅行記だ。
旅の題は『春の三都物語、京都・奈良・岐阜の旅』とした。
かつての日本の中心地であった土地たちだ(?)
京都では山科、奈良では吉野、岐阜では川辺町がメインとなる。
『川辺町?』 まあ、ツッコミは無しで!
では1日目・京都山科編スタートだ。
やはり今日も曇りとなってしまった・・・。
最近の週末は天候が悪い。
横浜駅・7時26分発の横須賀線に乗車する、向かう先は東京駅だ。
新幹線出発時刻の20分前に到着した。
過去2度ほど、列車の遅れで乗り遅れの危険を感じたことがある、
それがトラウマとなり自宅の出発時刻はいつも葛藤がある。
本日の出発起点は東京駅だ、ここから旅が始まる。
8時20分発・新幹線のぞみに乗車だ。
そして京都駅には10時35分に到着、定刻通りだ。
一気に乗客が降りる、京都はいつ来ても人で溢れかえる、まあ横浜も変わらないけどね。
まずはロッカーを探す、1階に降りるとロッカーが全ての通路に並ぶ、まさにロッカー天国だ。
しかし300円の小型ロッカーは全て使用中だ、中型が多いのは何かの陰謀か?!
京都からは市営地下鉄で移動をする。
京都観光の鉄則として(?)、地下鉄またはバスの1日フリーパスは必須だ。
今回は地下鉄のみのフリーパス600円を購入した、
京都駅から小野駅の往復だけでも元は取れる、そして駅の券売機で並ばずに済むのは、
大きなメリットだ。
これから向かう先は山科地区となる。
山科地区で有名どころと言えば、なんといっても醍醐寺だ、ここはいつでも人で溢れる。
そして近くには穴場の寺院がある、随心院と勧修寺だ。
人に疲れたらここで静かな京都観光もよいだろう。
まずは、烏丸線で烏丸御池駅へ、東西線に乗り換え小野駅に向かう、
移動時間は約20分だ。
京都市役所駅を過ぎると人は掃けていき車内は空いてくる、
この地区にはあまり観光地がないのだろうか?
烏丸御池駅から9駅、地味に駅が多い・・・。
京都駅⇒小野駅へ。
小野駅には11時19分に到着する。
地上に上がるといきなり雨!
傘をさしていない人を見ると今降ってきたのだろう。
来る前から雨とわかっているのでダメージは無い。
駅前から『はねず踊り』のノボリが立っており、まずは一安心だ。
この交差点を左にいけば随心院であるが、まだ時間があるので右へまがる。
小野駅⇒勧修寺へ。
これから勧修寺に向かう、随心院とは真逆なのが難点だが、時間はたくさんあるので問題は無い、徒歩7分ほどだろうか。
人は多くないが切れ目なく来るといった感じだ。
勧修寺といえばこの白壁だろうか。
「そうだ、京都にいこう。」
※雨のせいでジメジメ感がよくないな~。
さすが京都、観光客はそれなりにくるが清水寺などと比較すると雲泥の差だ。
開基は醍醐天皇であり、ご本尊は千手観音である、
読み方は『かじゅうじ』と基本は抑えておこう。
拝観料400円を払い境内へ。
菊の御紋がみてとれる。
醍醐天皇が生母である胤子(いんし)の冥福を祈り供養するために観音像を祀ったことにはじまる。
雨の京都など、修学旅行以来かもしれない。
小雨だがカサをさしての参拝となる、撮影がしづらいのが難点。
やはり花は5分咲きといったところか?
場所によっては2分咲きだ、一輪であっても愛でることができるのは嬉しいものだ。
こちらは観音堂だ、周りに桜が配置されているので、対角線上から桜を入れて撮るのが良いだろう。
『あと1週間後だったら~。』と思うのは意味がないけどね・・・。
晴れが良いに決まってるが、雨の寺社巡りも悪くはないと少しは思う。
寒いと最悪だけど、今日はそれほど寒くはない。
では次の場所・随心院へ!
そして今回の1日目の大本命、随心院の『はねず踊り』だ。
勧修寺⇒隋心院へ。
『1日早いのでは?』と感じた人がいれば、なかなか鋭い!
はねず踊りは3月の最終日曜日、今年であれば3月31日の開催であるが、前日の30日にもはねず踊りがおこなわれるのだ。
(お祭りには前夜祭なるものが多い、それに近いものがあると考えて欲しい。)
ここでは『奉納法会』という。
さて、空いているか、混んでいるか?
(本番前日、しかも雨なので空いていると見込んでいた。)
12時15分に随心院前に到着した。
目の前には道路が走っており路側帯が小さく少し歩きずらい印象だ。
看板があるが1つは『観梅会』、もう一つは『はねず踊り』だ、
ここには奉納法会のことはかかれていない。
小野といえば、小野妹子を思い浮かべる人もいるだろう、ある人は小野小町と・・・。
そう、この他は小野小町ゆかりの土地なのだ。
注意:妹子は男性です。
灯籠の参道を抜けると少し広い場所にでる、
右には観梅会の入口があり、正面の紅白の白テントでははねずういろうが売られている。
山科・小野地区にある随心院は、遅咲きの梅で知られている。
春には薄紅色の紅梅が咲き、薄紅色のことを古くは『はねず色』と呼んでいた。
はねず色の梅が咲く頃に、小野の子どもたちによって踊られていたのが『はねず踊り』
である。
しかし、時の流れの中、はねず踊りの風習もいつしか廃れてしまった。
昭和48年にはねず踊りの復活を願う人々により、古いの記憶をたどりながら歌詞、振付
を調べ、現在の「はねず踊り」が復活した。
明日の本番ではかなりの人が来るだろうが今はパラパラと観光客が入るほどだ。
『花の色は うつりにけりな いたづらにわが身よにふる ながめせしまに』
この歌がいうように、色褪せってしまった老齢の小野小町の像があるという。
『怖いもの見たさだな・・・・・・。』
入口にある小野小町像。
拝観料500円を支払う、一応はねず踊りがおこなわれるかを確認しておく。
14時から奉納されるという。
一度本堂から出ても半券を持っていれば再入場はできるという。
まだまだ時間はあるので堂内を散策してみよう。
三脚は使用禁止、撮影は可能だ。
床の板がなんだかよい感じに・・・ついつい見入ってしまう。
『小町榧』が置かれている部屋。
小町は深草少将が毎晩持ってくる榧(かや)の実で通った日数を数えていた。
隋心院の近くには深草少将ゆかりの榧の大木があるという。
(行かなかったけどね・・・)
堂内散策が楽しい、ここの造りが本当に素晴らしい。
そして茶色と白色の世界に突如、現れたのは?!
『極彩色梅匂小町絵図』
小野小町の生涯が描かれているという、以前は撮影不可であったがあまりにも撮りたい
という要望が多かった為、撮影可となった。
はねずの少女たちが踊りまくっている・・・カラフルな襖絵だ。
『卒塔婆小町坐像』とあるように高齢の小町像が安置されている。
ここは撮影禁止となっている、ちなみにさっきのカラフルな襖絵の裏側だ。
縁側・・・ずばらしい!!
キシキシと歩いていると 花笠が置かれていることに気づく。
心憎いぜ・・・。(良い演出という意味ね)
本堂へと続く、こちらも壮観だった。
本堂からはねず踊りが奉納される場所を見る、まだ人は少ない。
開始まで1時間以上はあるのだ・・・。
2回目の散策をしていると・・・花笠が別に場所に移動していた。
『奉納場所に近づいている?!(笑)』
縁が赤とそうではないものがある。
13時少し過ぎ、準備が始まった。
それでも1時間前だが・・・・。
15分前頃から裏手にはねずの少女たちが集まってきた。
襖が開かれ法要がはじまる。
一人ひとりがご焼香をして仏前に手を合わせていく。
今様を舞う少女が最後に手を合わせる。
※『いまさま』(笑)ではなく『いまよう』と読みます・・・。
手前に座っているのは、明日はねず踊りを舞う少女たちだろうか。
そして寺院の関係者たちも続く。
司会の女性から説明が入る。
それによれば、
深草少将が思いをよせる小野小町は、それを叶えたくば、100日通い続けるよう深草少将に言う。
少将は毎夜通い続けるが、雪の降る99日目に亡くなるというのが本来の物語である。
しかし随心院に伝わる物語では、少しマイルドに改変されている。
雪の降る99日目に代理をたててしまい、そのことが小野小町にばれてしまい恋は実らずに終わる。
その後、小野小町は深草少将のことを忘れて小野の地の子供たちと楽しく踊り暮らしたという。
(この方が深草少将が救われる、平凡な恋に落ち、幸せに暮らしたかもしれない。)
住職の挨拶だ。
隋心院はこの時期以外は参拝客が少なく、この踊りの時だけは宣伝しなくても人が来るという。
『もったいない、こんな良い場所なのに・・・・・。』
14時20分、奉納舞が始まる。
女の子たちが来ている小袖の色がはねず色である。
あーりゃ これ これ
これは楽しや 小野のお寺の踊りでござる
はねず踊りと申してござる
めでた めでたのこりゃせ おどりでござる
みんなそろうて さぁ おどりはじめじゃ
めでたやな めでたやな ♫
京都山科地区の小学4年生から6年生の女の子が踊る。
外は雨が降り寒々しいが中はもう春だ。
とても春やかだ。
(春と華やかの造語)
時折変わった所作をする。
これは驚きの所作だ。
二組で楽しげに周る。
春の訪れに相応しい、可愛らしい踊りだった。
動画で少しだけ雰囲気を感じて下さい。
14時30分、『今様』が始まる。
今様ははねず踊りを卒業した女の子が舞う。
だから少しだけお姉さんだ。
14時35分、すべての奉納舞が終わる。
楽しい時間はあっという間だ。
最後に司会者からはねずういろうについて説明が入る。
『買ってかえろう!!』
入口では、参拝客で賑わってきた・・・。
明日の本番では野外の舞台にて、より大々的に執り行われる、
時間は11:00、12:30、13:30、15:00の4回の上演らしい、それに石見神楽とミス小野小町
が追加されるという。
境内にある化粧の井戸へ。
ここは境内、おさえておかないとね。
宮仕えを終えた小町はこの地に戻り、朝夕とこの井戸の水を使い化粧をしたという。
『なるほど、なるほど・・・。』
ここが明日の舞台だろうか。
地下鉄に乗り、隣り駅の醍醐駅に着いた、もちろん目的地は醍醐寺だ。
時刻は15時10分、傘をさしての移動は結構つらい・・・。
坂を上がっていく、徒歩で10分ほどだろうか。
バスを乗るほどの距離ではない、目の前にバスがあれば乗るけど。
15時22分、醍醐寺に到着、ここが結構広いのだ。
醍醐寺散策開始!
拝観料は1,500円、一見高そうに見えるがそれだけの価値があるということだろう。
やはり人は多い!
雨であっても醍醐寺にはこれだけの人が集まる・・・。
まずは『三宝院』に突入する。
いきなり、しだれ桜がスゴイ!
ご立派! 雨が滴るしだれ桜・・・。
傘をたたみ、靴をビニール袋に入れる、これだから雨の日は・・・・。
建物が大きいので人が多くてもそれなりに散らばり、混雑していないように感じる。
『きれいにしているな~。』と整備する人に感嘆する。
三脚は禁止だが撮影はOKだ。
素晴らしい庭園だ。
雨が激しく振っているものの屋根下でゆっくりと庭園を眺める・・・・。
『雨でもいいかも・・・。』とほんの少しだけ感じた。
錦鯉も立派だ。
『勝ち組の鯉たちだ。』
中庭もいい、人が多いのでのんびりはできないが・・。
傘の花が咲いている。醍醐寺は広い、山の上まで醍醐寺の敷地であるという。
仁王門が見えてきた、それを隠すように桜が咲く。
ここから結構歩きますよ。
桜が降り注いでいる、そんな感じ。
醍醐といえば豊臣秀吉の『醍醐の花見』だ。
1,300人の女性を連れ大規模な花見を催した。
『五重塔』
ここでも桜は当然にようにある。
『金堂』
薬師如来坐像が安置されている。
もう少しコンパクトであってもよいだろうに・・・雨の中ではことさらそう思う。
桜が花火のように咲いている。
これだけ広いので大勢来ても混雑感は無い!!
デカイよ、醍醐寺!!
こちらは『観音堂』
ここでも桜とのコラボレーションだ。
隣りには弁天堂が見える、少しだけ青空が見えてきた?!
ここでも桜が入る、境内には約800本もの桜の木があるという。
そして『霊宝館』最後の場所だ。
1,500円だから1カ所500円か・・・とどうでもよいことを考えてしまう。
館内は一切撮影ができないので、桜の撮影のみとなる。
この桜は背が高い! 高低差がすごいな。
こちらの桜も見事。
室内にはイスが並べられている、この桜を見る為の席だろう。
こちらでも見事に垂れている。
こっちはこれからだね、つぼみの時は色が濃い。
では、醍醐寺の参拝・散策を終えよう。
時刻は16時35分だ。
醍醐寺駅⇒京都駅へ
(京都駅のロッカーで荷物を回収)
京都駅⇒天王寺駅へ。
ここからが面倒だ。
疲れる・・・・。
天王寺MIOが見える、人で溢れかえりホテルを探すのも疲れた。
これが『はねずういろう』だ。
昔からの製法で作られている、原料は寒天と黒砂糖だ。
食べようと思ったが、食べれない!!
後ろに穴をあけないとういろうが出てこないのだ。
(食べれたのは2日後となった・・・・。)
ホテルで見たテレビでは・・・・。
『吉野の花見』が紹介されていた、明日行く場所だ。
次に出てきたのは今日行ってきた『醍醐の花見』だ。
なんだかうれしい・・・・。
明日は奈良の吉野に行き、岐阜に一気に移動する。
また雨に悩まされそうだ。
2019春・三都物語【京都山科・はねず踊り編】完