KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

滋賀の旅①・鍋冠祭り編(2019年05月03日)

『令和』最初の旅行は、滋賀の旅となった。

もちろん、滋賀旅行と新元号は全く関係はない。

 

5月初旬に滋賀では奇祭や神事が行われる、それを見にいくことが本旅の目的だ。

 

(1)5月3日・鍋冠祭り(滋賀県米原)【なべかむりまつり】

(2)5月4日・伊庭の坂下し祭り(滋賀県能登川)【いばのさかくだしまつり】

(3)5月5日・すし切り祭り(滋賀県守山)【すしきりまつり】 

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いづれも一筋縄ではいかなそうな『名前』だ。

しかし奇祭といっても、ある意味ではマイルド(?)だ、その点は安心してほしい。 

 

今回の旅の特徴は移動距離が少ないということだ、

だいたいが琵琶湖東岸で済んでしまう。

『横浜→米原能登川→守山→米原→横浜』

なんて単純なんだろう! 

そうだ、『琵琶湖・奇祭ライン』命名しよう、距離にして約42kmだ。

 

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まず1日目の『鍋冠祭り』だが、 

滋賀米原筑摩神社(ちくまじんじゃ)に伝わる鍋冠祭りは、なんと「伊勢物語」にも詠まれており、平安貴族にも広く知られていた由緒あるお祭りという。

『これは行くしかない!』とこの祭りを知った時は思った、あれは何年前だろう・・。

 

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平安時代初期の歌物語、「伊勢物語」の百二十段には、

「近江なる 筑摩の祭 とくせなむ つれなき人の 鍋のかず見む」と詠まれており、その頃から平安貴族に知られるお祭りだったという。

 

狩衣姿(かりぎぬ)を着た少女8人が、鍋や釜をかぶって歩くことから、

「鍋冠祭(なべかんむりまつり)」と呼ばれている、

これだけなら奇祭としてはやや弱い、その始まり・由来を含めての奇祭だろう。

※鍋・釜を被る祭りはどこにも無いので奇祭だろうけど・・。

 

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祭りの由来は諸説あるのだが、筑摩神社に伝わる「筑摩大神之紀」には、

「鍋冠は十五歳未満の少女をもってこれを役とす、若しその中に犯淫の輩在るときは、必ずその鍋落ちて発覚す」とあり、

古来より今日に至るまで、女子の貞操を重んじる祭りという説は多くの人に知られている。

昔は交渉をした男性の数だけ鍋を被るというものであった、

なんと酷なことだろうか、そして嘘をつくと罰が下るという、それにより不幸になった女性もおり、時のお殿様は禁止令を出したという。

『ならば、子供であれば問題ないだろう・・・。』という先人たちの知恵と妥協の結晶らしいのだ・・・。

 

  

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『鍋冠祭り』の開催日は毎年5月3日。

大まかなタイムスケジュールは、

12時00分:筑摩蓮沼会館にて衣装の着付けなど準備開始。(一般公開有り) 

14時00分:御旅所から筑摩神社に向けて行列が出発。

16時00分:筑摩神社の本殿に到着する。

     ※その距離は約1キロ、かなりゆっくりな速度で歩くのだ。

 

その他には、総勢200人にも及ぶ行列が並び

「エーヨンヤセー」「エートマッカナー」の掛け声で華麗な足さばきを見せる2人の蹴り奴、

太鼓を打ち鳴らしながら進む太鼓山、囃子方を乗せた曳山が連なる。

 

16時過ぎに筑摩神社へ到着すると、

式典が執り行なわれ、千秋楽の謡(うたい)で祭礼は終了となる。

 

ということで実際の旅日記を開始しよう。

 

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横浜駅(新幹線)に10時30分に到着した。

『なんて遅い出発なのだろう・・・・。』

 

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乗車する新幹線は新横浜10時52分発だ。

いつものKITであれば現地に着いている時間ではないか?

1ヵ月前の自分になぜこの時間の新幹線を予約したのが詰問したい!

 

車内は100%の乗車率、GWなので当然だろう。

行先は米原なので『ひかり』に乗車した、『のぞみ』であれば名古屋乗り換えとなるからだ。あまり、面倒なことはしたくはない。

 

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浜名湖を通過、少しづつ天気は回復しつつある。

 

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 いつも通り、新幹線の車窓には「727 COSMETICS」

 

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米原駅には12時44分に着いた。

本日の宿泊先は米原のビジネスホテルであり、荷物を預ける。

祭り開始まで時間があまりないので、無駄なく行動する必要がある。

 

祭りの会場は米原駅から徒歩30分、

米原市への経済協力のためにタクシーを使うか・・・・。(楽したいからでは?)

タクシーでは所要時間6分に変わる、約24分の短縮となった。

 

米原駅⇒筑摩神社へ。

徒歩は30分、時間があれば歩ける距離だが、今日は時間が惜しいのだ。

 

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13時05分、筑摩神社に到着した。

数名のカメラマンしかいない、それは当然なのだ、ここは到着地点であり、行列の出発地点は別にあるからだ。

その前に神社を見ておくことは必要なことだ。

 

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『筑摩の鍋冠り祭』

米原市指定無形民俗文化財

 

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『御厨』と『鍋冠祭』の関係、これがもう1つの祭りの由来となる。

 

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『尚江千軒遺跡』
湖底には遺跡があるという、ロマンだな〜。

 

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拝殿に向かうと湯気がたっている。

 

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湯立神事』だろうか。

 

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釜四つ・・・

行列も鍋4人、釜4人、8人による。

 

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まだひっそりとしている。

 

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こちらも祭りの前の静けさだ。

 

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神社の目の前には琵琶湖が広がっている、立地がとても良い。

 

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では出発場所の御旅所に向かおう。

 

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かわいらしい。

 

 筑摩神社から北1kmほどの場所に御旅所がある。

(このMAPは正確ではなく、この辺りにあると思って!) 

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人はほぼ歩いていない、その変わりに車が絶え間なく走っている。

 

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なべかまの里の看板発見。

湖の散策は気分がいいな~。

 

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ここは県道2号・さざなみ街道。

交通量が多く、道路を横断することは難しい、本当に!!

 

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歩いていると幟が見えてくる、

御旅所を容易に発見だ!

 

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13時30分頃に到着。

まだ辺りは閑散としている、どこかの公民館・自宅で待機しているのだろう。

見物客も5・6人ほど。

 

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開始15分前・・・。

 

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開始10分前、続々と神輿・人が参集してくる、そして猿田彦も。

いつしかカメラマン、見物客も集まってきていた。

 

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神輿4台も集結した。

 

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蹴り奴が登場、独特の動きをする、一気にカメラのシャッター音が響く。

 

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そして本日の主役の8人が登場する。

全員の注目を集める。

 

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続々と鍋釜少女8人が歩いてくる。

少し遠い、だけど安心してほしい、あとでいくらでも近くで見るチャンスがくる。

 

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14時00分、時間通りに第一陣が出立していく。

まずはお歴々たちだろうか、ここではシャッター音は基本ない!!(笑)

 

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猿田彦出立。

 

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獅子舞二匹出立。

 

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『 僕も出陣だ!! 』

勇ましい子供、かならず子供の隣りは親が付き添っている。

 

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女の子はきれいに着飾っている。

 

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最後の神輿が出立していく。 

 

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出立前の型だ。

 

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肩に背負い独特な足さばきをする。

 

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それが終わると周りから拍手喝采!!

 

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鍋釜少女の左隣りには紋付き袴を着た父親が付き添う、近くに正装している母親もいる。

父親は左手に竹の前が分かれたものを持ち、右手には折りたたみの椅子を持っている。

  

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かぶるのは本物の鍋や釜ではなく、
竹で骨組みを作り和紙を貼り、柿渋を塗った「一閑張」と呼ばれるものだ。
若草色の狩衣に緋の袴を着け、扇を手にしている。

左の少女の被り物には三本の突起がついている、これが『釜』だ。

右の被り物はのっぺりとしている、これが『鍋』だ。

 

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笛を持った和装したお歴々が最終組となる。

 

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県道2号線を係員が止めて、対岸へ移動する。

 

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琵琶湖をバックに筑摩神社に向けて歩いて行く。

あちら側は狭いので両親と少女で幅いっぱいとなる。

 

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このちょこんと感がかわいらしい。

 

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すぐに行列は止まる・・・そして折りたたみ椅子の登場だ。

 

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横断歩道は数カ所しかないので渡るのは困難だ、気を付けよう。

 

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向こうに見える山々も美しい、湖と山・・・何気ない組み合わせだが、その光景は意外と限定的だ。

 

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少し飽きてきたのか、疲れたのか・・・。

しっかりと髭が書かれている。

 

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こちらの鍋釜の少女もいろんな表情を見せてくれる。

 

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あくびをする子供がいたり、笑ったり、つまらなそうな表情をしたり、

本当に子どもはおもしろい。

 

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とても落ち着きのある子どもがいたり・・・。

鍋釜少女たちは、

この祭りで一般の人が撮られる一生分以上の写真をとられたことだろう・・。

 

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この『ちょこん』と座っている感じがかわいい。

 


鍋冠祭り2019①

 

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こちらの少年も決まっているが、少し疲れ気味・・・。

子供らしくていいね。

 

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再び休憩、何回目だろうか。

 

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入江橋を通過中。

 

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あの木々が神社の参道だ、その向こうの建物がエクシブ琵琶湖。

 

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 ここで車を止めて行列を参道へ引き込んでいく、滋賀県警も全面協力だ。

 

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ここまで約 1時間20分ほどかかって歩いてきた。

時刻は14時25分だ。

 

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大人の1kmは、子供の6kmに匹敵するのだろうか・・・。

 

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参道で休憩だ。

 

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ここでこの祭の長老に出会う!!!

 

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帽子を5つ被っている、鍋冠祭りの体現者だ。

 

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ここで神輿が動く、最後のスパートということか。

 

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Vサイン!!

わたしもグーサインで返す!

 

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先頭組は既に到着している。

神社で佇む猿田彦

 

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一方、鍋釜少女はもう少し時間がかかりそうだ。

 

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またまた休憩だ。

 


鍋冠祭り2019②

 

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鳥居前で木靴に履き替える。

 

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蹴り奴、最大の見せ場だ。

 

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かっこいいぜ。

 

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16時過ぎ、鳥居を通過中。

 

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そしてまたまた休憩。

 


鍋冠祭り2019③

 

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蹴り奴が拝殿に参拝。

 


鍋冠祭り2019④

 

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そして奥の本殿へ。

 

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全員が本殿におさまった、最後のフィナーレだ。

 

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奥から、鍋・釜・鍋・釜と並んでいる・・・違いがわかる?

 

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一人ひとりが本殿に手を合わせて、下りてい来る、そして緑の衣装を脱いで赤い着物のまま両親と帰っていった。

時刻は16時35分をさしていた。

 

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ここで鍋・釜などの片付けをしていた。

また来年・・・。 

 

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少し風が出てきたか・・・。

見物客は誰もいなくなったが、拝殿では神社関係者が集まり式が進められていた。

私も笛の音色を聞きながら筑摩神社を後にした。

 

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海もいいけど湖もいいよね!!

 

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来た時に気になっていた場所だが、すごい勢いで水が流れ出ていた。

 

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何をしているかよくわからないが、

『ま、いいか。』

 

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琵琶湖干拓資料館がある。

もう閉館の時間だろう、軽トラックに乗るおじさんが見えた。

 

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揚水機が展示されていた、屋外なので相当傷んでいる。

 

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米原駅まで少し距離はあるが川に山に田んぼと景色が気持ちよい、

そして時折吹き抜ける風が心地よい。

 

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歩いているとこんなものが・・・なんだろう。 

 

そして祭囃子が風に乗ってかすかに聞こえてくる・・・方角もよくわからないが

確実に聞こえてくる。

なんだか、心地いいな~と駅へ歩いて行く。

 

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そして鳩のマークのスーパーが見えてきた、

今回の旅でお世話になった『平和堂』だ。

本日の夕食はここで購入する。

 

明日の能登川にも、明後日も常に平和堂がある、

滋賀は平和堂のテリトリーなのだろう。

 

鍋冠祭りは少女のかわいらしさもあり、奇祭という感じではない、

なんだか一風変わった授業参観のような感じもしてくる。

かわいい少女たちがただ歩くという行事であるが、その成り立ち、琵琶湖の景色と

様々な要素が混ざり合い、とても清々しい祭りであった。

 

明日は一転して、そんな平和ムードは一切ない、デンジャラスな祭りとなる。

心していかなければならない。

 

スローに始まった滋賀の旅、残り2日間だ。

 

 

 ~おまけ~

米原のホテルに宿泊したが、窓から新幹線を見ることができる。

 

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さすが、新幹線、かなりの頻度で轟音をたてて通過していく。

 

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米原はひかりしか止まらないので、ほとんどは通過していく。

 

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反対方向を見ると、かすかに琵琶湖が見える、

わたしにとってはよいホテルだな〜。

 

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翌朝も6時過ぎからガンガン通過していった、

リニア新幹線が運行したらどのように変わっていくのだろうか?

米原駅停車も増えるかもしれない。

 

少し楽しみではある。

 

 滋賀の旅①・鍋冠祭り編 完