滋賀2泊3日の旅も最終日となった。
3日目は寂しいような、家に帰れてホッとするような2つの性格が入り混じる日だ。
この二律背反を感じる最終日の祭りは、『すし切り祭り』だ。
『すし切り祭り』とはなんだろうか?
KIT『いい質問ですね。』
KIT『すし切り祭りとは鮒鮓の祭りだ!』
ではその鮒鮓とはなんですか?
となるのが一般的だろう。
滋賀県の郷土料理は鮒鮓である、
琵琶湖でとれる鮒(ニゴロブナ)を使う、塩漬けにして水洗い、御飯を詰めて、
樽の中で発酵させる、出来上がりまで1年半もかかる、だから高級食材といわれている。
(1)すし切り祭りの開催場所は、
※しもにいかわ と読む
(2)開催日:毎年5月5日開催
(3)祭りの由来
かつて村人が歓迎の意をこめて、献上した鮒鮓を豊城入彦命が大変喜んだことに由来するという。
滋賀県の郷土料理・「鮒鮓」を古式に則った作法で切り、神に献上する。
国選択無形民俗文化財指定されている。
それと共に披露される
「長刀祭」「かんこの舞」も指定も指定されている。
(4)スケジュール
5月5日開催
AM10時:例祭・巫女舞(本社)
PM1時:鮒鮓切り神事(拝殿前)
PM3時:神輿渡御・長刀踊り・かんこの舞
※5月4日には、宵宮祭り・湯立神事が行われる。
では、旅日記スタートだ!
本日起床は4時50分、
昨日の坂下り祭りの疲れがあるのか、よく眠れた。
ホテルは8時15分に出発、ホテルは駅前の為、徒歩30秒だ。
能登川駅、かなりオシャレな造りとなっている、この窓から平和堂が見える、今回の旅ではお世話になった!
改札前、人は閑散としている、近くにはコンビニがなさそうなのでセブンイレブンは
ありがたい存在だろう。
8時31分発の姫路行きの新快速に乗り守山駅に向かうが、ここで不測の事態が発生する、コインロッカーが空いていない、16個全てが埋まっていたのだ。
こんなことはKITの旅史上初めての体験だ、いつかはあるだろうと思っていたが、今回おこるとは・・・。
こんな大荷物を抱え祭りにはいけないので、
別の駅のコインロッカーを探さなくてはならない。
その為に乗るはずのバスにも乗れず、計画が大幅に変更となった。
次の電車までの待ち時間がとても長く感じた、
新快速に再び乗り隣りの草津駅で下車する、
改札を出て右側にコインロッカーを発見した、
赤い鍵が1つだけついており、一目散に向かう、でもこれが失敗だった。
空いていたのは大型600円のコインロッカーのみで、思わぬ出費となった。
しかしホッとした後、隣りを見ると窪地に小型メインのコインロッカーがたくさん空いていた。
焦る気持ちで周りを見る余裕を欠いていた、
まあ、草津に300円寄付ということで納得した。
再び、守山駅に戻り停まっているタクシーに乗り込む。
KIT『下新川神社にお願いします!』
ドライバーさん『・・・・? 知らないな・・・もしかして幸津川さづかわの?』
あとで気づくが幸津川はさづかわと読むのか、と納得した、
KIT『鮒の神事をやる場所です。』
ドライバーさん『ああ、あそこね!』
神社名は知らないが、神事は有名らしい。
そして下新川神社前で下車した。
周りはとても閑散としており、祭りの日とは思えない。
それもそのはず、多くの人はすし切り神事に合わせて来るのだ。
5月5日
午前10時:例祭・巫女舞
午後01時:鮒鮓切り神事 というスケジュールだ。
2時間の1本ほどか・・・事前に調べて計画的に行こう!
守山駅からこのバスを利用する場合、
8時15分発・11時5分発がある、乗車時間は19分前後だ。今度来る機会があれぼ、11時のバスで来よう。
提灯の絵がとてもゆるくてよい感じだ、
味があるといったほうがよいか。
あまり車通っていなっしー!!
もう10時になる、神社関係者と巫女のご家族らしき人たちしかいない。
とりあえず境内を散策しよう。
『下新川神社』
しもにいかわじんじゃ。
狛犬の後ろの子供の看板・・・滋賀にはこのような注意看板が多くみられるのだ。
道路を見ても子供の看板が隠れている。
『下新川神社 由緒略記』
『祝! 日本遺産登録』
近江のケンケト祭り・長刀振りの鮒ずし切り神事
パンフレットとカードが置いてあるので頂こう!!
この太鼓はなんだろうか。
祭りの日、限定だろうか。
拝殿前にはムシロが敷かれており、イメージ通りの光景だ。
この段階では誰もいない。
拝殿側から見てみる、どこで見るべきかシミュレーションしなくては!
10時 、祭礼する方々が本殿に向かい歩いてくる。
隅っこから例祭をみさせていただく・・。
10時45分頃には終わり、境内は再び静寂に包まれる。
再び境内を散策しよう。
『神使い おしどり』
『牛神社』
『愛宕神社』
『 神武天皇遥拝所』
『 龍神社』
この後、暇な時間が続く・・・・・・・・。
でも広く、とても落ち着いた場所なので、のんびりと過ごすことができた。
たまには、そんな時間があってもよいだろう。
12時20分過ぎ、宮司が席に着いた。
ちなみに奥が自治会長だ。
写真を撮るならこちら側だな。
まだ準備段階なのかもしれないが、思いのほか早く状況が動いた。
12時27分、若者2名が登場、板直しという。
いきなり、始まった感があり驚いた。
もう神事は始まっているのだろう。
板直しは、何を持ってきたのか・・・。
『??』
芋、煮豆、煮魚かな?
12時35分頃、神馬が入ってくる。
そして来た道を折り返していった。
独特の動きに目を奪われる。
御神酒が注がれる、二人の動きは合わされている。
二回目の御神酒となる、一回目より大きくなっている。
三回目の登場、さらに大きくなっている。
御神酒は三度注がれた。
次に赤いお椀が運ばれてきた・・・。
12時48分、御輿衆の登場。
大勢の御輿衆が御輿を取り囲む。
御輿衆が拝殿の階段に座る。
神事が始まる前に神社関係者が『ソコ』に座っていいと言っていたが、
ダメじぇねえかよ!!
「すし切り神事」へと移っていく。
12時53分、ついに主役が登場する。
『鮒鮓』だ!
そして最高ののけぞりだ。
かなりの重さであると思うのだが・・・。
見ているほうも緊張が走る。
再び、のけぞる。
独特のポーズだ!!
「 4・2・4」の10匹の鮒だ。
包丁、真魚箸が右側に乗せられている。
脇差しと袱紗を横に置く、これは失敗したら切腹するという覚悟の表れか。
包丁を使い箸で抑えて、包み紙の試し切りを行う。
箸や包丁を入れる際も独特の所作をする。
まずは鮒を切る場所を空ける為に他の鮒を移動する。
鮒の移動!
ついに箸が鮒に触れる。
時として宮司による補助も入る。
箸と包丁が大きく振りかぶり、天から下ろす。
たまごがしっかりと入っている、
頭と尾を切り離し、次に胴体を切っていく。
たまごがはみ出たり、崩れたりすると縁起が悪いといわれ、特に緊張を強いる作業だ。
板直しは、懐紙で箸や包丁を拭いたり、汗を拭いたりする。
皿に鮒を乗せていく。
皿が小さく、かなり盛られている、
御輿衆からは「大きい皿持ってこい!」「おとすぞ!」「それでええんか、ほんとにええんか?」などヤジが飛ぶ。
周りから笑いが起こる。
時刻は13時20分、一匹目の鮒の切り分けが終わった。
この鮒鮓の切り分けが3回行われる、
一匹目は御旅所に奉納され、二匹目は宮司と自治会長に差し上げ、三匹目は御輿に奉納される。
二匹目は大きめに切った。
かなり時間は短くなった。
三匹目を切り分けている間に来賓者に対して酒が振舞われる。
しかもお椀になみなみだ、表面張力状態だ・・・。
こちらは守山市の守山和宏市長だ、華麗に飲み切った。
次から次へと酒の番が回ってくる。
酒盛りの横では、三匹目が切り分けられている・・・・。
手は一切使わず、箸と包丁だけで切り分ける、
今でいうところの「ショー」だろう、昔はこのように「食」も『ショー』として
楽しんでいたのだろう。
13時40分、二人の若い衆は精も魂も使い果たして、お役目を終えて戻って行く。
板直しが鮒七匹を乗せたまな板を御輿庫に 持ち帰っていった。
ムシロを片付け『すし切り神事』はこうして終わった。
そして続々と入ってくる。
何がはじまるのか?
『すし切り神事』の次は「諫鼓の舞(かんこのまい)』へと移っていく。
帰りの手段だが・・・
バスかタクシーとなるのだが、
バスであれば、神社前バス停・14時31分、16時36分発となる。(2019年5月現在)
洲本バス停まで歩いて行けば、別系統のバスに乗れるが30分は歩くことになる。
あと、守山駅にはレンタサイクルもあるので、それも選択肢に入るだろう。
実際には大事をとり14時31分のバスに乗った、
あまり遅いと琵琶湖からの帰り客とバッティングして遅れる可能性がある、名神高速道路へ続く道路だからだ。
(これはタクシーの運転手さんのアドバイスだ。)
新幹線が満席の中、乗り遅れは許されない。
安全牌を取りたい、これは良い決断だと思う。(自画自賛!)
バス停で待っていると続々と諫鼓の舞の団体が神社から出てきた。
これから各地区を周るのだろうか・・・。
予定では15時からとなっていた『アレ』か・・・。
よく読んで理解していないとダメだな。
15時から、神輿渡御・長刀踊り・かんこの舞・・町内一円と書いてある。
御輿も後からやってきた。
ほぼ時刻通りに守山駅行のバスが来てしまった・・・。
全然遅れてよいのに・・。
バスの車窓から・・・。
駅に戻るまで他の地区でも祭りが行われていた・・・。
気になるぞ!
守山駅に到着した。
コインロッカーの荷物をピックアップしなければならない。
滋賀の草津は温泉はないが近鉄百貨店がある。
関東でいうところのさいか屋藤沢店といったかんじか?
ともにだいだい売上高で110億前後だ。
近鉄百貨店で、
かなーり遅い昼飯を食べて、16時06分発の新快速で京都へ向かう、
草津で余裕こいて列車遅延などあってはたまらんからね。
案の定、京都駅は人でごった返していた、
新幹線改札前の『551ホウライ』は大行列だった、さっきの近鉄草津店では4人しか並んでいなかったのに。
喫茶店なども混んでおり、デッキで30分無我の境地に浸る・・。
30分前に新幹線改札内に入り、ビールを購入する。
祭りと酒が切り離さないように旅の最後とビールは切り離せないのだ!
ここで大問題が発生!
隣りの席には小学4・5年の子供が座った、
大人としてビールを飲んでよいのかと5分の葛藤・・・・・・・・・・・・。
今でもうちの冷蔵庫で冷えている。
いつ飲むかな。
新幹線の車窓から、第1日目の旅行先・米原の平和堂が見えてきた・・・。
これまでの新幹線では、全く気にもとめていなかった米原の平和堂も目にとまるように
なった・・・また降りる日が来るのだろうか・・・。
来年も滋賀にいそうだな・・・。
滋賀の旅③すし切り祭り編 完