帰りの電車の外には青空が見え始めていた・・・。
午前中、正午は雨が降っていたのにさ。
と、たまには自然に対して愚痴をいう、もう横浜に到着する、自宅はもう少しだ。
今日は、江古田獅子舞を楽しみにしていた。
『東京はくもり、一時的に雨』との予報であったが、ワンチャンスあるのでは?
と天気予報の外れを大いに期待して自宅を出たKITだが・・・。
向った先は豊島区の江古田という地区だ。
最寄り駅はというと、このあたりは路線が多く走っており、選択肢が多いのだが、
12時から獅子舞行列があると聞き、それに合わせて向かった。
例大祭は、昨日土曜日から行われており本日は2日目だ。
最近は10月第1週目の土日開催らしい。
なんだか2つの地名が合成されたかのような駅名だが、
降りるとショッピングモールが隣接しており、なんだがいい感じ。
少し時間が早い気もするが、駅からトボトボと歩き出す、
雨が降りませんようにと祈りながら・・・。
時刻は11時20分ほどだ。
そんな祈りも虚しく、祭りの会場に着く前に小雨が降り出した、
そして通りのどこからか、神輿を担ぐ掛け声が聞こえている。
そして公園に到着する。
法被を着た人たちが大勢いたが、なんだが祭りという雰囲気ではない。
正面には謎の塔が見える、あの下には公園があり、お祭りの準備がされているのだ。
※あれは『野方配水塔』というらしい。
もう雨は本降りへと変わっていた・・・。
これで獅子舞行列は中止・・・14時から神社境内での獅子舞は行われるという。
この雨の中で、長時間待つことはできない。
『今日は撤退だ! 来年また会おう!!』
と即座に決断して帰路につく。
そして近くにはこのような場所を発見した。
【絶対城】だ。
『なんだよ、絶対城って?!』
今日は雨だし、別の日に・・最強の装備で来よう!
同じルートではつまらないので、西武新宿線・新井薬師前駅まで歩いてみた、
かなり雨に濡れたがね・・・。
今日は久しぶりの大敗北だ。
獅子舞は見れないし、服は濡れているし。
なんとなく、こんな感じになるのではと思っていたが、現実のものとなると悲しい😭
東京駅に出て、腹いせに、気分転換に駅弁を2つ購入した(笑)
もう一つは後ほど紹介します。
特急踊り子の自由席で食ってやったぜ!!
しかも東京駅出発前にさ!!
『ワイルドだろ〜。』
特急踊り子号は東京駅を始発として伊豆急下田に向かう、
こんな日に下田に行く人なんているのだろうか・・・・。
(まぁ実際には何人も乗っているのだが)
今の特急車両は窓は開かない、
昭和造りの踊り子号(185系)はつまみを押して、窓をあげることができる、
上げてみたい衝動に駆られたが、ヒンシュクを受けそうでやめた。
(もしかして固定されている?!)
その踊り子号(185系)は、2021年間春には引退予定とのことだ。
後継車はのE257系、以前中央線特急として活躍した?、あまり評判のよくない車両だ。
『みんな、E257って、わからないよね。』
しかしこのままおとなしく帰るKITではない、横浜に着くと・・・、
高島屋横浜店8Fに向かった。
そごう横浜では「不思議の国のアリス展」が開催されているが、
横高(よこたか)では「幻の横浜焼・東京焼展」が開催中だ。
※横浜人は高島屋横浜店を横高と呼ぶのだ(大嘘)
「横浜焼とはなんだろう?」 と思う人が多いだろう。
横浜焼とは、「焼売(シュウマイ)」のことなのだ、
それもただのシュウマイじゃない!
崎陽軒のシウマイはグリンピースがランダムに入っている、
そのため1つも入っていないシウマイもあるのだ、
それを「幻の横浜焼」というのだ。
ウソ言うな!!!
KIT「ごめんなさい」🙏
ではまじめに。
いまでは横浜は日本最大の市となった、しかしかつての横浜は寒村だった。
それが一変したのが黒船来航、文明開化・横浜開港だ。
船が集まり、人が集まれば、商売が盛んになり、
そして全国の陶工たちも横浜に集まった。
そして作られたのが横浜焼だ。
もちろん外国が主な販売相手である、
外国人からみれば、見たことのない造成、精緻な造り、
まさに「エクセレント!」もしくは「Très bien(トレビアン)」 である。
その柄や模様は外国人が好むものとなっていく、
だからその形は他の陶磁器とは少し趣きが異なるのだ。
最盛期には横浜から海外に横浜焼が大量に出荷された、
そのため日本に現存しているものは少なく、故に知名度としても低い。
横浜の人さえも知らない人の方が多いぐらいだ。
その中で有名なのは宮川香山(みやがわ こうざん)だ、
海外ではマクズウェア(真葛焼)として名を馳せた。
そして高浮彫(たかうきぼり)という技法を生み出した人物だ、
これはどのように造られたか詳細がわからないという。
高島屋横浜店公式HPより
【高浮彫牡丹二眠猫覚醒大香炉】
高島屋横浜店公式HPより
狂暴そうな猫だ!!! ミュージアムショップではこの猫のキーホルダーが
売られていた、3分迷ったが我慢した・・・。
【高取釉高浮彫蟹花瓶】
高島屋横浜店公式HP
こっちは蟹だよ!! 蟹!!
横浜焼は今では姿を消し、その技法の解明されていない、だから幻なのだ。
その人気のきっかけは、1873年のウィーン万国博覧会への出展だ、
そこで日本の陶磁器は大評価をうけ、フランスを中心にジャポニスムブームが起こった。
そして、次の転機が関東大震災と世界大戦による横浜空襲となった。
それ以降横浜焼は一気に衰退して姿を消してしまう、
そのため 幻の横浜焼 とよばれる。
しかし完全になくなったわけではない、個人で細々と作っているとの話しもきく、
横浜焼のお店を探して、当時に思いを馳せるのもよいかもしれない。
展示品の多くには、田邊哲人の名前があった。
この方は海外に流出していた横浜焼を買い戻し、日本にお里帰りをさせた人物だ、
そのため田邊コレクションとして多くが展示されている。
そして田邊哲人氏はコレクターの他にスポーツチャンバラの創始者という顔を持つ。
子供の頃に遊んだあのチャンバラをスポーツに昇華させる、これを成し遂げた人物だ。
お隣りの催事スペースでは、北海道展が開催されており大混雑している、
北海道海鮮弁当がうまそうだが、
今の私の右手には、牛たん弁当の入ったビニール袋が下がっている。
ずっと、牛たん弁当を持ちながら横浜焼の展示を見ていた。
これは加熱式であり紐を引き抜くとお弁当が過熱される仕組みだ、
はじめて加熱式弁当をたべるので、ドキドキだ、縄文土器だ。
こう見るとおいしそうに見えない・・・。
今日は・・・
江古田獅子舞は見れなかったが、横浜焼の深淵にはちかづけたかな?
獅子舞敗走、横浜焼ってなあに? 完