「JR線を使わず、横浜から名古屋に行こう!」の第3部。
第1部では横浜駅から箱根峠を抜けて神奈川県を脱出した。
第2部では三島駅から修善寺、土肥港とつなぎ、フェリーで駿河湾を大横断、
清水港から新静岡へ移動、バス2路線を乗り継ぎ、浜岡で宿泊となった。
第3部では浜岡から最終目的地・名古屋駅を目指す。
今回の旅ルールはJR線・飛行機・車などを使わず、
私鉄・路線バス・船・徒歩しか使うことができない条件付きの旅、
なんでこんなことをしているかって?
したいからに決まっている!!! (⋈◍>◡<◍)。✧♡
浜岡のホテルを7時10分に出発した。
少し早い気もするが知らない土地であれば、これくらいで良いだろう。
バス停が見つからないというアクシデントも想定しなければならない。
外に出ると少し肌寒い、しかし歩くにはちょうど良いだろうか、5分後には浜岡の朝風を受けながら軽やかに歩き、浜岡営業所を目指した。
近くには浜岡原発がある、見学施設もあるらしいので興味がある人はいかがだろうか。
国道150号沿いを歩く、左前方には風力発電の風車の羽がわずかに見える。
近くには浜岡砂丘がある、忘れていたがここは御前崎なんだよな〜と気づく。
太平洋自転車道か・・・走ってみたい!!
そして本日最初の公共交通機関のバス停に到着した。
(しずてつジャストライン・浜岡営業所)
(13)しずてつジャストライン掛川大東浜岡
浜岡営業所バス停発7時41分
↓
掛川駅バス停着8時33分
(料金:¥950 / 乗車時間:52分)
浜岡営業所からは、運転手を入れて3名でのスタートとなった。
このバスは本日2便目のバスとなる。
1便目は6時台だ、これに乗っても次に乗る列車は同じ時刻になる、早く出て掛川城の撮影を考えたが、ここは休息を選んだ。
各バス停で1名ぐらいのペースで席が埋まっていく。
掛川駅到着15分前には、ほぼ満席になっていた。
この浜岡営業所から掛川駅の区間は、信号待ちがほとんど無く、ゆるやかなカーブと
心地よいアップダウン、バス旅の醍醐味を感じることができた。
これで海沿いを走れば、なお最高だった。
降りたバス停の前は、もう天浜線の駅舎が見えた。
とりあえず、時間があるのでJR掛川駅に行ってみた。
黒を基調としたシックな造りだ、ここには東海道線と東海道新幹線が走っている。
掛川から名古屋に行くのに、いったい何人の人が天浜線を使うのだろうか。
掛川城には徒歩7分の距離、残念ながら実物は見れないので写真だけでも。
ちなみに掛川城は2回ほど来ている、とてもいい城だよ!
(14)天竜浜名湖鉄道【2-1】
掛川駅発8時57分
↓
浜名湖佐久米駅着10時35分
(料金:¥1,700(フリー切符) / 乗車時間:98分)
天浜線掛川駅、JR掛川駅と比べると・・・とてもボロイ かわいい。
窓口で1日フリー切符を購入する、途中下車を1度だけするので40円ほどお得なのだ。
一気に乗り尽くすなら通常運賃のほうが安いだろう。
フリー切符を買うと、グルメか御朱印か、どちらか一方のガイドブックが貰える、
なぜグルメを選んでしまったのか・・・。
天浜線は一両編成のため、座席の確保が大事となる、早めの行動が必須だ。
ほぼ満席状態で掛川駅を出発した!
ドアの向こうにはJR掛川線のホームが見える。
東海道線で名古屋に向かう場合でも、2時間20分ほどかかってしまう、そんな微妙な距離なのだ。
途中駅、天竜二俣駅で9分ほどのすれ違い停車をした。
外の空気を吸う時間がある、そんな時間の余裕もローカル線の醍醐味だろう。
景色を見る、読書をする、音楽を聴く、あなたは旅のお供に何を選ぶ?
10時25分気賀駅に停車、ここには1回ほど来たことがある、気賀の関所があり、4月に行われる姫様道中というお祭りが少しだけ有名だ。
10時28分頃、車窓に浜名湖が見えてきた、観光客のテンションは上がる。
そして程なく途中下車駅・浜名湖佐久米駅に到着する、降りた瞬間から異質な空間に戸
惑う、カモメたちが電車の周りを飛び回っているのだ。
話では聞いていたが、実際に見ると驚いてしまう!
カモメだ!!
実際に画像を見て欲しい、エサを目的としたカモメたちで溢れかえる。
写真を撮っていると頭が重くなった、ユリカモメがとまったのだ。
ここは浜名湖佐久米(はまなこさくめ)駅だ!!
餌をあげているオジサンの頭にとまるカモメ!!
完全に懐かれている。
おっちゃん、エサくれ!! おっちゃん、エサくれ!!!
くれないの~。
この旅で最初で最後の途中下車だ。
目的はユリカモメとティータイム!
このホーム前には浜名湖があり、その上を東名高速道路が走っている、一風変わった駅なのだ。
ホームから見える「喫茶と食事 かとれあ」の看板。
こちらは浜名湖佐久米駅正面だ、当然ながら無人駅だ、左には喫茶店の入口が見える。
そして駅前には牛!!のトイレ。
うなぎ!!
なんと、濃い駅だ。
掛川行きの列車が来たというので、再びホームへ行ってみる!
カモメがバサッ、バサッと飛ぶ!
かとれあのキャラクターは、もちろんユリカモメだ、でも缶バッチはいらないかな〜。
では、喫茶かとれあに入ってみよう。
次の列車が来るまでコーヒータイムだ。
せっかくだし、ケーキセットにしてみた。
レトロな喫茶店は大好きだ、そしてケーキもうまい!
1時間に1本運行が多い天浜線の途中下車は、時間の配分が難しい、
そんな時、喫茶店があるのはとても心強い。
そして道路を挟み、うなぎ屋もある。
かなりの有名店らしく、車が続々と入ってくる、是非とも食べてみたかったのだが、
時間的に厳しいと断念した・・・。
うなぎ屋の開店は11時、列車は11時31分発車、
すき家のうなぎじゃあるまいし、30分間では食べ終えることはできない。
ということで『喫茶 かとれあ』でまったりと時間を過ごす、お客様は常連らしき人が3
人ほど来ていたが、思いのほか店内は広くゆったりと寛げた。
(14)天竜浜名湖鉄道【2-2】
浜名湖佐久米駅発11時31分
↓
新所原着12時03分
(料金:¥1,700(フリー切符) / 乗車時間:32分)
時刻通り、新所原駅行きの列車が入線する、
もうカモメおじさんたちは帰ってしまっていた・・・。
では、糖分も補充したので、再び天浜線の車窓の旅へ!
乗車時間30分ほどで終点・新所原駅に到着。
少し寂しく感じるが、2時間以上乗っており、一方ではホッとした思いもある。
12時03分、新所原駅に到着した。
昨日は三島から静岡に入り、本日ようやく静岡最西端の湖西市まで来た。
次は今回の旅で始めての徒歩による移動だ、もう県境近くまで来ている!
行政区分による弊害なのか、
新所原駅にはJR東海道線の駅があるが、本旅のルールにより、当然ながら乗ることはできない。
少し歩くと豊鉄バスが運行している、そこまで歩かねばならない。
歩くといっても2.8kmほどであり、それほど大変な距離ではない。
その前に!
お昼ご飯を食べておこう、新所原駅といえば、名物のうなぎ屋がある。
三島のうなぎ、浜名湖佐久米のうなぎを食べることができず、ここまで来てしまった。
もう、ここで食べろと言っているようなもの。
なぜなら、次に乗る豊鉄バスまで1時間11分ほど時間が空いているのだ。
新所原駅からバス停まで余裕をみても、35分あれば行ける、
うなぎを食べる時間は十分にあるのだ。
こっちから見ても駅というより、うなぎ屋だな・・・。
天浜線・新所原駅に入ろうとすると、うなぎ屋か駅かわからなくなる。
駅のうなぎ屋 ・やまよし である!
私は二切入り¥2,100を注文する、
そのほかには一本 入り¥2,800、半身¥1,600もあった。
テイクアウトとイートインが選べる、
もちろん、イートインを選択、お金を払い、一度外に出て裏口から奥座敷に入る、
まるで個人宅のようだ、先客が2組いたが席は空いていた。
座布団に座り、あぐらをかいて食べるスタイルだ。
うなぎは10分もかからず、出てきた!
これは旅人にやさしいお店だ。
そしてうまい!!
では、お腹も心も満たして、
フィナーレに向けて、再スタートだ!
(15)徒歩
新所原駅発12時20分
↓
大脇バス停着12時03分
(料金:¥0 / 乗車時間:32分)
新所原駅。
右にはJRの駅舎・左に天竜浜名湖線のうなぎ屋!
新所原駅・12時20分に出発!!
この道は愛知県に繋がっている、行くぜ!!!
県道隣りの歩道を歩くため安全であるが、行き交う車の速度は速く、なんだかせわしない。
それに人と全く遭遇しない、本当に1人も遭遇しないのだ、ここは車社会であり、
歩く人は少ないのだろう。
12時25分、ついにこの時がきた。
『愛知県 豊橋市』の看板がそびえ立つ!
そして県境を跨ぐ!
他に人には何気ない一歩であるが、私にとっては喜びを感じる感動の一歩なのだ。
いつも私は神奈川県と東京都の県境を通勤している、
しかし、この県境とは重みが違うのだ、艱難辛苦の末に、たどり着いた県境、
その感動、感慨深さは計り知れない。
( おい、おまえが勝手にやっていることだろ! )
【ようこそ! 愛知県へ】
次はこの看板だ。
『ようこそ、豊橋市へ。』
歩いていると右前方にどでかい岩山が見える、あれは何?
立岩という神聖な御神体らしい。
進行方向左には、東海道線が走っており1本ほど見ることができた。
この区間はそれほど頻繁には走っていないのだろう。
時間があるので、意味もなく歩道橋に上ってみた。
はるか先には、東海道新幹線の高架が見える。
と言っていると新幹線が通過していく。
うなぎ屋・やまよしでは、早く出して頂いたので、相当な時間の余裕が生まれた、
さらには心の余裕も生まれ、一歩一歩踏みしめて歩いていく。
ようはダラダラと歩きました!
和洋菓子「ボンとらや!?」
ロードサイドには飲食店が多くあった。
中華屋、パスタ屋、カフェはけっこう見た、
このルートを歩く人は、食べ物には困りません! 安心してください。
大脇町交差点に到達した、ホームセンターが目印だ、DCMカーマという名前らしい、
神奈川の私には全く馴染みがない名だ。
そしてバス停が見えてきた!
これで、数分後にはバスが来て、終点・豊橋駅まで連れて行ってくれるのだ。
JRがなくても大丈夫だ!
名鉄は名古屋急行電鉄といい、名古屋を中心として愛知県に強い地盤を持つ鉄道だ。
この企画は豊橋まで来てしまえば、実質的にはゴールとなるのだ。
そのゴールが京都・大阪・神戸であっても同じだ。
ただのバス停なのに、感慨深いのは何故だろう。
バス停をみて感動できるなんて、なんてすばらしいことだろうか!
(16)豊鉄バス
大脇バス停発13時15分
↓
豊橋着13時50分
(料金:¥520 / 乗車時間:35分)
13時15分、豊鉄バスが見えた!!
それだけで感慨深い。
豊鉄バスも後乗り・前降り・後払いだ。
車内は空いており、最後尾の席に座る、
今回のバス移動では始発に乗ることが多いため、最後尾に座ることが多かった。
※このバスは、ここが始発ではない。
13時50分、豊橋駅バスターミナルに到着。
豊橋は何回も来ており、新鮮味無いのが残念だ。
売っている土産もわかるほどだ。
もしかしたらと期待をしたが、やはり赤福は豊橋では売っていない・・・。
しょうがない、名古屋に行こう! ( おいおい。)
(17)名鉄本線
(料金:¥1,140+ミューチケット360円 / 乗車時間:53分)
なんかカワイイぞ!
豊橋駅にはJR3路線、東海道新幹線・東海道線・飯田線が走っている、
そして名鉄名古屋本線だ。
名鉄はJRの改札を共用しており、間借りしているような感じだ。
名鉄にも特急があり、厳密にいえば東海道線のグリーン車のようなものかな。
指定席車と普通席車が連結され運行されているのだ。
すでにネットで特急指定席を予約していたので、スムーズに乗ることができた。
新所原に着いた時点で、予定通りに移動できると確信したため購入した。
電光掲示板の14時15分発 名鉄岐阜行に乗って名鉄名古屋駅に向かう。
特急(一部特別)と書かれており、その切符をミューチケットと呼ぶ。
ホームにはチケット売場があり、ミューチケットはここでも買うことができる、
かなりの人がいたので、オンラインで購入したのは正解だった。
JR東海仕様の駅名標に名鉄のステッカーが貼られている・・・まさに間借りだ。
そして『横浜から名古屋に行こう!』の旅、最後の交通機関が入線してきた。
残念なことに、西日が当たりとても眩しい席だった。
でも旅のフィナーレにはふさわしい列車だ。
特別車両の乗車率が低い・・・安いのに。
14時41分に新安城駅に停車する、ここから西尾線に乗り換えることができる、
西尾は、ブランドの一色うなぎのお店が多いのだ、これも食べたかった。
しかし、まずは名古屋に向かわねば、途中下車ならよいが迂回や寄り道はダメだ。
そして、終わりの時は来た!
名鉄名古屋駅の到着コールが車内に流れる。
「kitさん、JR線を使わず名古屋に到着、おめでとうございます!」
とアナウンスされる。
そして乗客からは、割れんばかりの拍手がこだました。
妄想スイマセン・・・・・。
15時08分、定刻通りに名鉄名古屋駅に到着。
このホームに降り立った時刻が、終了時刻だ。
時刻は15時11分だった。
横浜を7時30分に出発して、名古屋には15時08分に到着した、翌日だけどね・・・。
終わりは何においてもあっけないものだ、
でも楽しかった! 程度は小さいかもしれないがこれも冒険だろう。
これを読み、『私もやってみようかな・・・』と思って頂ければ、私もうれしいものだ。
JR線を使わず、横浜から名古屋に行こう!【3-3】 完
では、反省会・会場はあちらでございます。
もう少しだけ続くよ。
↓