KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

奥能登・あえのことを見よう!【能登町編】(2019年12月05日)

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「あえのこと」と書いているが、「田の神まつり」という農家も多いという。

年2回、行われるのだが、それにも理由がある。

迎えれば、お送りもする・・・至極当然の流れといっていいだろう・・・。

暮れのあえのこと(12月5日) と 春のあえのこと(2月9日) 

暮れで田の神様をお迎えして、一年の収穫を感謝して、おもてなしをする。

その後、田の神様は家にてお休み頂き、春になると五穀豊穣を祈願して田に送り出す。

 

これは奥能登の農家にて行われている伝承・風習であり、

田の神様に一年の収穫に感謝して五穀豊穣を祈る農耕神事。

「あえ」とは『もてなし』

『こと』とは『まつり』という意味らしい。

 

この独自の風習は、

1976年:国指定重要無形文化財指定 / 2009年:ユネスコ無形文化遺産登録

となる。

 

今年2月の「春のあえのこと」を見学する為に奥能登へ行ったのだが、

その時は「あえのこと」を見ることができなかった。

この12月の「暮れのあえのこと」は、その失敗を生かした負けられない戦いでもある。

同じ失敗する人は「バカ」だ、オレは愛されるアホになりたい!!!

 

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前回の反省から前泊する

会社帰りに奥能登に向かう、七尾駅に22時35分に到着した。

人気の無い七尾駅・・・とうはく君だけがお出迎えしてくれる。

 

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七尾駅から5分ほど歩き、本日の宿泊地に到着。

 

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そして翌朝、空は曇で覆いつくされている、

本日の予報は雨時々曇り、時には荒れるかもしれない・・・。

でも雨ぐらいなんともない、前回の春のあえのことでは、大雪だったのだから、

雨などぬるま湯に過ぎない。

 

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時折、青空が見える、これはワンチャンあるかもね!!

と少しだけ楽しみができた。

※ちなみに右上の未確認物体はUFOではないよ・・・。

 

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JR七尾駅のと鉄道からは多くの高校生が降りてくる、

『そうか今日は平日なんだ・・・。』と思い知らされる。

 

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先程まで高校生たちで満員だった列車は、今は貸切状態となった。

チャーター料金は190円(七尾駅和倉温泉駅

 

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これから6分ほどの列車旅、お隣りの和倉温泉駅に向かう。

七尾駅発8時17分 ⇒ 和倉温泉駅着8時23分

よく見ると、マークが「のと」と書かれていることがわかる。

 

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隣りの車両はクリスマスラッピング車両、でもガラガラ。

この車両に乗ってしまった乗客は「強制クリぼっち」となるという。

 

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降りる際、先頭車両にて運転手さんに切符を渡して下車したのだが、

和倉温泉駅は有人駅であり、改札には駅員さんがいる。

その脇を通りすぎるのだが、もしかして止められるのでは・・という心配は杞憂に終わ

る。

 

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和倉温泉駅、超有名な温泉街だ。

ベストオブ旅館の加賀屋もここにあるのだ。

 

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駅前の日産レンタカーで軽自動車を借りて、

「いざ、奥能登へ!!」

和倉温泉は8時50分発、10時到着を目指して出発する。 

 

「合鹿庵」 ※ごうろくあん
住所:石川県鳳珠郡能登町字上町ロ部1-1 柳田植物公園内 

電話番号:0768-76-1680

 

時間があるなら、能登島経由で海を見ながらのドライブもいいだろう、

さらには、国道249号の海沿いを走り、穴水経由で向かうのもいいと思う。

 

しかし、今回の私は常に全力疾走、一切手を抜かない!!

本当は時間も少しあるのでオーシャンビューがいいに決まってる(本音)

 

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別所岳SA(のと里山街道)で停まってみる、

急いでいるとはいえ、10分ぐらいはいいだろう。

(今日は絶対に道は空いている!!)

 

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スカイデッキ・ゆめてらすというものがある。

これは行くしかない!! なぜなら今は青空が見えているからだ!

これが今回の能登旅、最初で最後の青空かもしれないのだから。

 

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また上に続いている、すげーもの造ったな・・・。

 

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絵画にような能登の景色。

能登の初冬」(とは書かれてはいない)

 

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これはワンチャンあるかも・・と少し期待をしてしまう。

しかしそんな甘い考えなど、捨てるべきだった。

 

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色づく能登半島 「色づき・きらめき能登半島!!」

しかしこのままで終わらないのが能登だ。

 

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では、ノンストップで合鹿庵へ。

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柳田植物園・駐車場に到着。

時刻は10時02分、なかなかのタイムだ!!

 

柳田植物公園内に合鹿庵がある、そこで神事「あえのこと」がおこなわれる。

 

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左には売店やコテージなどの受付(?)などの施設がある、

この坂を上がっていく、しっかりとしたお手洗いもある。

思い出すな~、今年の2月は雪で埋もれていた・・。 

 

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茅葺民家・合鹿庵の方向案内がある。

この辺りから大雨と風が吹き抜ける・・・人もいないし少しかなり不安になる。

 

あとで気づくのだが、合鹿庵近くには駐車場があり、皆さんはそちらに停めていた。

(今私が歩いている)このルートは遠回りなのだ。

 

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園内はかなり広い。

ちなみにこの辺りの地名が『合鹿』であった、だから合鹿庵というのだろう。

 

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10時11分に合鹿庵に到着した。

神事開始の約50分前だ、かなりいいタイムだと思う。

 

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土間にはお風呂が置かれている。

 

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写真で解説する「アエノコト」

ここではカタカナで書かれている、『あえのこと』

ここは実演と解説をしていただける様な場所であり、あえのこと初心者にはもってこい

の場所、こちらで勉強して、次に個人宅という順番が適切と思われる。

 

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中に入ると囲炉裏があり、外とは別の世界が広がっている、

雨風が防げるだけで、気持ちが落ち着く・・・。

 

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カメラマンたちがすでにスタンバイしようとしている、

周りにもすでに7・8名の見学者が待機している。

 

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一般的な見学者はこちらの座布団席になる、写真を撮る人達は横に陣取ることになる。

中には、北國新聞の腕章をしている人もいた、

こういう時は撮影もしくは見学場所を聞いておくとスムーズにいける。

 

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そして、ようやく実物を見ることができた!!

手前には収穫された野菜がならぶ、今年獲れた野菜を神様に見てもらうのだろうか。

田の神様とはいえ、このままでは召し上がらないはずだ。

 

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神様が座られる御座が2つある、これは田の神様はご夫婦で来るからだ。

どちらが男性で女性かは、わからない。

 

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お刺身はブリであり、出世魚といわれ縁起が良いのは言うまでもないだろう。

煮しめ」は、自家で栽培したものを使い、大根・ごぼう・人参・里芋・椎茸・ふき・

豆腐などが5品か7品の奇数でつくられる。

 

「酢の物」は、大根なますで人参・ブリの切り身を入れるという。 

「汁」は、豆腐を使った納豆汁が多いという、粘り強く仕事をするという意味がある。

 

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「尾頭付き・ハチメ」

生魚であり、焼き魚は田が焼けると縁起が悪いので使われない。

ハチメとは、メバルと言ったほうが馴染みが深いだろうか。

ハチメは口が大きく、収穫が増えるようにとお出しされる。

 

「甘酒」は、田の神様の好物、辛いお酒は苦手という、だから甘酒をお出しするのだ。

  

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赤飯にあらず、「小豆ごはん」である。

もち米による赤飯は「蒸す」ために縁起が悪いといわれている、茶碗蒸しも同じ理由で

出さないという。

蒸すとは、稲熱病(イモチ病)に結びつき、悪いものとされているという。

また「蒸す」と「虫」が結びつき、よくないとも考えられている。

 

これは上げ底にはなっていないよな~、すごい量に驚きだ。

 

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食事のあとは、甘いもの。

これは神様も人も同じですね、なんと、美味しそうなおはぎだろうか。

 

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「大根」

2つ用意されており、1つは二股大根が用意されている。

 

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普通の大根は男神、二股大根は女神に見立てられているという。

 

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これだけあれば、田の神様がご満足されるに違いない。

 

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今回、神事を執り行い、解説をして頂いた方です。

見ての通り正装で執り行われる、合鹿庵では羽織・袴となる。

服装は農家により多少異なるらしい、またごちそうも変わってくる。

 

合鹿庵では、『あえのこと』は11時から始まり、約1時間ほど行われる。

 

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11時7分、田の神様をお迎える為に田に向かう主人。

メディア・見学者もぞろぞろとついていきます・・・。

 

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合鹿庵から徒歩2分ほど(公園内)の場所にある。

 

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田に神様をお迎える。

二拝・二拍手・一拝して、鍬を三回入れる。

 

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ここでも説明をしていただける。

報道としては、解説ではなく神事を執り行ってほしいとの要望が出た、

たしかに、実演しながら説明しているので一連の流れが切れてしまう・・・。

私としては解説はありがたいのだが、賛否両論がでるのは仕方がない。

 

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この時ばかり、天気が奇跡的に回復した、これ以降青空をみることはなかった。

 

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では先に入り、待っておこう。

 

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田の神様は目が不自由な為、

段差や柱がある所など歩きずらい場所は言葉に出して案内していく。

「田の神様、段差がありますので、ご注意下さい・・・。」 

 

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まずは田の神様には、囲炉裏で寛いで頂く。

 

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ではお風呂の時間でございます・・・。 

 

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田の神様をお風呂にご案内して、お湯加減をお伺いする。

「田の神様、湯加減はいかがでしょうか。」

お風呂のお時間は約30分になるという、ここでは30分も待てないので・・・・・・・

時間がたったことにした。

 

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そして・・田の神様をお座敷にご案内する。

 

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本年の収穫に対して感謝の言葉を述べる主人。

 

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感謝の気持ちとして御膳を用意していることをお伝えして、

目の前の料理を一品一品を説明していく。

「こちらが、ハチメの尾頭付きでございます・・・。」

※他の料理の説明も続く。

 

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「田の神様、春までお休み下さい。」

※少し言葉が違うかもしれないけど、こんな感じで終わります。

 

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明日の新聞が楽しみだ、必ずや北國新聞では紹介されるはずだ。

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11時56分、ほぼ1時間、予定通りに『神事・あえのこと』は滞りなく終わった。

ようやく見ることができた、こんなうれしいことはない。

『日本の風習っていいな~。』をしみじみと感じてしまう。

 

しかし、

今回の旅の『あえのこと』はまだまだ終わらない!

次、行ってみよう!!!

 

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次の目的地は、珠洲市の田中さんのご自宅だ。

 

 奥能登・あえのことを見よう!【能登町編】 完