KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

奥能登・あえのことを見よう!【珠洲編】(2019年12月05日)

f:id:turumigawa915:20191210212357j:plain

能登「あえのこと=田の神まつり」を拝見するために来ている。

  

「あえのこと」とは何かはこの導入部でご確認下さい ↓

 

 

12月5日、毎年同日は「暮れのあえのこと」の日だ。

これは能登の農耕神事であり、現在公開して頂いているところは数カ所しかない、

今回の旅では「あえのこと」を3カ所周らせて頂く。

 

「あえのこと」の開始時刻は、特に固定されておらず、各家庭(場所)により異なって

いる、そのおかけで3カ所見ることができるのだ。

 

今回の旅の予定はだいだいこんな感じで考えている。

 

(1)和倉温泉駅発⇒(レンタカー移動)⇒合鹿庵(柳田植物園内)

 

(2)合鹿庵⇒(レンタカー移動)⇒珠洲市・個人宅(田中様邸)

 

(3)珠洲市・個人宅⇒(レンタカー移動)⇒三井の里・旧福島邸

 

(4)三井の里・旧福島邸⇒(レンタカー移動)⇒和倉温泉(あえの風)

 

 このブログでは(2)からスタートする。 

 

合鹿庵と珠洲市の田中邸の間には能登の観光地・見付島がある。

1つぐらいは観光地を見たい(見なくては)と思い、中継地点とした。

 

f:id:turumigawa915:20191207203913j:plain

見付島の駐車場であるが、平日しかも雨ということもあり、観光客は0人・・・。

と思いきや1組いた、雨の中、ベルを鳴らし気合で観光を楽しんでいた。

※よく観光地にあるベルね(鳴らせば幸せなるとかね・・・。)

 

f:id:turumigawa915:20191207204709j:plain

自転車専用の駐輪場もあるが、もちろん停めている人なんていない。

傘をさして歩いて行くが、寒々しいし、ぴちゃぴちゃと水たまりを歩きながら進む。

 

f:id:turumigawa915:20191207204555j:plain

「お~!」

何度も旅行ガイドブックで見た光景だ、この道をいけば(これを道をいうかどうかはお

いといて)あの島まで行くことができる(と思われる)

こんな日に歩く度胸は1mmも無いのだが・・・。

 


能登旅・見附島2019.12

 

f:id:turumigawa915:20191207210227p:plain

鳥居の上にいるのは、鳥4羽??!

 

f:id:turumigawa915:20191207204826j:plain

別名、軍艦島というらしい、どうすればこんな島が誕生するのか・・。

ショートケーキに見えなくもない。

愛称「ショートケーキ アイランド」(KIT命名

 

f:id:turumigawa915:20191207210755j:plain

初冬の寂しい見付島でした、別の意味で印象に残るかもしれない。

 

f:id:turumigawa915:20191207210919j:plain

駐車場の一角には、重厚な案内図があった。(それにしても立派な柱だ)

目を凝らしてみると・・・・。

「なんと!!!」

 

f:id:turumigawa915:20191207211059j:plain

珠洲市の「あえのこと」が記載されている。

個人宅といえど、観光案内に書かれている?!

ふしぎな感じもしたが、こんなこともあるのだろう。

 

もう1つ気になる場所があった、それは珠洲焼資料館だ。

とりあえず方角は同じなので行ってみることにした。

(今考えれば、欲は出すべきではなかった・・・。)

 

車を走らすといつしか蛸島という地名に変わる、

名前だけはしっているのだが、かなり能登半島の奥まで来たということはわかった。

 

ナビに従い到着すると、博物館なのにホテルのロータリーに着いた、

よくみるとホテル敷地内に珠洲焼資料館があった。

 

しかし時間をみると13時少し過ぎ、

あえのこと神事は14時から始まる、場所はわららないし、迷う可能性は高い。

実際にはすげー迷った・・・。

 

f:id:turumigawa915:20191208205049j:plain

珠洲焼資料館を10分で見れば、時間的には大丈夫だろうが、そんな見学は不誠実すぎ

る。

オリエンテーリングじゃないんだから。

 

ということで、泣く泣くあきらめることにした。

今回の目的を考えれば、至極当然の答えだろう。

 

f:id:turumigawa915:20191208204655p:plain

 珠洲焼資料館

 とても気になるのだ、珠洲焼。

よいグラスがあれば買おうと考えていただけに、とても残念だ。

 

f:id:turumigawa915:20191208205714j:plain

それにしても雨がすごい・・・。

しかし前回の「春のあえのこと」に比べたら、春のそよ風に過ぎない、

あの時は何度も雪にタイヤをとられ、冷や汗をかいた・・・。

 

少しだけ、来た道を走り、そして内陸へ車を走らす。

珠洲市か・・・能登半島の最奥は興味がある、

いつか、春・夏の晴天の日に行ってみたい。

 

などと考えていると、

珠洲市の「あえのこと」の見学させていただける個人宅周辺まで来た。

 

事前に珠洲市の観光交流課に住所を聞き、その際とても分かりずらいとも言っていた、

たしかにその通りだった・・・・。

 

f:id:turumigawa915:20191208210559j:plain

とても雰囲気の良い場所であるが、雨がすごい・・。

 

f:id:turumigawa915:20191208211408j:plain

番地は聞いていたので、その周辺を周るのだが、それらしい自宅はない。

表札もないので、3・4回ほど周っていると、心が折れかけてきた・・・。

もう一度、珠洲市に連絡するが、目印的なものはないらしい。

 

それに雨なので誰も歩いていないというのが、さらに状況を悪くした・・・。

 

あとは、メディアが多数来るはずなので、その車が入る家屋を見つけるしかない、

そしてそれがドンピシャと当たる、1台の軽自動車が1軒の家屋に入っていく、

すかさず、聞きにいくと、『この家です』との返答を得た。

そして一緒に入らせて頂くことになった・・・。

 

f:id:turumigawa915:20191208214457j:plain

個人のご自宅なので、ご紹介は最小限にします。

 

外から見ても、絶対に気づくはずがない場所であり、中に入ると土間があり、

大変立派な田舎家屋であった。

 

神棚の下に神座がつくられている。

 

f:id:turumigawa915:20191208220443j:plain

こちらに関して詳しく聞けばよかったと後悔。

 

f:id:turumigawa915:20191208214145j:plain

種籾俵四俵がおかれ、その前に御膳が用意されていた。

その家庭により、御膳も異なる、

口伝により連綿と続けられてきたので、その家庭の特色があるという。

 

f:id:turumigawa915:20191208214855j:plain

こちらは2つとも、股割れ大根となる。

栗箸は大きいものが用意されている。

 

f:id:turumigawa915:20191208220618j:plain

小豆ごはんがまんまるであり、なんだかかわいい、それにとても美味しそう。

魚はメバルだろうか。

あとは、なます、煮しめ、生豆腐の料理。

煮しめは、大根・人参・芋類の・昆布など能登で採れた食材が使われている。

 

f:id:turumigawa915:20191208215031j:plain

額には、先代のあえのことの場面が飾られている、積雪のあえのこともたいへん趣がある。
 

f:id:turumigawa915:20191208215240j:plain

このような機会を頂けるのは感謝しかない、

「あえのこと」は本来では、閉鎖的なのもであるはずのものだから。

 

f:id:turumigawa915:20191208215542j:plain

14時から神事が始まる、

周りにはご近所さまと思われる人が15人はいただろうか。

みな、じっと真剣に見ているのが印象的だ。

 

f:id:turumigawa915:20191208215629j:plain

お風呂にもご案内する、樽風呂、五右衛門風呂など、時代により形がことなる、

いまはバスタブの時代に。

ものは変わっても、感謝の念、しきたりは変わらない、なんかいいな〜と見ていた。

 

f:id:turumigawa915:20191208215748j:plain

座布団をご用意して、囲炉裏で暖まって頂く。

そこには、たしかに田の神様はいるのだ。

 

f:id:turumigawa915:20191208220201j:plain

収穫の感謝を申し上げ、

ご用意した御膳を一つ一つ説明をしていく。 

田の神様がお召し上がりになると、あえのことは終わりとなる。

 

f:id:turumigawa915:20191208220744j:plain

その後、見物人には甘酒が振る舞われて、

甘酒の数が無くなった為、小豆ごはんのおにぎりだろうか、それをいただいた。 

とても暖かく、美味しかった。

 

その後は新聞社の方の取材がおこなわれていた。

見物人たちは座敷に飾られいる写真などをみて楽しんでいた。

みなさん、流れ解散的に自宅に帰っていく、

私もありがとうございましたとお礼を申し上げて古民家を出た。

 

残念なのは、

個人宅での拝見ということで、横浜から土産を持ってきていた、

有明のハーバーなのだが、お渡しすることができなかった・・・。

 

f:id:turumigawa915:20191210213556j:plain

ご自宅がわからず、捜索に時間を費やしてしまった、

(ダメ元で歩いていると)ようやく見つけ、そのままの流れで入ってしまったのだ、

もう取りに行く時間もなかったので、渡すことはできなかった。 

こんな素晴らしい神事を見せていただき、さらには、おにぎりまで頂いた。

そこだけが残念であり、少し申し訳なく思った、もちろんそんなことを望んでいるわけ

ではないとはわかっているのだが。

 

積雪時のあえのことも見たいな・・と考えてしまった。

 

まだ、今回の奥能登「あえのこと」の旅は続く。

珠洲編はここで終わらせよう。

 

ホームページにお名前が書かれていたので、ここで書いてもよいだろう。

田中家の皆様、誠にありがとうございました。

 

「あえのこと・そのもの」を見せて頂いたことは、最高の記憶となった、

この伝統、いつまでも続いて欲しいと切に思う。

 

 奥能登・あえのことを見に行こう!【珠洲編】 完