今、私は、長野県諏訪市上諏訪にいる。
正確には、立石神社バス停より1つ前のバス停・桜ヶ丘バス停にて
コミュニティバス・かりんちゃんバスに乗車する。
かりんちゃんバスは、観光客が乗ることを想定していない、
文字通り、地元民の生活を考えたルート運行をしているバスである。
その為、観光目的で使用する時には、下調べが大事となる。
桜ヶ丘バス停を出ると、先ほど歩いて通過してきたバス停を通っていく、
立石神社下バス停、立石町バス停・・・・。
立石町バス停では、中国人観光客3名が下車した。
タクシーの運転手さんの言う通り、「君の名は」を見て、立石公園に向かうのだろう。
しかし、外国の人が異国の地で、「かりんちゃんバス」を使いこなすとは・・・、驚きだ!!
※地元の人でさえ、戸惑っていたのに・・・。
バスは、超大回りをしながら、市内を周っていく、
細い道を通り、裏道を通り、時にはホームセンターや鮮魚店の駐車場にも入っていく・・・、本当に地域密着の運行である。
途中、上諏訪駅のロータリーに入り、再び走っていく、
このとき、上諏訪駅で降りていればと今に思えば考える・・・、
その後、どんどん観光地から離れていくのだ、
そして気づけば1時間近くバスに乗っていた(笑)
まぁ、良い体験をしたと言えなくもないが、もっと効率よく動くべきであったと反省もした。
予定では「先宮神社バス停」で下車する予定であったが、
「八劔神社」近くのバス停で急きょ降りることにした。
八剱神社(やつるぎじんじゃ)は上諏訪駅から徒歩12分ほどの距離、
町散策を楽しみながら行こう。
八剱神社(八剣神社)、11時43分頃到着である。
この神社は、豊臣秀吉の高島城築城に際して、この地に移築したという。
参拝者は多い・・・はずだ。
八剱神社の神職は諏訪湖の御神渡り神事を執り行うのだ風習となっており、
諏訪湖・湖面に御神渡りが現れると、八剱神社の神職は祭礼を行い、現地に赴き御神渡りを検分するというのだ、しかも湖面を歩き確認をするという。
そして、その年の気候・吉凶などを占うのだ。
それは、諏訪大社を通じて、宮内庁に報告がされるというのは驚きだ。
大きな岩を使った手水鉢が印象的だ、それ以外にも別の手水鉢がある。
神楽殿があり、過去の行事等の写真が貼られている。
御神渡りの写真も貼られている、
湖面が全面氷結して、氷の厚さが10cm以上となり、零下10℃前後の日が続くことにより起こる現象である。
諏訪大社の上社の男神が下社の女神へ向かう道であるともいわれているが、
氷の膨張と収縮を繰り返すことによって起きると科学的メカニズムとして解明されている・・・。
拝殿にて参拝だ。
[八劔神社]
御柱がそそりたつ、諏訪の神社の特徴だ。
拝殿横には境内社が並ぶ。
こちらも温泉の手水鉢である。
では、八剱神社を離れよう。
手長神社へ、徒歩10分ほどの距離である。
水路があり、水の流れる音を聞きながら歩いて行く。
途中、「大神宮」という神社に寄る。
ここからも諏訪湖を見ることができる。
そして手長神社に到着、なんとも珍しく・不思議な名前だ。
どうやら、ここは中間地点らしい、下には鳥居が2つ見え、背後には第三の鳥居がある。
茶臼山中腹に鎮座している、手長神社。
隣りは諏訪中学校である。
ここが第三の鳥居、風格を感じさせる造りだ。
では参ろう。
さぁ、登っていこう。
御祭神は、手摩乳神(てなづちのかみ)。
家庭円満・子育ての神として「てながさま」を呼ばれている。
足摩乳神(あしなづちのかみ)とは夫婦神となる。
その娘は、奇稲田姫神(くしなだひめ)であり、神素盞嗚尊(すさのおのみこと)により、八岐大蛇の危機から救ってもらった。
◆ちなみに、足長神社はここから徒歩40分である。
〔手長宮〕
こちらが、てながさま・あしながさまである。
なんと凝った造りだろう、これが左右に連なる。
拝殿に向かい左隣である、系統図が掛けられている。
てながさま・あしながさまは、2段目におり、すさのおのみこと・くしなだひめへと
続く。
階段にて拝殿に繋がる。
さらに繋がる。
そして回廊へ繋がる、さらに続き奥で階段となり、社務所に繋がる。
いいでしょ、この繋がり感。
これらの造りに感嘆・感動・感激だ。
そして、最後に綱で綱がるという繋がり感!!
このような場所であったとは、想像をはるかに超える喜びである。
こちらの手水鉢も凝っている。
趣きがある。
境内からは諏訪湖を見ることができる。
建物が無い時代は、さぞかし壮観であったことだろう。
こちらは拝殿に向かい右隣となる、由緒書きがある。
ここで繋がりが終わる。
その並びには、境内社が並ぶ。
さらに段を変え、並ぶ。
拝殿より1段下に降りてきた。
正面が社務所である、しかも奥行きがあるのだ。
なにかと思ったら、地球こまである。
社務所前には池が2つあり、立派な鯉が泳いでいる。
こちらの境内からも諏訪湖を見ることができる、
ここの人達には身近に諏訪湖があり、当たり前の光景となっている、
周りに家しかない私から見れば、これだけで心が揺れる光景だ。
そして社務所、
声を出して呼ぶが、人の気配が全くしない・・・。
目の前には御朱印が3つある、
手長神社・足長神社・八劔神社である。
「ダメだ・・・・これは外出中だろう・・・・。」
かなりの精神的ショックを受ける・・・(20秒後)
「また来よう!! 足長神社にも行かないといけないし、それに児玉石神社・先宮神社も気になるし。」
気持ちを切り替え、出発だ!!
1度の挫折くらいは大丈夫!! とこの時は思っていた、
これは2度目の挫折がないという前提の発言である・・・・・・。
上段にある回廊の先には、さらに道が繋がっており、別の神社に行きつく。
聖徳神社という、そして感じるこの違和感。
鯱である。
このような神社は他にあるだろうか、
本来は、高島城の再建で使おうとしていたらしいのだが・・・・・・・・。
かなり珍しいものを見させていただいた。
手長神社から温泉寺に移動する。
徒歩11分である。
道を振り返ると聖徳神社の鳥居があった。
立石公園への看板がある、手長神社は立石神社ルートの近くにある。
坂を下っていくと諏訪湖が目に入ってくる。
温泉寺に到着。
〔臨江山〕と書かれている。
高島藩主・諏訪家の菩提寺でもある。
この山門は薬医門と呼ばれ、高島城から移築されたものである。
奥には鐘付き堂が見える。
本堂、
かつての高島城の能舞台である。
温泉禅寺、
ご本尊は、温泉を見守る釈迦如来だ。
和泉式部のお墓が温泉寺にある。
矢印に導かれ、進んでいくが・・・、地蔵尊・多宝塔があるエリアにでるが、
それ以降、道順が示されていない・・・。
「想定外!!」である、今までにこのような経験はない、
これは勘と偶然を頼りにするしかない・・・、または片っ端から見るしかないのだ、
しかし、上諏訪駅を出発する時刻は迫っている。
探している内に高島藩主諏訪家墓所を見つけた。
諏訪湖を一望できる場所に出た、
お墓は山状に広がり、とても広範囲に及んでいる・・・・。
これでは、岡谷行きの各駅電車には間に合わない、
特急を使うしかないと諦めるが、とうとう見るけることはできなかった。
落胆して寺を出る、
出迎えてくれたのは「かりんちゃん」であった。
そうか、ここまで来るんだな、かりんちゃんバス。
第2の挫折を味わった温泉寺、
これまでの経験から、難なく見つけることができると考えていた、
下調べの大切さを忘れていたのかもしれない。
計画は悲観的に考え、そして旅行は楽観的に実行しなくてはならない。
これを教訓としよう。
上諏訪駅から温泉寺は、徒歩約12分ほど。
上諏訪駅に到着。
普通車:13時50分発では遅い、特急あずさ13号で岡谷駅に行くことにする。
乗車時間は微々たるもの、カップラーメンであればぎりぎりの時間だ。
3分で沸かして、3分待って、3分で食べる・・・。
特急自由券は750円である、カップラーメン7つ買える価格だ。
跨線橋には、くどいほど、新型スーパーあずさのポスターが貼ってある。
こっちもくどい・・・。
これはセンスがいいのか、古いのか・・・、賛否両論だな。
「ノリホ」の意味がわからず、ネット検索。
乗車人員報告書のことだそうだ。
旧型あずさ入線。
このフェイスのセンス、側面のマークのセンスはダメだな・・・。
定刻通り、13時28分・岡谷駅に到着。
諏訪湖を見に行こう! 第2部:上諏訪参拝編 完
最後のステージが始まる・・・
◆最終章:岡谷編へ