KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

能登旅・あえのことに行こう! 1日目(2019年2月9日)

横浜駅、これからリムジンバスに乗ろうとしている。

向かう先は羽田空港である。

ニュースで騒がれているが、関東平野部でも本格的な雪が降るという。

これから、飛行機で向かう先も当然ながら雪が降る予報だ。

 

バスが出発して、しばらくするとドライバーの運行案内が行われる、

その話し方はとても軽快であった。

鉛色の空の下、バスは高速道路をこれまた軽快に走っていく・・・。

私の旅は今始まる。

 

                            完 

 【 おいおい、終わるなよ。】

 

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羽田空港第2ターミナルで下車する、

私はANA派なのだ、まあ、そんなにこだわりはないけどね。

もっぱら、旅は列車が多いので、マイルとは 無縁のKITなのだ。

  

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羽田空港8時55分発の能登空港行きに乗る予定だ。(NH747便)

7時30分段階では、東京は雪は降っておらず、小雨程度だ、

欠航の心配もないだろう、能登も大丈夫だろうと楽観的に考えていた。

 

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行ってしまえば、あとはどうとでもなれだ。

(もう、割り切るしかない。)

 

帰り便が欠航しようとも、北陸新幹線で帰れるはずだ、

明日・2/10の金沢駅発の遅い出発便であれば、空席もあるのだ。

(そのへんはしっかりと考えています!!)

 

バスの車窓から見える外は白い、いや灰色の世界である、

『白』であれば綺麗な光景であろうが、外の景色はそうは思えない。

 

ただの旅なら、このような日に北陸・能登には行かない、

さらに雪の心配もあるからなおさらだ。

初めは、愛知の鳥羽の火祭り、奈良の砂かけ祭りに行く予定であった、

チケット予約(列車もホテル)も済んでいたのだ。

 

しかし、連休3日前に急遽、進路を能登へ変更した。

ずーと気になっており、いつかは行きたいと考えていた場所、

厳冬期には無理と諦めていた場所、

心の片隅で、『行こうかな・・・。』という思いが芽生えて、急に花開いたのだ。

【飛行機の空席があれば行こう】と自分ルール(笑)を決めて予約検索すると、

なんと空席があった。

行きの北陸新幹線は満席であり、飛行機も難しいと勝手に考えていた。 

そして帰りの飛行機は難なく取れた。

 ここまでは、空港行きのリムジンバスの中で書いた。■■■■■■■■■■■■■■■■

 

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能登空港行きは、バスによる搭乗となった。

能登便は優遇されない・・・)

搭乗手続きは、8時25分予定であったが、全く行われない、

送迎のリムジンバスが来たのは、20分経過した後であった。

 

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3台のバスで乗客が乗り込んだ後、空港職員が客室乗務員に話していた内容が聞こえた。

「バスが来ないという理由でご案内してます。」

まるで、他に理由があるかのような言い方だ。

 

当然ながら、出発も20分遅れた、でもまだ挽回できると思っていた。

(この時は。)

 

能登空港への着陸態勢に入る頃、機長より本日初めてのアナウンスが入る。

耳にしたのは意外な言葉であった・・・・・・。

「天候が急変して、降りることができない」という。

そして、「見通しが甘く、申し訳ない。」と謝罪の言葉であった。

これから、旋回をして着陸のタイミングを待つとのことだ。

 

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何度、旋回したかは憶えてない、一度試みたが、急上昇して再度旋回となる。

窓からは、能登空港が視認できる、窓からは穏やかに見えるが、

地上では相当荒れていたのだろう。

 

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なんだか、嫌な予感がした・・・、その予感が現実となる。

能登空港への着陸を諦めて、小松空港に行き先変更するという。

(これが結末だ、グッバイ能登空港。)

 

1時間の予定が2時間30分のフライトとなった。

 

あえのことに行こう!  完 

 

しかし!!

明日10日に輪島市三井地区にて、

あえのこと(この地区では、『田の神様まつり』というらしい)があるのだ。

まだ、この旅は終わらんよ。

 

ここまでは、ホテル(夕方)で書いた。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

ほんと、この時はそう思っていた、今考えると、なんと虚しいことか。 

しかし、旅日記はテンションを下げて続けていこう。

 

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小松空港、初着陸となったがあまり嬉しくない。

機内に空港職員が入っていて、説明が行われる。

内容は、『能登空港行きのチャーターバスが取れた、能登空港まで2時間後かかる』ということだ。

 

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空港ロビーで待つが、バスは来ない。

手配ができただけで、いつ来るかわからないということか?!

『また、ここでも待つのか・・・。』と内心うんざりしていた。

 

「ようこそ小松空港へ」か・・・。

 

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そして、私の携帯が鳴った、トヨタレンタカー能登空港店からだ。

能登空港で、レンタカーを1泊2日で借りていた。)

当然事情は知っており、「どうしますか?」と聞かれ、小松空港から能登空港への乗り捨てに変更、返却日は予定通り明日の16時とした。

 

小松空港って、石川県だよね・・・。

私の知識・記憶が間違っているのかと調べてしまったよ。

(  石川県小松市柳町 )

 

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いつ来るか、わからないバスを待つより、

高速料金を払ってでも、自走したほうが、気持ちが紛れるというものだ。

送迎バスでレンタカー受付所に移動した、これが面倒なんだよね。

 

ようやく、旅らしくなり、能登空港を出発した。

北陸道を走り、金沢を通過していく。

一時は『金沢観光でもいいかな・・・。』と投げやりにもなったが、

ホテルを予約しているので、そうもいかない。
わたしには、輪島に行くしか選択肢は無い、

それに明日は『輪島のあえのこと(田の神様まつり)』が待っている!

 

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のと里山海道・高松SAに寄る。

 

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天候は曇りだ、このまま続けばいいな~。

 

のと里山海道の途中までは順調であった、

内陸部に入り、柳田辺りだろうか、走行中から雪が舞ってきた。

『まあ風情があるよね・・・。』とまだ余裕があった。

 

 

『 ん?! 』

雪に勢いが出てきた、でもまだ大丈夫だ。

雪の中の運転は初めてであり、少しばかり不安ではあるが問題はない。

 

金沢から輪島は車で約2時間ほど、そんなに遠いわけではない。

到着予定は14時過ぎの予定だ。

 

輪島地区に入り、本日宿泊するホテル(こうしゅうえん)を横目に海岸線沿いへと進路をとる、予定通りに曽々木海岸まで行く為だ。 

  

 白米千枚田へ。

輪島からとっても近い、行きやすい場所だろう。

 

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14時45分頃、白米千枚田に到着。 

閑散としているが、それでも輪島から近いこともあり、それなりに観光客はいた。

 

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季節が季節なら、サイコーの景色となるだろう。

 

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ここから下に降りれるのだが、雪がさらに強くなったきた。

ここからの景色で十分だ。

 

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 晴れてれば、楽しい散策となるだろうが、雪が顔をうつ。

 

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少し強くなってきた・・・。

  

 白米千枚田⇒御陣乗太鼓の碑へ。

 

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白米千枚田から近い、車で4分ほどだ。

『寄り道パーキング・名舟』と看板にある。 

ここに来る人はいない・・・。

 

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 ここは御陣乗太鼓之地(発祥の地)である。

(これは、「ごじんじょ」と読む)

7月31日21:00から名舟大祭が行われる。

 

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名舟の案内板。

雪が先ほどより激しさを増してきた、ゆっくり読んでいる暇はない。

とっとと車に戻りたい。

 

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1576年、上杉謙信能登地方に攻め込んできた時、武器を持たない名舟村の村人は、樹の皮で仮面をつくり、海藻で頭髪をつくり、太鼓を打ち鳴らしながら、上杉軍に夜襲をかけて撃退させたのが「御陣乗太鼓」 の始まりとされている。

 

 

 

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道路向こうには、御陣乗太鼓の壁面図がある。

 

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夜の公演が楽しみだ。

『初・御陣乗太鼓!!!』

 

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名舟港の碑、さっさと車へ避難する、ここまで来ると車は減ってくる。 

 

 御陣乗太鼓之碑⇒窓岩へ。 

 

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曽々木に到着する、窓岩が見える、わかるだろうか?

岩の穴が窓のように空いている様を。

ここは、『窓岩ポケットパーク』と呼ばれている場所だ。

 

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能登平家の郷』とある。

景色がモノクロになりつつある世界にこの赤色は異彩だ。

 

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穏やかな日なら砂浜まで近づき、波と戯れることもできるだろうが、
今は身に危険しか感じられない。

 

 窓岩⇒垂水の滝へ。

 

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15時17分、垂水の滝まで来た。

車が5・6台停まっていたが、1組しか散策(!)をしてない・・・。

他は何をしているのだろう。

 

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もう傘をさすことに意味はないほど、フードを被り歩くしかないのだ。

『垂水の滝』の看板。

折角なので行くしかない、頑張れば温泉が待っているんだ!!

 

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波の花道遊歩道が海岸線に続くが絶対に無理だ。
この頃にはさらに雪が強くなった。

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滝がそのまま日本海に注いでいる珍しい場所ということだ。

 

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滝の飛沫か雪か波か・・・もうよくわからない状態だ。

 

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能登半島はまだまだ先へ続く。

これ以上進めば、本当にやばいと心が警鐘を鳴らす。

 

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『撤退するぞ!!!』

  

輪島まで約20Km、道路には雪が積もっておりアップダウンもかなりある。

車もあまり走っていないので積もりが早い。

 

塩田村、時国家など寄りたい場所もあったのだが、今は輪島に戻ることを最優先とする。

  

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無事に輪島中心部に戻ってきた。

16時00分、2015年にリニューアルしたキリコ会館に来た。

閉館は17時である。

車を降りると雪が顔・体に打ち付けてくる、駆け足でキリコ会館に逃げ込む。

 

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自動ドアが開き、進むと・・。 

 

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多くのキリコが目に飛び込んでくる。

 

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大キリコとキリコが所狭しと並んでいる。

 

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奥には巨大なキリコが並ぶ。

能登國のキリコが最も大きい、能登国とは能登地方の古い呼び方だ。

 

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夏の空に浮かぶキリコの灯り・・・・。

『キリコの謎。 祭りに恋。』

見てみたい!

 

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キリコとは、『 切子灯籠(きりことうろう)』が正式名称である。

人が担ぐものとしては、日本最大級の高さだ。

前には漢字三文字が書かれ、後ろには迫力ある絵が描かれていることが多い。

 

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こちらは家紋に龍だ。

 

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こちらは2Fの空中回廊から見た光景だ、キリコ会館では横から上からとキリコを見ることができる。 

町名が書かれた灯篭が空中に浮かぶ。

 

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空中回廊では、この目線で見ることができる、祭りでは見れないアングルだ。

『いいね!!』

 

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能登だけで800基以上あるという。

『何という数、圧倒的じゃないか!!』

 

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映像コーナーもある、では、3Fへ上がろう。

 

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3階フロアは狭い、まず目に飛び込んでくるのは能登の海女コーナーだ。

そして外の光景は雪一色だ。

 

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奥は全面ガラス張りとなっており、寒々しい日本海が見える。

『外に行きたいくない・・・。 』

 

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ど真ん中には、輪島大祭の大松明がある。

 

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2階を突き抜け1階の売店まで伸びている。 

 

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これから雪は朝まで続く・・・。

右に見えるのは、輪島ルートイン(輪島の合わせてシックな造り)だ。

 

 キリコ会館⇒輪島温泉ホテル・こうしゅうえん。

ようやく1日の大半が終わった、無事に戻って来れたしよかった、よかった。

 

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温泉に入り、露天風呂サイコー!!!

目の前に雪の降る日本海、そして波!

 

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エレベーターのポスターには、御陣乗太鼓の案内がある!!

これが『こうしゅうえん』を選択した理由だ。

 

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フロントでは、御陣乗太鼓の割引券をもらった。

1,500円⇒1,000円へ。

地下1階お祭り広場 21:10開始(20:30開場だ)

 

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20:30にはお祭り広場に行く、40分待つが良い席を獲らないとね。

『石川県指定無形文化財 御陣乗太鼓』



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会場は満席となる。

21:10、ついに御陣乗太鼓が始まる。

 

私が御陣乗太鼓を意識したのは、

そごう美術館の松尾敏男展の『能登の太鼓』という絵を見てからだ。

その絵からは、御陣乗太鼓の妖しさ、怖さが伝わってくる。

松尾さんが魅了されたのもうなづける。

 

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中央は、夜叉面。

(夜叉は人を害する鬼神の半面、財宝神ともされ、仏法護持の神とも言われる。憤怒の形相から「神の怒り」と形容される。髪は海藻のものと付け毛のものがある。 :HPより抜粋)

 

左は、幽霊面。

幽霊には、男幽霊面・2面、女幽霊面・1面がある、

この幽霊面が男か女かわからない、おそらく女幽霊面だ。

 

右は、爺面、こちらは3面あるという。

 

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輪島市名舟町が御陣乗太鼓の発祥の地であり、現在70戸・人口250人ほど集落だ。

(現在はもっと少ないかもしれないが・・・。)

そのうち20名が御陣乗太鼓の打ち手として活躍しているという。

 

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太鼓のリズムは、はじめはゆっくり、次いで早くなり、最後は最も早く打ち切る。

序・破・急の三段で打ち、これらが続く。

打ち手は自由な形でミエを切り、

面に応じた身振り・身のこなしなど、個性的な芸が入る。

 

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赤の装束は達磨だ。

(「仏」の位置づけにあり、坊主だけに剃髪の態で、畏敬の中に親しみがただよう。頬かぶりに、インド僧の袈裟を表すオレンジ色の衣装を着ける。:HPより抜粋)

www.gojinjodaiko.jp

 


御陣乗太鼓2019 こうしゅうえん ①


御陣乗太鼓2019 こうしゅうえん ②


御陣乗太鼓2019 こうしゅうえん ③ 


御陣乗太鼓2019 こうしゅうえん ④

 

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30分ほどで終わった。

体感時間は5分、圧倒されて時間がたつのを忘れてしまうほど。

動画でアップしているが、その迫力・魅力は伝えることはできない。

 

日本海の前で行われる御陣乗太鼓を見てみたい!!

 

本日の能登旅だが、最大の目的である『あえのこと』は見ることができなかったが、

『御陣乗太鼓』が私のモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれた。

 

能登旅・あえのことに行こう! 1日目 (ほんとうに・・)完