とうとう来た、リベンジの時!
あれは今年の2月のことだ、厳冬の能登の旅を決行した。
その目的は「あえのこと=田の神様まつり」を見る為だ、この神事だけはずーっと前から見てみたかった。
しかし結果は、大惨敗に終わった。
臥薪嘗胆・・・。
能登からの帰り、私は誓った!
次こそは確実に、絶対に「あえのこと」を見ると!
そもそも「あえのこと」ってなあに???
奥能登のそれぞれの農家にて行われている風習であり、
田の神様に一年の収穫に感謝して五穀豊穣を祈る農耕神事。
「あえ」とは『もてなし』
『こと』とは『まつり』という意味という。
1976年:国指定重要無形文化財指定
2009年:ユネスコ無形文化遺産登録
それほど、重要な民俗伝承ということがわかるだろう。
「どう、気になってきたでしょ!!」
『あえのこと』は年に2回おこなわれる。
暮れのあえのこと(12月5日) と 春のあえのこと(2月9日) だ。
ここで気をつけて欲しいのが順番だ、
暮れが先であり、次に春と続く、暮れのあえのことでは、田の神様を招き、一年の収穫
を感謝する、田の神様には家にいて頂き、春になると五穀豊穣を祈願して田に送り出
す。
そして家主は田の神様の夫婦のもてなしをするのだ。
家主「田の神様、ささっこちらでござます、まずはお風呂に入り疲れをとって下さい、
その間、私はお食事のご用意をしておきます・・・。」
※見たことないので妄想と想像・・・・。
なんて、すばらしい風習なんだ!!
12月4日18時9分、私は東京駅にいる。
会社を早々に切り上げて、金沢に行くためだ。
18時24分かがやき515号・金沢行きに乗車する、2時間30分ほどの夜行新幹線の旅!
※夜に走る新幹線の意味ね。
上野・大宮・長野・富山と各県の主要都市に停車していく、北陸新幹線の煌めき・・
いや、かがやき号、このスピードは素晴らしいの一言。
おしむらくは、車窓風景だろうか、車窓からの景色がよくわからない・・・。
大宮までは、街のイルミネーションが出発を祝ってくれているかのようだ。
当初は19時台のかがやきに乗車する予定であったが、
1時間早く仕事を切り上げることができ、急遽18時台のかがやきに乗車することになった。
このような時間であっても普通車は混雑していた、しかしグリーン車はそれなりに空き
が多い状態。
本日の夕飯は、東海軒の鯛めしとマカデミアナッツだ。
そして加賀棒ほうじ茶、これがうまいのだ。
こちらが東海軒『元祖 鯛めし』
造りはとてもシンプルだけど、定期的に食べたくなる、それに大きさが丁度いいのが
最大の利点であると私は思う。
だからマカデミアナッツが鯛めしの相棒となる。
これですよ!!
ごはんが敷き詰められており、その上に鯛そぼろが乗っている。
ごはんと鯛そぼろだけで、あきないの?
あきません!!
デッキのお手洗い周辺、この高級感は素晴らしいね。
高崎を19時12分頃に通過、早い!
夜の東北新幹線には乗ったことがあるが、北陸新幹線は初めてだ、気分が少しだけ違う、
会社帰りのダイレクトというところが気持ちの
持ちようが違うのだろう。
明後日には早朝の北陸新幹線を経験するのだが。
高崎から先はトンネルか外かもうわからない、
今言えることは北陸新幹線のWi-Fiは遅い、かがやきはこんなに早いのに・・・。
富山にて駆け込み乗車により1分の遅れとなる、新幹線で駆け込み乗車も珍しい。
かがやきは回復運転をやすやすと行う、前に詰まるものなど無いのだから。
終点・金沢駅には21時55分に着いた。
全員が降りた後にゆっくりと下車した・・。
多くの人が改札に向かっていく、
そしてエスカレーターでは大渋滞となっていた・・・。
さらに行くよ!
こらが今回、私を七尾に運んでくれる七尾線だ。
あまりよくわからないが、金沢駅~津幡まではIRいしかわ鉄道らしい、
それ以降はJR七尾線と思われる。
お隣りに停まっている列車にはJR WESTJAPAN と書かれている、
ここはJR西日本の管轄、北陸新幹線でも上越妙高からはJR西日本管轄になる。
この特急はサンダーバードだろうか・・・。
車内はガラガラと踏んでいたのだが、全くのハズレ、大混雑だ。
たまには立って足腰を鍛えようではないか。
それに金沢の帰宅ラッシュに参加できるとは、とても嬉しいものだ。
さて、楽しみだ、終点まで何人いるのか?!
この車両から15人ほど降りていった、さすが金沢のお隣りの駅だ。
2つ目の駅の③森本駅では17人が下車した、
これは3両編成なので、(17人×3両として)51人ほどが降りたと考えてよいだろう。
3つ目、④津幡駅では最高記録! 18人が降りた!!
この駅でロングシートがかなり空いた、せっかくだし座ろう。
できれば、七尾まで満員で行って欲しかった、しかし、2人の勇者が乗ってくれた、
18人−2人=16人としておこうか。
⑤中津幡駅では1人が降りた、
おじさんは両手でドアを開ける、冷たい石川の風が車内に吹き荒れる。
そこで、津幡駅から乗車した大学生のお姉さんがドアを閉めた、
でも片方だけだから風はまだ入ってきていた。
⑥本津幡駅ではまた1人が降りていく、津幡の名がついた駅が3つ続いた、
もちろん、4つ目を期待するよね!
『新津幡、こい!!』
車内アナウンスが流れる・・・。
『⑦能瀬駅かよ~?!』心の中で悪態をつく。
そういえば、そろそろ悪態まつりが行われる季節だな~と考えながら・・・。
あそうそう、4人降りましたよ。
⑧宇野気には21時38分に到着する、なんと!10人が降りた!
あと、1人でサッカーチームができたのに!
そしてボックス席がようやく空いた。
夜のローカル線ではボックス席がよく似合う・・・。
列車は⑨横山駅に到着、さて何人降りるのか?
なんだか、夜のローカル線の旅が楽しくなってきたぞ!
降車人数は『トリオだ!』
これでは、カルテットは組めない、私は待っている、クインテットを!
ちなみに5人のことね。
⑩高松駅に停車、ここで降りたのは4人だ。
これでは、カルテットにしかならん。
『石川県人の高松といえば、香川ではない、かほく市の高松だ。』
さらに列車は暗闇を走っていく、線路のつなぎ目の振動がとても心地よい。
⑪免田駅、なんか降りる気配がないけど・・・。
ここにきて0人、キター!
⑫宝達駅、これは『ほうだつ』と読むらしい。
ここで奇跡が起こる、5人降りたのだ!
これぞ、クインテット!
宝達の奇跡!!
目標を失い、失意の中であっても列車は進む・・。
そして、⑬敷浪駅に着いた。
『あれは! 草刈機!? なんでホームに! 』
そして、1人降りましたよ。
あれは、除雪する器具だと後で気づく。
⑭南羽咋駅、0人。
※羽咋は『はくい』と読む。
次の羽咋駅には期待だ、なんせ宇宙人の町だからね、関係ないか・・。
それでも期待せずにはいられない。
⑮羽咋駅では、上り線の行き違い待ちをする、
ここでは1人だけ降りたのだが、他の車両からは15人ほど下車した、
このバランスの悪さ、世界の縮図のような光景を目にした。
ホームには宇宙人の絵が描かれている、この町ではUFOの目撃が多いという、
そんなこともあり、『コスモアイル羽咋』という宇宙に関する施設がある、興味がある人は
是非とも行って欲しい。
この駅は中核的な駅なのだろう、特急列車も停車する駅なのだ、
暗いのでモンベルの物流センターを見ることはできなかった。
⑯千路駅、なんて読むの?
調べればよいのだが、スマフォのバッテリーが危うい、こんなんで消費できるかよ!
⑰金丸駅、もうこの車両(1両)には3人しかいない、
このまま3人でゴールしたいと、いつしか思うようになった(笑)
社会人あるある、
『お前、高校のころ、何部だった?』と必ずといっていいほど聞かれる質問・・。
『おれ、⑱能登部!』
これは能登部に住む者しか、使えないギャグだ。
他の車両からは2人が下車した、
生徒会長「2人では部とは認められません!」
これはアニメやマンガでよくあるシチュエーションだ。
車掌さんが車内を歩く、金沢から何回目だろうか。
もう、誰も声をかけるほど、乗っていないのに・・・お疲れ様です。
そう考えているうちに、⑲良川駅に停車。
もちろん、この車両からは誰も降りない。
他の車両からは1人が降りた。
ちなみに、いま能登半島を横断しています!
⑳能登二宮駅、なんかホームにドレスが見えるけど・・・。
『あれは幻だろう、きっと。』
やっぱり、会社帰りで七尾までは来るのは疲れるのだ。
早く、寝たいな。
同行している(相手は思っていないが。)
おじさんと、にいちゃんはまだ降りない、もしかして、寝過ごしか?
声をかけてみようかな・・・。
㉑徳田駅に着いた、
隣には上り列車が止まっている、最終だろうか?
「つぎは、終点・七尾!」
アナウンスが流れた、もうゴールだ。
もうカメラをバッグから出して撮るほど、余裕はない・・・。
眠いし、寒いし、雨降ってるし。
適当に七尾駅を撮影、タクシーが1台停まっていたが、『乗れ!』を言っているような
プレッシャーを感じた(笑)
本日のお宿は、七尾駅のビジネスホテル(徒歩5分)
今日頑張って移動をすれば、明日遅い出発ができる、そのほうがいいと考えた。
本日の頑張りにより、
七尾から「あえのこと」が行われる合鹿庵まで69kmの距離まで迫った!
今年2月の失敗から、前泊することを誓った、
それを忘れずに、有言実行で七尾までやってきたのだ、
これで決まりだべ!!
だれのギャグだったかな?
福士『ギャグじゃねーよ!』
明日は本番だ、早めに寝て早く起きよう、
明日が終わるまで油断はしない、全ての工程をやってのけるぞ!!
奥能登・あえのことを見よう!【七尾編】 完