越後湯沢の老舗旅館・高半に泊り、チェックアウトから旅日記はスタート、
これから越後湯沢の町を少しだけ歩き、横浜に帰る。
ではスタート!
スタート地点は雪国の宿・高半だ。
名前の通り、この旅館は小説の舞台の1つでもある、それも最も重要な場所だ。
川端康成は、この宿に逗留して『雪国』を執筆した。
また、来たいと本気で思う宿だった。
高半の直下には、上越新幹線のトンネルが貫いている、
とっても特異な場所、そして転換点の中心にある・・といっていいのかもしれない。
この越後湯沢は、もともと萎びた温泉町だった、しかし新幹線の建設、小説『雪国』の
評価により、一気に変化を遂げていった。
新幹線の高架が目を引く、
上越新幹線は1時間に4本ほどだろうか・・・東海道新幹線なら3~5分に1本という
過密スケジュール運行となる。
どうしても住民の騒音がいかばかりか、気になってしまう、それとも馴れてしまうもの
なのだろうか、私にはわからないことだ。
高架下の間から神社に入ることができる。
ここは神社の側面部となり、正面ではない、名前は諏訪神社という。
横から神社へ入る、そして気になるのは正面にも狛犬がいることだ。
何かあったな・・・と感じさせる。
こちらがその気になる狛犬だ、その先には崖になっており道はない、
あるのは通行止めの柵だけだ。
崖の下を見ると、鳥居が見える、あれがかつての参道だったのだろうか・・・。
ということは、新幹線の高架下辺りに社殿があったものと推測できる。
たぶん、そういうことだろう。
もう一つの社殿(天満宮)の奥には小さな石段があり、さらに奥へと続いている。
ほんの少しの期待をこめて行ってみよう!
笹の葉の道はすぐに終わる、新幹線の高架が終点だ・・・。
かつて駒子が旅館に向かう際に歩いた道がこれなのかな・・・と。
こちらが「諏訪社の大杉」
樹齢400年の杉という、小説『雪国』にも登場する、その中では「恐ろしい神の武器の
よう」と形容されている。
大杉の手前にある平な石は、駒子が腰かけた場所でもある。
こちらには不動明王がおり、その後には新幹線、さらに奥には高半が見える。
こちらは諏訪神社を正面から見た絵だ。
落ち着いた良い神社だった、近所の人だろうか、熱心に掃除をされていた、
参拝者は私を含めて2組だった。
また、気になったのが冬季参拝不可という案内だ、近くには民家も多くあるのだが、
ここだけ入れないほど、雪が積もるのだろうか・・・少しわからない。
参拝を終えて、先ほど見下ろした鳥居までやってきた。
ここに来るとわかるのだが、この参道は東北本線の敷設により分断されたのだろう、
ということは、諏訪神社は新幹線と東北本線により、かなりの影響があったのだろう。
初めての町の散策は面白い、
別に真新しいものがあるわけではないが、ただの未知の町並みがよいのだ。
しばらくして右折、ゆるやかな坂を上がっていく、
用水路には勢いよくきれいな水が流れている、今向かっているのは温泉施設だ。
「駒子の湯」に到着。
ここに入りに来たわけではない、1年前なら温泉を楽しんだかもしれないが、
今は控えるべきだろう、地元の憩いの場所だと思うので、よそ者はね・・。
駒子は小説『雪国』のヒロインの名前だが、この温泉施設とは何の関わりもない。
東北本線と新幹線の高架だ、高架の迫力がスゴイ。
雪国の宿・高半にフォーカス!!
ここで、サイドチェンジだ。
新幹線の高架の向こうには、昨夜のお宿・高半が見えた、
この新幹線の高架の高さ、コンクリートの無機質さは無粋にも思えるが、
一方では越後湯沢の一部に溶け込んでいるようにも思える。
こちら側には宿やペンションがたち並び、その裏には新幹線の高架が走っている、
これが越後湯沢独特の景観といえるだろう。
橋には興味深い写真が飾られている、少しだけ紹介しよう。
昭和らしい写真が並ぶ。
かつての高半旅館、完全木造建てだ。
これは高半旅館からの眺望だろうか。
今朝見た山並みとそっくりなのだが、右の斜面は布場スキー場だと思うのだけど。
東口駅前の写真、これはこれで壮観な光景だ。
すっげーいい笑顔だったので撮ってみた・・・。
カラオケ店の看板だね。
ここは分岐点となる、この坂を上がっていけば滝沢公園にいける。
主水公園(250m)
ここも雪国散策には外せない場所だろう。
滝沢公園は、時間があったら行けばいい・・という場所かな。
そこには不動滝があるので、滝好きは行ってみたらどうだろうか。
雪国館に到着。
(新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢354-1) 入館料:大人500円/子供250円
ここは必須の観光地といえるだろう。
越後湯沢の昔の生活・・・。
ここは『駒子が住んだ部屋』と書かれている。
駒子のモデルである芸者・松栄が昭和初期に住んだ置屋「豊田屋」移築したもの。
豊田屋は、先ほどの諏訪神社の近くにあり、1階は駄菓子・煙草などを扱うお店であ
り、2階に芸者たちを住まわせていたという。
景色までは再現されていない、これはおそらく高半からの景色だろう、
左に見えるのは諏訪神社の森と思われる。
映画『雪国」ヒロイン役・岸恵子(左)
右にいるのが小説『雪国』のヒロイン駒子のモデルとなった松栄(小高キク)
これは高半旅館・かすみの間での出来事だ。
『清水トンネル』
白銀の世界も実際には見てみたいとは思うけど、実際には苦行になるんだよね~。
久々に、良い表情の川端康成先生を見た・・・。
1階にはギャラリー「雪国』日本画の世界
『雪国』をテーマとした14点の絵画が展示されている、ここは撮影不可だ。
3階は湯沢町の歴史民俗コーナーとなっている、
春夏秋冬として4つの区画に分かれ、紹介されている。
雪国らしい格好だ、理にかなっている。
東海地方に、こんな格好をして踊る祭りがあったはずだ・・・。
改築前の高半旅館
右側の二階の部屋が『かすみの間』だろうか。
この大きな木は昔からあったのか・・・最初は眺望の邪魔と思っていたが、
歴史の証人だったのかな。
書籍・閲覧室が奥にあるのだが、そこは撮影禁止。
パネルにより『雪国』関連の詳細な説明がなされている、とても勉強になる展示ルーム
だった。
では、主水公園へ!
その前にお土産を買おう、雪国館の前には銘菓・駒子もちが売られている。
中身は笹だんごらしいが、雪国のお土産にふさわしいだろう。
億萬屋近くの道を下り、、再びサイドチェンジをする。
新幹線高架と東北本線の下をくぐる、その先には主水公園がある。
『主水公園』
「道の途中なので寄ってみた・・」ぐらいの気持ちでいくような場所だろう。
なぜなら、石碑しかないからだ。
それに刻まれているのは小説『雪国』の冒頭文だ、小説内で出てきた場所でもない。
主水公園から越後湯沢駅は近い、駅前にはへぎそばの有名人気店の中野屋がある。
店先には多くの人で溢れていた、これではいつ入れるか、わかったもんじゃな
い・・・諦めよう。
駅中にも蕎麦屋がある、そこは空いていればよいのだが。
小嶋屋に入店、ほぼ満席であったが、待たずに入ることができた。
へぎそばを二人前を注文してしまった。
とてもそばの量が多く、最後のほうは苦行となってしまった・・・。
※でもちゃんと完食したぞ!
(お腹いっぱいで苦しい、よかった・・・あとは新幹線に乗るだけで。)
越後湯沢駅構内は広い、そしてお土産屋も多い!
その奥には「ぽんしゅ館」なるお店がある。
ここでは新潟のお酒の試飲ができるらしい。
浮かれているサラリーマンや寝ているヤツもいるが、まぁいいか。
(マネキンだけどね)
ホームに上がると現美新幹線が出発を待っていた。
中はハデハデだった、
越後湯沢までわざわざ来て、乗るのは微妙だな・・と感じた。
そして帰りの東京行きのMAXときが入線した。
いつみても壁にしか思えない。
車内で駒子もちを開けてみた。
こういう包装は想像していなかったが、なかなか美味しかった。
『727コスメティクス』の看板が目に入った。
東海道新幹線だけだと思っていたが、東北新幹線でもあるんだな~と感心(?)した。
もう東京は近い、鉛筆のようにならぶ新幹線。
次は雪が積もった晴れた日に行ってみたい、その中で入る高半の温泉は格別に違いな
い。
小説『雪国』の舞台・越後湯沢を歩こう! 完