それにより去っていく車両、生まれる車両がある、昨年はスーパービュー踊り子号、
そして今年は「185系特急踊り子号」の番となってしまった。
今回の旅日記はこのラストランの旅を書いていこうと思う。
ここは茅ケ崎駅・臨時ホーム、平日の朝にしか開放されない場所、
ここから湘南ライナーが発着する、今日はこの列車に乗る為に来ている。
3月12日、今日は特別な日、JR東日本のダイヤ改正の日前日、
本日をもって185系国鉄型車両(画像に映っている列車)が引退する。
その最終日の記念乗車にきている。
そして呆気なく東京駅に到着、時刻は9時16分
これがKITの湘南ライナーの乗り納めとなった、
湘南ライナーは本日、夕方から夜にかけて東京・新宿発の下り湘南ライナーをもって最
終運行となる。
東京駅ホーム内
後続の湘南ライナーにも多くの人が集まって記念撮影をしている、
気持ちはよくわかる、それと同時にその前から撮っていれば、落ち着いて撮れたのでは
と思ってしまう、それとも今日であることに意味があるのかもしれない。
さらに別の湘南ライナーがお隣りのホームに停る、
湘南ライナーはただの通勤型列車だ、湘南地区から首都圏へ通勤客を運ぶ速達型列車、
横浜在住のKITにとってはあまり乗る機会はなかった。
(※湘南ライナーは川崎や横浜などは停車をしない)
この光景も2度と見ることはできない、
とるに足らないことかもしれないが、やはり寂しいものはある・・・。
乗客を降ろし、回送列車となり品川の車両基地に向かうのだろう、静かに出て行った
9番線にはE657系常磐特急が停車している、185系が心かなしかくすんで見えるのは
気のせいだろう。
次の予定まで時間が空いた為、東京駅周辺を散策していると、なにやら物々しい雰囲気
の場所があった、それは東京駅正面なんだけど。
これからかの国の大使が皇居にいくということらしい、私は野次馬根性で20分ほどここ
に留まることになった。
白い制服は東京駅駅長だろう、そして「或る国」の大使が出てきた、
護衛のバイクが速やかに発進、隊列をつくり皇居に向けて走り去っていった。
時間内に来てくれてよかった・・。
近くには東京ステーションホテルの入口があった、
こちらはクラシックホテルの一角であり、東京を代表するラグジュアリーホテルだ、
一度は泊まってみたいと思うホテルの1つでもある、
最低3万円、泊まるならせめてミドルグレードに泊まりたい。
次に東京ステーションギャラリーで絵画鑑賞へ
まだまだ、乗車予定の列車まで時間が空いている、旅の前に絵画鑑賞も乙なものだ、
開場時間(AM10時)になったので出撃だ。
「まさに、ニッポン 印象派 南薫造展」
では行こう!
風景画・人物画はとても見やかった、
やわらかいタッチの絵であり、とても楽しく周ることができた。
館内は複数階に分かれており、下層フロアへの移動では階段を下りることになる、
当時の煉瓦がそのまま使われており、その質感を直に楽しむことができる貴重な場所
だ。
では最後のフロアへ、この入口ドアから入り、ぐるッと回り奥のミュージアムショップ
から出てくる流れとなる。
芸術鑑賞を終え、
ここは東京駅ドーム状の2階フロア、とても立派な造りに感嘆する。
では本筋に戻ろう!
東京駅構内に入り、新幹線改札の前の広場にて、185系記念品の販売会場を見つけた、
これは行かねば!!
ちなみに特急エンブレム(原寸サイズ)85万円だ。
これは売れたのだろうか。
「12時00分発・特急踊り子13号」
そのように電光掲示板には表示されている、私がこれから乗車する特急列車でもある。
11時37分頃、特急踊り子号が入線してきた、東京駅9番線ホームは人で溢れている、
皆がざわつき、視線が同じ方向に向く。
この列車が12時発の特急踊り子13号となる、
これは185系特急踊り子・下り列車の最終便となり、これに乗ることを目的できている
人も多いだろう。
皆さん、方向幕が変わるのを固唾を飲んで待っている、
またホームのコンビニ・NewDaysでは185系のチョコレートや横浜銘菓ハーバー
(踊り子パッケージ)などが売られていた。
これはスゴイ!!
ドット絵の特急踊り子ヴァージョン
これを作るのは結構大変な気もするが、とてもよくできている、これもまた思い入れが
なせる業。
反対ホームにも人が蜜になっている、基本的には撮影に集中しており会話はないので、
ある意味では安全な空間ともいえないくもない。
駅員の声掛けで撮影を終えた人は後ろに下がり、全員が撮影できるように促していた
私も一応交代して撮影することができた、この段階で発車15分前だ。
踊子の表情も悲し気だ、
実際これは学生との別れの時、その悲しみの表情であると思われる。
この方向幕も今日が見納めとなる。
それにしても「伊豆急下田」この響きがなんとも旅情を掻き立てる。
185系踊り子が満席になる光景など見たことがない
見慣れた踊り子の車内なのに見慣れない光景が広がっている不思議な光景・・・・。
これも最後ということなのだなと。
12時00分出発の時、東京駅を下り最終便が出ていく。
次の停車駅・品川駅でさらに人が乗車、右前方には京急本線をみることができた。
これまで京急快速は特急踊り子と数知れずスピード勝負をしてきた間柄だ(笑)
多摩川橋梁を通過中、ここを渡ると神奈川県だ。
特急踊り子は東京・神奈川・静岡を跨ぐ観光列車、通勤で利用するような時間には運行
していない。
品川と川崎の中途にて、リニューアル車両・特急踊り子号とすれ違う。
可能だったなら、既存の車両ではなく新規の車両に置き換わってほしかった。
川崎駅、駅員が複数待機しており、いつもの川崎駅とは少しだけ異なる景色、
向こうに見えるのはJR東日本が運営するメトロポリタン川崎ホテルだ、ここの客室から
は通過する踊り子を見ることもできる。
※トレインビュープラン有り
横浜駅到着、我がふるさと・・横浜だ。
ここでも多くの人がカメラを構えている、本当に最後なんだな・・と思う。
しばらく、相鉄線との並走区間に入る、平沼橋・西横浜を横目に通り過ぎていく。
保土ヶ谷地区を通過中、今度は横須賀線と伴走することになった。
ここでKITの特急座席指定券が切れた・・・・。
東京駅~熱海駅間のチケットにて乗車していたためだ。
やはり下り最終便、大人気チケット・東京-伊豆急下田の通しの指定券を買うことでき
なかった。
乗客の中には普通のお客様もおり、
熱海などへ行く人も乗っている、その席などが空くから可能となったと思われる。
熱海では後続車両の修善寺行き車両の切り離し作業が入る為、
ホームを徘徊する時間がある。
当然ながら熱海駅でも大人気、ここで乗り納めをする人も恐らくはいるのだろう、
中にはここから上り最終列車に乗り、乗り納めとする人もいるはずだ。
そして185系踊り子号下り最終便が静かに熱海駅を出発していく。
その後に修善寺行きが出発する、この修善寺行きも185系で運行する最終便となる、
私もどちらに乗るべきか迷ったが、やはり伊豆急下田を選んでしまった。
それは思い入れもあるが、これからの旅程にも理由があるからだ。
下田が近づくにつれ天気は悪化していった、
これも初めての経験だ、伊豆に行くときは天気が良い日にしか行かない、
今回はラストランということもあり、天候に関係なく下田に向かっている。
そして車窓向こうにはサンハトヤが見えてきた、もう伊東も近い。
伊東からは伊豆急行線管轄となり、乗務員の交代が行われる、
そして伊豆高原駅に到着、この響きもいいんだよね「伊豆高原!!」
このネイビーカラーの列車はザ・ロイヤルエクスプレスだ、こちらも一人3万円を超え
る高級チケットとなる。
そして最大の見せ場、東伊豆海岸線だ、
この区間にさしかかると車内放送が入り、東伊豆海岸線の紹介、伊豆大島が案内される
本日はあいにくの雨であり、伊豆大島を見ることはできない、
しかし見えないだけで、向こうには伊豆大島は確実にあるのだ。
次に伊豆稲取にさしかかる、
向こうに見える半島にはホテル・旅館が多くあり、海一望の宿が軒を連ねる。
今回の旅の最終目的駅はここ河津なのだが、今日は特別な日だ、伊豆急下田まで乗り通
す!
あとで会おう!!
そして河津を出ると・・程なくして終点・伊豆急下田駅に到着してしまう。
ホームにはすでに多くの人たちで溢れている。
ありがとうの横断幕だ。
「40年間、お疲れ様でした。」
このお隣りにはオモシロ駅長2人も立っていた・・・。
多くの人が記念撮影をしている、そして私も。
先程乗ってきた踊り子は車内清掃後、東京行きの185系特急踊り子ラストランへと
出発する。
もちろん、私も乗車することになる。
しかしそれには一度、改札を出る必要がある、御覧の通り、多くの人で混雑している。
駅の敷地から一歩も出ずにUターン、こんな経験は後にも先にも今回だけだろう。
入場用の改札前、
すでに検札は始まっており、多く乗客はすでにホームに入っている状態だった、
自由席のお客様は朝早くからここで列を作っていたはず、指定席を買うことができなか
った人たちは自由席に乗るほかないのだ、本当にお疲れ様だ。
特急踊り子16号 東京行き 15時07分発
これが185系特急踊り子ラストランの名前だ。
テレビ局などの報道関係者らしき人も多く見かけるホーム内、
それだけ大きなイベントということであり、時代の節目でもあるのだ。
これが数時間後には東京駅に入線、完全な引退を迎える、
定期運行からは完全に引退となるが、臨時列車として運行する余地はあるのかもしれな
い。
では先頭車両に行ってみよう。
このホームの独特の雰囲気、ラストランそのものだ。
スーパービュー踊り子号のラストランと同じだ。
特急踊り子の横顔、そして向こうにはこれから活躍するリニューアル特急踊り子が停車
している、向こうは白いな。
エンブレムもここで見ると小さく見える、東京駅ではあんなに大きかったのに・・。
そろそろ、出発の時間だ、車両に乗ろう。
指定席はとっていたが、デッキにて乗車する、
降車は次の駅・河津だ。
社が見える、向こうから踊り子はどのように見えているのだろう。
河津川にかかる赤い橋が見える、 その先はすぐに河口であり海へと注ぎ込む。
特急踊り子もこの鉄橋を渡れば、河津駅だ。
私はここ河津駅で下車、185系特急踊り子ラストランとはここでお別れだ。
他の降車客はいなかったように思える。
そして河津駅を出ていく踊り子号、
反対ホームに現れたのはサフィール踊り子、ずいぶん遅い到着ですね・・・。
サフィールの食堂車部分には窓がなく、踊り子号が鏡のように映っている。
ホームでは10人前後のお見送りとなった。
トンネルに入るとテールランプが一際よく見えた。
15時16分、この時刻、この場所でKITの185系特急踊り子号ラストランは終わる。
終わりはあれば、始りがある。
さらば、185系踊り子号!
これから向かう先を見る、山々が連なり霧がたちこめている、
では行こう、もう一つの踊子の旅に。
さよなら185系特急踊り子号の旅(KIT流ラストラン) 完