KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

2018春・三都物語【岐阜川辺町・桶川まつり編】(2019年04月01日)

4月1日はエイプリルフールだ、そして『桶川まつり』の日でもある。

本日の目的はこの祭りを見ることだ。

また、この三都物語の締めくくりに相応しいだろう。

 

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長良温泉・十八楼を出発する!!!

『本当にいい旅館だった~!!!』

とても名残惜しいが『オレには桶川まつり』が待っているのだ。

  

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川湊灯台はいい!!

『上有知湊にも行きたくなってしまう・・・・。』

 

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鵜匠の像と背後には十八楼が見える。

この道路を挟さみ反対岸には岐阜駅方面の長良橋バス停がある。

 

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階段下を見ると公園になっており桜が咲いている。

なんか、得した気分だ。

 

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鵜飼も見てみたいのだが、いつになることやら。

 

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長良橋バス停でバスを待つ、かなりの本数が来ることに驚く。

ほぼ全ての系統のバスがJR岐阜駅を通過する。

ここから15分ほど乗りJR岐阜駅に向かう、乗っている人の大多数が通勤客だ。

『有給でスイマセン・・・。』少し肩身が狭い(笑)

8時10分頃にバスに乗車。

 

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JR岐阜駅を通り抜け、反対側へまわり、少し歩くとレンタカー会社がみえてくる。

ここから新幹線・岐阜羽島駅・乗り捨てにて車を借りた。

 

ここから川辺町までは車で1時間ほどかかる、

高速を使い一気に距離を縮める、10時から始まると聞いているため、それに合わせて向かうが、とてもとても順調に進み、9時30分に到着してしまった。 

目的地は岐阜県加茂郡川辺町下麻生地区、縣神社だ。

 

街道を曲がるとノボリ旗がはためいていた、天下の奇祭と書いてある。

高山線の踏切を越え、すぐに右折する、

グランド沿いを走るとトイレ前に駐車スペースがあり、そこに停めてみた。

近くでたばこを吸っていた地元民らしき人に、ここに停めてをよいか一応聞いた、

『グランドでもいいよ。』とのことだった。

グランドを見ると1台の車も停まっていないし、トイレ前の駐車場には他の車は停まっていない。とりあえずトイレ前に停めた。

 

見学者で一番乗りとなってしまった!!

 

岐阜駅⇒縣神社へ。 

 

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ここがグランドだ、なんのグランドだろうか。

二宮尊徳像があるので、かつての小学校跡地かなと勝手に推測する。

 

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まずは、桜を撮影、この時期の定番だ。

まだ2分咲きだ。

 

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踏切の先に見えるのは走ってきた国道だ。

天下の奇祭旗がなびく!

 

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突然踏切が鳴り、ワイドビューひだが通過して行く、列車から縣神社は見れるのだ。

だからなんだ?と言われたらそれまでだが。

 

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踏切側から鳥居を見る。

 

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緊張しながら神社に向けて歩を進める。

少しでもお仲間がいればよいのだが、全て地元の方々だ。

 

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そして感動の瞬間だ!

 

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鳥居を抜けるとこじき衣装と祭壇?がもう見えてきた!

これはよく見るとこじきの人形だ。

その向こうには第二の鳥居が見えて拝殿がある。

 

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本日ここで何があるのか?

桶川祭り、通称『乞食祭り』だ!

乞食?

 

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開催日は4月1日、曜日は関係なし!

見物客の都合など関係なし、硬派な祭りだ。

好きだぜ!硬派!

2019年の4月1日は月曜日、普通なら来れない。

だから有給を使うしかない!

ここで使わずにいつ使うのか?

率先して働き方改革だ!!

 

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なぜ、乞食祭りなのか?

古事記ではない、乞食だ、最近ではあまり聞かれなくなった言葉だ、放送禁止用語ではないらしいが自主規制対象らしいのだ。

差別用語だからなのか?!

よくわからないのでこれ以上は考えない!

 

ここでは、乞食は人ではない。

ここだけ聞けば、『ひどいこと言うなー』と思うかもしれないが、

『ちがうんだ!聞いてくれよ!』

※誰にいっているんだ?

 

『人間ではなく、神様なのだ。』

『どういうこと?』

『教えてくれよ〜。』

 

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時は遡ること、江戸時代。

干ばつが続き、飢饉となった時期があった。

この地に乞食がどこからともなく現れ神社に住み着いた。

村人は食べの物などを分け与え親切にした、その年は雨が振り豊作になったという。

村人はあの乞食は神様だったのではないかと考え、それが伝承となったという。

『なんと!』

この祭りは300年近くの歴史がある。

 

かつては、ホンモノの乞食をつかっていたとお歴々は言っていた。

今では事実上乞食は日本にはいない、ホームレスはいるが。

代わりに厄年の男性が乞食に扮している。

だから毎年ちがう乞食となる、はまり役もいるだろうし、少しイメージと違う人もいるかもしれない。

今年の乞食はどうか?

 

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スケジュールを確認しよう。

10時から受付

11時から神事となる。

この時間から乞食様が登場した、そして最後まで原則同じ場所で座っている。

12時から直会

14時、おこわかぶせがある。

見ての通り、約2時間ほど空くのだ、ここが工夫と忍耐の見せ所だ。

15時から餅投げで終了となる。

なかなかの長丁場となる、装備は最高のものにしたい。

歩きていける場所にお店や自販機はないので、事前に購入することをオススメする。

 

メインだけなら、

14時少し前でよいかもしれないが、

乞食様と語らう時間がとれないかもしれないよ!

 

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お歴々が正装して神事が始まるのを待っている。 

 

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振り返ると誰もいない、時刻は10時10分。

こんなに早いんだ、いなくて当たり前だ。 

 

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二宮尊徳像が木に同化している・・・。

かなり暇なので適当にプラプラしては写真を撮っていた(笑) 

 

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 高山線が通過していく、暇なので撮る!!

地元の消防団は早くから来ており車の誘導をしている。

 

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時間があるので特急を待つ。

4月の第3週には飛騨高山で春の高山祭がおこなわれる、見たいけど資金がない・・。 

 

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10時55分、とうとう動き出した! 

 

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こちらに歩いてきます、後ずさりをしながら距離感をとる。 

 

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気づくとすぐ近くに乞食様がいる。

壊れた傘は標準装備だ。

切れてヨレヨレで汚れている麦わら帽子は良く似合う。

長靴は実用的だ。

 

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進行役の隣りに乞食様が立っている、その横にはお歴々が整列している。

これから何かが始まるのだ。 

 

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 乞食様が左手に持っているのは鍋なのか?!

これは神器といってもよいのだろうか・・・。 

 

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乞食様が座る(神殿といってもいい?)を中心として整列する。

 

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こちらが今年の厄年の乞食様だ。

 

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お祓いがおこなわれる。

 

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神聖なる場所、でも神様である乞食様も一緒に並ぶという。 

 

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この中にはおこわが入っているのだろうか・・・。

 

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皆が拝殿に向かうなか、乞食様はブルーシートもとい聖なる場所で胡坐をかく。

 

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時刻は11時7分だ、おこわかぶせまで3時間近くあるのだ。 

 

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早速、乞食様の鍋(?)にお賽銭をする人がいた・・。

 

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次に消防隊の人がお賽銭を入れる、

乞食様は深々と頭を下げる・・・。

 

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そしてイベントが発生した!

伝統のたばこのお恵みだ。

 


乞食祭り2019①

 

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これで乞食様は上機嫌になる・・・。

たばこをよく見てほしい。

たばこに楊枝が刺さっている、これがシケモクの吸い方である。 

 

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お金もよいがたばこをお渡してもよいかもね。 

 

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拝殿内では神事が始まっていた。 

 

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神事が粛々と行われていく。 

 

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一方、乞食様の周りには子供たちが集まってきた。やはり人気者だ。

 

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拝殿内では巫女舞がおこなわれている。 

 

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12分ほどで巫女舞は終わる。

 

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参拝者玉串拝礼へと移っていく。

 

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一方、境内の乞食様はというと・・・。

ほぼ人はいなくなり、ポツンとしだす。

 

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しばらくすると、子供が乞食様の元に来た。

 

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乞食様と子供たちとの語らいがおこなわれている。

 

そして神事は12時30分少し前に終わった。

次の神事『おこわかぶせ』は14時からだ、約1時間30分ほど待機となる。

しかも雨が本降りになってきた、急いで車へ逃げ込む!!

(電車で来ている場合はどうすればよいのだろうか?! 私も最初は電車での訪問を考えていたが、雨にあった場合、どこにいればよいのか・・・。)

 

車の中で昼飯を食べる。

フロントガラスには雨が打ち付けている。

 

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雨は30分ほどで止み、青空へと変わっていった。

では散策してみよう。

 

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神社前の踏切は『県神社踏切』だ。

 

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13時9分、ワイドビューひだが通過していく。

5ヶ月後には越中八尾おわら風の盆がおこなわれる。

(開催日9月1日・2日・3日)

1日のホテルの予約はした、2日は有給かな・・・。

 

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陸橋から眺めてみる。

真下には国道41号線が走っている、この脇道が縣神社へ続く道だ。 

 

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いい空だ、今日の天気はもう大丈夫だろう!!

 

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13時15分、再び境内へ。

乞食様を見に来たのだが、散歩にでも行っているのだろうか・・・。

 

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弁当パックがあり、食した形跡があるぞ!

そして日本酒は金泉だ。

お賽銭は無造作に置かれている。

 

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千円札がかなり入っている。

 

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境内には人の気配がなくなった。

地元民は自宅に戻り、見物客は車に戻ったのだろう。

 

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14時から桶川まつりと式次第には書かれていた。

それは『おこわかぶせ神事』のことだ、これがまたすごいのだ。

 

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乞食様が戻り、地元の子供たちに再び囲まれる、やはり神様は人気だ。

そして雨が止んだので雨除けのブルーシートは撤去されていった。

 

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地元テレビのカメラマン(カメラウーマンか)も撮影にきている。

 

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ここでシケモクをおいしそうに吸う乞食様。

 

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おいしそうだ。

 

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そして『ひさご金泉』を勧める乞食様。

 


乞食祭り2019②

 

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気づくと拝殿下に何かが置かれていた。

 

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『オコワ』だ。

 

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13時45分頃、乞食様の周りに人が集まりだす。

この微妙な時間の緊張感!!!

 

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13時55分、乞食様の正面には道ができる、その両脇に人が並ぶ。

 

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『この童・・・できる!』

 

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14時00分、進行役の合図とともにおこわが出立する。

 

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お歴々の方が三組に分けておこわを担ぐ。

『ワッショイ、ワッショイ!』

 

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最後の組は氏子総代班となる、

拝殿前の鳥居から入口の一ノ鳥居まで担ぎ一周するのだ、酒が入っているのかしんどそうにも、楽しそうにも見える。

 


乞食祭り2019③

 

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そして14時8分、とうとうおこわが乞食様の前に到着した、ついに始まる!

 

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乞食様の手をめがけて、おこわを落とす!

皆の目が怖い!

 

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一斉にオコワめがけて飛び込み、手を伸ばす!

 

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そこには子供、老人、女性、そんなの関係ない!

 

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やるか!

やられるか!

ただそれだけだ、なんて簡単な論理だろう。

人間の原点がここにある!

 

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そして世界には勝者と敗者しかいない。

単純でなんと無慈悲なのだろう。

 

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乞食様から直接頂いたご婦人が一番の勝者ではないかと思う。

 

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そして人の波が引いていく。

 

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先ほどまで人の渦の中心にいた乞食様。

冷静さを取り戻した。

 

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よい顔をしておられる。

 

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手についたおこわに複雑な思いをはせる。

 

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手をついたおこわを食べる、その味はどんなものなのか?

 

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そして神事・おこわかぶせが終わる、

束の間の夢を見ていたかのようだ。

 

私も一摘みのおこわを口に入れる、

『美味しい・・・。』

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『おー!』

乞食様が童からお賽銭をもらっていた。

 

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そして、境内ではお餅投げの準備が始まった。

 

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至る所に餅の入ったたらいが置かれる。

 

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ここにも。

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1つのたらいには多くの餅が入っている。

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ついに式次第最後の行事が始まる。

境内には本日最多人数が集まっている。

 

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皆、かなりの臨戦態勢。

餅が撒かれると老若男女問わず、飛びかかる。

 

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カメラを構えながらも7つほどゲットした。

しかし、前を歩いていた婆さまはスーパーの袋いっぱい入っていた。

 

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一斉に帰宅だ。

ここから横浜に帰るのは私ぐらいだろう。

 

乞食まつり、

決してスポットライトは当たらないかもしれないが、言葉通りの天下の奇祭だった。

 


2018春・三都物語【岐阜川辺町・桶川まつり編】 完