3日目の終わりを待たずして、戻ることは忸怩たる思いではあるが・・・。
◆聞名寺・今町「おわら風の盆」
2016年に初めて、おわら風の盆を見た、想像通りの素晴らしい祭りであった、
そして今年、2年連続の訪問となった。
2016年の風の盆に行く前は、1度見ればよいと思っていたが、そんな事はなかった、
今年も行くし、来年も行くことがすでに決まっている!!
「美味しいものは何回食べてもおいしい!」と同じように、
「いいものは何回見ても、いいのものだ!!」
今年の開催は、金曜日から日曜日までの3日間、最高の人出になると予測される。
たしかに、昨年より人が多いように感じた。
1日目のおわら風の盆は、15:00から各町で行われる、
踊り場は公式日程表に書いてあるので、見たい支部に向かうことになる。
それに合わせて、越中八尾に向かう。
では、さっそく、おわら風の盆2017年9月1日・1日目の旅日記を書こう。
富山駅発、13:00以降は普通に乗車することはできない、新幹線・改札前の柱に設置される整理券配布所で整理券をもらわなければならない。
1日目は、規制される前に高山線に乗車する計画で富山に向かう。
※この段階では、12:50台の電車があると思っている。
やはりというか、新幹線を降りると、人が多いと肌で感じる、
「今回のおわらは人が多い!」と感じた。
とは言え、気持ちであせってはいけない、冷静に行動をしていこう(笑)
まずは、駅前のホテルに行き、荷物を預ける、
※ここで気を付けて欲しいのが、富山駅のコインロッカーは空いていないと考えたほうが良い、昨年は空いてなかった。
身軽になった・・・はずが、
カメラ2台と折りたたみイスを持っている為、重い・・・。(全く身軽ではない)
富山駅前のバスターミナル、
青空が晴天だ!(うれしくて混乱気味)
1週間前から、天気予報をチェックしていたが、雨やら、曇りやら・・各社の天気予報が私にストレスをかけてきたのだ。
富山駅のコンコースには、続々と人が溢れてくる。
この時間はまだ、整理券配布所は開いていない。
あいの風とやま鉄道の券売機で越中八尾までの切符を買う。
そのまま改札に入り、ホームに向かう。
これから乗るのは、富山駅:13:07発の列車であるが、普通に入ることができた。
人はそこそこ、乗車率は100%ほど、私も座ることができた。
祭りの開催日は、臨時便が多く運行され、快速として越中八尾駅以外には停車しない。
越中八尾駅:13:32に到着。
駅は祭り一色、大歓迎ムードである、
それもそのはず、北陸新幹線でも、「おわら風の盆」の案内アナウンスが流れるのだ、
勿論、高山線車内でも、おわら風の盆の由来など、説明のアナウンスが気分を盛り立てる。
駅員の人数が多い、普段は1名でいいような駅なのだが、今日から3日間は、
特別体制で臨んでいる、
「どこかの駅からの応援だろうか・・、他の高山線の駅は無人になっているのでは?!」などと余計なことを考えてしまうほど、ゆっくりと階段を登っていく。
越中八尾駅の駅舎である。
この出入口を25万人が通るのか・・・、
車で来る人もいるから、実際にはもっと少ないのだが。
駅前には案内所があり、ここでガイドブックをもらう、
各支部のスケジュール表や町の案内マップが載っており、これがないと始まらない。
※ネットでも同じものがアップされているので、スマフォを持っている人は大丈夫だ。
駅前の道路では、露天商が準備に精を出していた、
越中八尾の唯一つ(?)のコンビニ(?)のヤマザキストアで夕食を買っておく。
八尾の町まで、それなりに歩く、八尾町の最奥の東新町までは、かなりの距離である。
では、町流しまで時間があるので、町の景色・雰囲気を楽しみながら歩いて行こう。
駅前から坂のまち大橋までは、福島支部の領域である。
この道でも大々的な踊りが披露される。
八尾の町は高台にあり、そのため八尾を代表する石垣がある、
こちらからアクセスするのも良いが、私は、坂のまち大橋を渡り、
天満町(天満町支部)を通っていく。
途中に目を引くものが・・・あった!!
八尾町の婦警さんである、髪を黄色に染めたナウい女性だ。
坂のまち大橋を渡る、流れているのは井田川である。
ここから見る川と景色が好きだ。
少しばかり水流が多いのか、滔々と流れている。
「うん、今年も変わらず良い景色だ!」
私はこの八尾の町の雰囲気が好きで、祭りと関係ない時期に2回訪れている、
その時はあまり、祭り(一般的な意味で)に対して興味がなかった、
違うな・・・、
興味はあったが、人ごみに入ってまで見たいと思っていなかったが正しい。
久婦須川を渡る、しかし変わった名前だな。
※調べれば面白い由来があるのかも。
この時、14:00少し過ぎである、次の町・天満町に入る。
天満宮辺りに近づくと、なにやら、音が聞こえる。
天満町の町流しに遭遇!!
やはり、この道が正解であった!、石垣ルートまたは、坂のまち大橋で曲がってしまっていたら、遭遇することはなかった。
時計を見ると、まだ14:08であった、うれしい誤算だ。
先ほどの町流しはこの天満宮から発ったのだろうか、
では、「うれしい出会いに感謝」の参拝をしよう。
天満宮。
分岐を左折、
坂のまち大橋を渡った後の分岐ルートに合流する、
正面にある八尾宝くじ販売所が何気に気になる・・、この橋は眼鏡橋という。
眼鏡橋。
そして、下新町内にある八尾八幡社。
ここも、おわら風の盆の舞台になる、そのため今は参拝することはできない。
遠くから参拝しよう。
八尾八幡社。
ここでの踊りを見たかったのだが、ついに最後までみることはできなかった・・。
神社の境内を舞台とした盆踊り、最高の舞台だ。
そして、今回の最初の目的地として定めていた聞名寺に着く。
※「もんみょうじ」と読む
八尾の町と言えば、聞名寺を忘れてはいけない。
八尾は聞名寺の門前町として栄えた町なのだ。
聞名寺。
ここは、今町支部の領域となる。
聞名寺の本堂。
「どうですか、この風格は!」
まさに八尾の歴史の起源と言ってもいいかもしれない。
お寺の本堂で盆踊り、そして参道の両脇に屋台が並ぶ・・・
「これぞ、本来の盆踊り!」と言ってもよい。
では、参道を通り、次の目的地・諏訪町に向かう。
参道を抜けると、東町に入る。
東町に入ると「八尾ふらっと館」という施設があり、その前には踊子さんと記念撮影ができるお店がある、今年も健在だ。
すごく良心的な価格でびっくりだ。
八尾おわら資料館がある、
9/1~9/3以外に八尾に来た際には必ず立ち寄る場所である!
過去2回ほど入った、おすすめの場所だ、お祭りの時は延長して営業しているらしい。
おわら玉天本舗。
八尾土産と言ったら、「玉天」である。
今日は営業していない。
あと類似品のようなものが別の場所で販売されていたが、どのような関係なのだろうか・・・。
このお店も東町にある。
こどもや村井商店を曲がり、さらに右折すると・・。
おわら風の盆といえば、ここ!
日本の道百選「諏訪町本通り」である、
電柱が無い八尾町中心を南北に走る石畳みの道だ、江戸時代の町の佇まいを色濃く残した場所である。
ここで見るおわらが最高であることは言うまでもないだろう。
諏訪社に立ち寄る。
諏訪本通りの名の由来でもある社である。
「夜、諏訪町のおわらが良く見えますように」をお願いをしておく。
良い感じの境内。
かつては、ここもおわらの舞台になったという。
時刻は14:45。
去年と同じ場所で待つ、丁度軒下となっており、直射日光を防げるのだ。
そして、15:00少し手前、人が集まりだした。
唄い手、囃子方、地方を中心に法被・浴衣を着た踊り子達が周り出す。
これが輪踊りである、昼間は編み笠を付けないことも多い。
そして越中おわら節が鳴り響く、芸術ともいえる音色である。
本日2回目は、諏訪町支部のおわらとなった。
石畳みの道はさらに続く・・・、その先には東新町がある。
上空には白い雲が八尾の町を覆う。
昭和的看板のお店、これは一種のアートであり、町散策の1つの楽しみ方だ。
さらに上がり、振り返ってみる、壮観だ。
石畳みの道の終点近くに若宮八幡社がある、そこの手水屋を見に行く。
浴衣のセンスがいい、
そしてこの支部の特徴は、早乙女姿の踊子がいることだ。
男のかかし踊り、この所作が好きだ。
初めは、この男踊りの独特さにはまったものだ。
迂回をして、町流しの先回りをする、
この小さい女子たちが早乙女衣装を着ており、赤い襷を付けた田植え姿で踊る。
そのまま、西新町の領域に入り、一旦町流しを終える、
しばらくすると、次に輪踊りが始まる。
この距離感である。
手が当たりそうで、当たらない。
昼間であれば、比較的近くで見ることができる、おすすめの時間帯だ。
編み笠の影が少しだけ涼し気だ。
そして、照明器具店の前で踊りが始まる。
店主だろうか、軒先に出て、感謝の踊りを見ている。
これは御祝儀(御花代)を頂いた家前で踊る「花踊り」である。
「いくらつつむのだろうか」などとは考えてはいけない・・・。
どうしても、店主(仮)に目がいってしまう。。。
ギャラリーが店主(仮)を囲む・・。
曳山会館前を通過、
おわら風の盆がない時には、必ず寄らなくてはならない場所だ。
でも、今日は全く不用となってしまう・・(スイマセン)
こちらは八尾の春の祭礼行事である曳山祭の曳山が展示されている、
また、こちらでは「おわらステージ」が開催されるのだ。
曳山展示館。
踊り方のレクチャーなどもステージでは行っているという、見てみたい。
良い感じのお地蔵様、八尾の町は「だからやめられない!」
そして、小路を抜けると・・、西新町支部に遭遇。
そして、今回の大注目の御仁である、こちらの唄い手さんが良い味を出している、
聞き惚れるという感じだ。
そして、もう一人の唄い手、こちらの方も祭りを引き立てる。
踊り子ではなく、唄い手のほうに注目をしてしまった・・・・・、西新町支部であった。
おたや階段(鏡町支部)に向かう途中に花踊りに遭遇、こちらは隙間からみる。
決して、「いくらつつんでいるのか」などと考えてはいけない・・・。
おたや階段、こちらの場所取りも困難である。
「お! 踊りをしている」、急行だ!
上新町支部の踊りである。
このように別の支部が踊ることもあるのだ。
記念におたや階段を上る。
またもや町流しに遭遇、こちらは先ほどのおたや階段を持つ鏡町支部である。
町流しをしながら、戻るところだろうか。
乳母車をひく唄い手、日本の伝統的な祭りなので、ベビーカーとは言わない(笑)
お手洗いを探して、八尾ふらっと館に向かう途中、町流しに遭遇。
全員が若い、どこの支部かなと思っていたら・・。
良いおわらを見せてもらった。
そして、奥にあるのが、探していた簡易トイレだ(笑)
そろそろ17:00となり、昼の部のおわら風の盆は終わる、
そして2時間の食事休憩に入るのだ(17:00~19:00)
この2時間が大事であり、
おわら風の盆の真骨頂である夜の踊りを見る為の場所取りの時間になるのだ。
自分が見たい支部の場所取りに、各々が動く時間だ。
私は昨年と同じように諏訪町の町流しをみることにする。
19:00から諏訪町3・4丁目が踊り場となる為、坂の上の一角に陣をとることにする。
このあたりにイスをひらき、2時間ほどの待機となる。
ここでヤマザキストアで買ったおにぎりとパンの出番だ。
夜の帳が落ちていく、提灯に灯りがついてゆく・・・。
19:00過ぎごろ、交通整理が行われる、気持ちが高まる瞬間だ。
遅く来た人は入る場所がない為、1~2時間前から並んでいる人の後ろに入り、
立ち見となる、またずうずうしい人は、その前に座ることもある。
※これはマナーが無い、やめるべきだ。
諏訪町の人が「最低だな!」と言っていたが、その通りだな。
あと感じたのが、おしゃべりが多いのが年配の女性・・・、ひそひそばなしはまだいいほうだが、普通に会話している人もいる。
係の人がしきりに注意をして、ようやく周りが「シーン」となる。
そして無言の中、胡弓と三味線と唄が聞こえてくる。
幽玄の世界に入る時だ、本当に素晴らしい、
素晴らしくないのは、私の撮影技術だ・・・・。
通り過ぎていく、寂しさを感じる。
先ほども書いたが、優美以上に幽玄なのだ、
これだけ人がいても、唄と楽器以外の音がしない、無音の世界。
声を発することをしてはいけないし、発することもできないのだ。
「きつねの嫁入り」の世界が頭をよぎる。
次に、諏訪町と人気を二分する鏡町に向かう。
当然ながら、最前列は埋まっており、2番列となるが、座ることになる為、
足元まで見ることはできない。
正面の家の前に陣をとったほうが、良く鑑賞することができるはずだ。
※メモメモと・・・。
たしか、こちらは15列ぐらいまで座ることになる、係の人に誘導されるからだ。
それでも、鏡町の舞台踊りにより、おわら風の盆を堪能することができた。
先ほどの諏訪町は行列の町流しとなるが、鏡町は舞台袖から入れ替わり、立ち替わり踊子が出てきて、踊りの舞台を楽しむことができる。
では、おたや階段を上り、鏡町を後にする。
そして、聞名寺に向かう。
夜店が並び活気づいている参道を歩いていくと、おわら節が高らかに聞こえてくる、
そしてお寺の本堂を舞台として、おわら風の盆が少しずつ見えてくる。
この初見は結構、感動する光景だと思う。
こちらはマイクを使い、音響を出している。
先ほどの諏訪町・鏡町は静の世界、
そして、今町は騒の世界、周りには夜店が並び、祭り本来のにぎやかさがある。
風の盆の提灯が、雰囲気を醸し出している。
最後に皆で合掌。
本日の聞名寺の踊りは、これにて終わりとなる。
そして門が閉まる。
「仏様の前で踊るということが本来の(盆)踊りではないか」と考えさせられる今町のおわら風の盆であった。
これを見ながら、「必殺 仕事人」で中村主水が、仏の前で住職と切り合いをしている光景を思い出していた、あの光景はとても印象的であった・・・。
越中八尾駅に向かう最中、何組かの踊りと出会いながら歩いていく、
このような道草的移動がなんとも風の盆らしい。
そう、時間を気にしていたら、八尾の町は楽しめない、
そして、時間通りに進むこともできない、それが「おわら風の盆」である。
この時、22:45頃である。
帰りは立ちながら、25分ほどか・・・電車に揺られる。
富山駅前は、1時間前のにぎやかさが嘘であるかのように、静かだ。
それでも、八尾の町から戻った人たちが駅舎から続々と出てくる・・・。
明日は、どのような「おわら風の盆」に出会えるのか、楽しみだ。
同じようで、決して同じではない、「一期一会」が、おわら風の盆の醍醐味だ。
心地よい疲れからか、いつしか眠りについてしまった・・・。
布団をかけずに。
2日目に続く。