1日目の昼の部(15:00~17:00)を終えて、夜の部へと移っていく。
17時からのおらわステージを見終え時刻は17時30分になった。
さて夜の部はどこの踊りをみようか?
町を下り、下新町エリアへ向かう。
曳山会館から下新町は意外と遠い・・なんだか損した気分になる。
会場で場所取りをしていると18時20分から天満町の踊りが始まった。
下新町支部の踊りを待っていたら、天満町の踊りが始まった・・・。
これは幸運だ。
黄色の浴衣女子からピンクの浴衣の女性にかわる。
黄色は中学生、ピンクは高校生以上といった感じだろうか。
闇に浮かぶぼんぼりが幻想的だ。
八幡社のステージは2年連続で来ている、
鳥居前で踊るおわらも最高だ。
「唄の街だよ 八尾の町は うたで糸とる オワラ 桑もつむ」
幻想的に浮かび上がる踊り手たち、
ほどよい照明であり、撮影にはとても有り難い環境となっている。
ばっちりと魅せられてしまった。
男衆の力強い踊り、表には天満町、背には梅鉢の紋が見える。
その背後にいる地方もうっすらと浮かび上がる、影の主役だ。
勇壮な男衆の踊りにも魅せられる、初めておわらを見た時、惹かれたのは男衆の
「案山子踊り」だった。
やっぱり、おわらはいいな~と毎年同じ感想を抱く。
「風の盆恋歌」という高橋治の小説があるが、おわら風の盆の魅力には「恋」という
テーマがある。
胡弓と三味線が奏でる物悲しさ、本当にいいよね、よく哀愁と聞くが、本当にそうだ。
そして18時40分には踊りは終わった。
19時過ぎに下新町の総踊りが始まった。
朱色が夜に映え、鳶色のアクセントが特徴だ。
稲穂の白抜きもおわら風の盆にふさわしい模様。
それにしても姿勢が素晴らしくいい!
総踊りが終わり一時休憩となった。
19時30分、地方衆が集まってくる。
下新町の男衆、宝珠紋が背中に描かれている。
中学生男子は浴衣を着用する、他の支部ではあまり見ない光景だ、
女子の金と黒の帯がよいアクセントになっている。
編み笠から見える表情には、やはり幼さが見える。
「おわら踊りの 笠きてござれ しのぶ夜道は オワラ 月あかり」
趣きが深い、まさに幽玄の世界だ。
聞名寺に寄るとおわら道場の踊り手たちが踊りを終えようとしていた。
タイミングが悪かった・・・。
ここには屋台が密集しており人の密度が常に高い。
お寺故か、最後は合掌で終わる。
神社も良いけど、お寺で踊るおわらもいいな~。
歩いていると鏡町支部に出会った。
目の前のナイトラウンジが気になるな・・・。
決まった!!
次になんとなく諏訪町通りにやってきた。
通りの一角には人だかり、というか人垣ができている・・・。
あそこには、到達できそうにない。
これが限界だ。
こういう見方もおわら風だ。
さすが大人気の支部だ、この大混雑ぶり。
しかしここからが忍耐の時間だ、
二度ほど夜の諏訪町を見たが、その待機時間は果てしなく長かった・・・・・・。
こんな時間(20時20分)でも沿道には二重・三重の人がいるのだ。
この人たちは何時間待っているのだろうか。
私は隣りの街道に繋がる道の一角に陣取ってみた。
少しすると規制線が張られた、
『もう来るのかな・・・』という考えが甘い。
ここからが長いのだ、これが諏訪町と思うほかない。
見物客の中にも、ぼやく人がでてきた、中には移動する人もちらほらいた。
諏訪町の人に開始時刻を聞く人もいるが、答えは決まっている。
「わかりません。」
なぜわからないかというと、途中に入る花踊り次第というのだ、
「花を打つ」というが、花代を出した家がいた場合、その度に花踊りが披露される、
その花代によっても踊りの時間は異なるという。
そして、ある家屋で花が打たれ、一旦行列が下がった・・・・。
(一進一退なのかもしれない)
もう少しだ、肉眼でも見えるようになってきた。
しかしいつ町流しが終わってしまうかはわからない・・・。
時刻は20時53分頃だ、目の前に来て町流しは終わった・・・。
『よかった~。』
では次に移動しよう。
諏訪町通りを上がり東新町に行く、しかしここでは場所取りに失敗した。
『でもこれはこれでいい、おわら風の盆の楽しみ方の1つだ。』
さて、次はどうしようか・・・。
時刻は22時20分になっていた。
上新町に移動した、ここは東新町・諏訪町と並行している街道だ。
この通りは土産屋・飲食店などが並び、曳山展示館もある。
ここでは名物の大輪踊りが行われていた。
22時以降は一般客も大輪に参加することができる。
踊りの列の横をすり抜けて、先へ進む。
鏡町に寄ってみた、ここも多くの人が残っていた。
正面にはおたや階段があり、ひな壇上に人が座っている。
「おたやは御旅屋と書く」
ここはかつての花街・旅館街があった場所であり、
鏡町の女踊りには艶やかさがある。
次の踊りまで30分以上あるので、移動することにした。
宮田旅館、風の盆に八尾に泊まれる人は幸せ者だ。
西町の踊りに遭遇した、23時少し前というのに、まだこれだけの人がいるのだ。
『皆、早く帰ってほうがよいよ・・・。』
どうにか手を伸ばして撮影する、
踊りは良いし町も良いし、本当に越中八尾の町は素晴らしいと思う、
ここに匹敵するような場所はあるのだろうか・・・。
あったら是非とも、教えて欲しい。
しかしまだまだ踊りは続くのだろう・・・。
いつかは深夜を超え、朝まで八尾にいたいのだが、いつになることやら。
周りの家屋も落ち着きがあり、なんともいえない、素晴らしい舞台となる。
踊りを見終え、駅へ向かう・・・。
そこには最後の支部が踊っているはずだ。
ここは八尾の町から離れている、
有名な見送りおわらを舞うのもこちらの支部だ、一度でいいから見てみたい。
23時23分、越中八尾駅に到着。
こちらは特別列車だ、普段ではこんな時間に運行はしていない。
富山行最終は22時台で終わっているのだ。
あとは列車に揺られて富山駅に着くのを待つだけだ・・・。
富山駅は当然ながら閑散としていた、
近くにはローソンがあるので、とっても遅い夕飯を買った。
健康に悪そうだが、空腹すぎて眠れそうにない・・・。
明日はおわら風の盆2日目、そして横浜に帰る日でもある。
天候も悪いと思われ、どうなか不安であるが、それを含めて楽しもうではないか!!