富山を代表する民謡行事の一つだ。
2019年は9月14日・15日の2日開催となる。
昨日は由比に行っていた為、むぎや祭2日目の出陣となった。
城端(じょうはな)はこれまで2回ほど訪問している、
城端線の最終駅にして、とても趣きのある町なのだ。
前回は昨年5月の城端曳山祭の宵祭、夜間の静かな訪問となった。
むぎや祭は一度は見たいと思っていた祭り、
しかしこの時期は他の祭りとバッティングしてしまう、
それにおわら風の盆の2週間後にまた富山に行くという心理的壁があった。
しかし、『今年は行く! 1ヶ月間に2回目の富山旅行だ!』
どんだけ、富山が好きなんだ、オレ!
東京発8時12分の北陸新幹線かがやきに乗車する。
(かがやき521号)
東京は晴れ、富山も晴れという予報だ。
かがやきは東京・上野・大宮を過ぎると長野・富山・金沢と停車する、
この潔さがいい。
富山には10時28分に着いた。
今年のおわら風の盆とは異なり、むぎや祭は晴天が約束されている、
万が一にも崩れることはないだろう。
一旦、荷物をホテルに預けて、再び富山駅へ。
上空には富山空港行のANA便が見える。
東京・富山の距離感を考えると、飛行機のメリットをあまり感じない、
微妙な距離感だろう。
これから乗るのは、第三セクター・あいの風とやま鉄道だ、券売機で城端まで買う。
10時46分発金沢行きに乗車、
ホームにはかなりの行列ができている、これでは座れる可能性は0だ。
ちなみに画像の車両は全く別の「一万三千尺物語」という観光列車だ。
富山・高岡間は所要17分、なんら問題はない、
多くは金沢に行くのかな。
問題は高岡駅からの城端線だ、接続の待ち時間が45分ほどある。
(地方でよくあることだが。)
駅員に一時途中下車の許可をもらい、高岡の町に出る、とはいえ散策する時間はない。
コンビニでお茶とパンを買う、おにぎりは売り切れだった、または仕入れてない?!
たしか城端にはスーパーはあったが、コンビニは無かったと思う、
ここで買わねば!
本日も長丁場だ、ある程度の行動食は必要だ。
高岡駅前には寂れた建物が見えた、
隣りの近代的建造物との対比でさらに際立つ、愛おしいぜ!
高岡の町は過去に2回ほど散策した、ここには高岡大仏や古い町並み、高岡古城公園な
どがある、氷見線に乗れば景勝地・雨晴海岸に行くこともできる。
高岡は旅の起点駅でもあるな。
駅の反対側には国宝・瑞龍寺がある、駅から徒歩10分程の距離だ。
コンコースの一角には、かかし(?)が展示されていた。
スーパーボランティア尾畠さんらしいのだが、わかるか!?
来週には「中田かかし祭」が開催されるという、
これがなかなかのシュールな祭りらしい。
そして同時期に「福岡町つくりもんまつり」というかなりヤベー祭りがあるらしい。
※福岡でも高岡の福岡町ね。
3週連続でさすがに富山にはいけねえな・・・。
高岡駅の周りには何もないので、城端線ホームで大人しく待つことにした。
ここで10分ほど待った、とても暑いが真夏の暑さではなかった、秋はそこまで来ているのだ。
左の路線が城端線だろう、そして直進している線路はあいの風とやま鉄道線、かつての
北陸本線だ、新幹線が開業するまでは特急はくたかが金沢に向けて疾走していた。
なんと在来線最速の160kmをたたき出していたというから驚きだ。
11時40分過ぎ、城端線が入線する。
ホームで待っていたのは4人ほど、発車5分前頃から続々と人が乗り込み、乗車率80%を超
えた。
次の新高岡ではかなりの人が降りる、以前駅周辺は何もなかったのだが、
今ではイオンモールができており、町の雰囲気が変容していた、佐久平のようになって
いくのだろうか?
新幹線効果だな。
高岡から城端までは約1時間ほどかかる、
それなりに長い、絶対に座りたいと思ってしまう。
途中から老夫婦と4人掛けのシートで、富山の田園風景を見ながら時間を過ごすことになった。
事前情報では、おわら風の盆のような混雑はないとのことだ、
城端線からもそれがわかる!
ホームに降りるとむぎや祭のぼんぼりが下がっている、
ぼんぼりは大事だ、気持ちを高めてくれる。
やはり降車客はさほど多くない、勝ったな!
この国鉄風の車両がいいよね。
城端駅にマッチして、よい雰囲気を醸し出す。
隣りのホームにも停車していた、
向こうに見える田んぼの金色と車体の橙が妙にマッチする。
『いい光景だな〜。』
駅舎内でむぎや祭のパンフレットが置かれているのでゲットする。
城端むぎや祭はスケジュール表が重要だ、
踊る場所が決まっており、しかも時間に正確だ。
おわら風の盆のように踊り場はだいたい、時間もだいたいではない。
どちらがいいという話ではない、違いの話だ。
駅前には踊場が用意されていた、パイプ椅子も用意されており省エネができそうだ。
ここは駅前会場という。
【街並み踊り】のスケジュールが掲示されている。
踊り場は町中に4つある。
①駅前会場 ②出丸坂会場 ③浄念寺会場 ④坡場の坂会場(はばのさか)
城端の中心部は駅から離れている、離れているといっても徒歩15分程の距離だ。
町に向けて歩き出すが、とても暑い!
まだ時間もあるし、のんびり行こう!
駅を出てすぐに左折する、この街道を道なりに行けば城端中心部だ、
今回は視界に10人近くの人が映る、祭りに行く人たちだろう。
昨年、城端曳山祭宵祭に来た時、夜ということもあったが、誰も何もなかった、
祭りなどやっていないような様相だった、あの時の焦燥感は今でも忘れない(笑)
道路にはスピーカーが設置されており、むぎや節などが流れている、
これはライブ、今開催中の麦屋節コンクール全国大会だろう。
少しだけ気持ちが逸るぜ。
前方を見ると雄大な山々が見える。
『なんて素晴らしい光景なのだろうか! やっぱり城端はいいな〜。』
大きなカーブを曲がるとメインストリートだ、もうじき十字路にぶつかる。
カーブを上がった所に2つ目の会場・出丸坂会場がある。
家紋の入った幟が立てられている、背後には山々がそびえ立つ。
舞台背景が最高の踊り場だ。
城端では1951年にむぎや祭が始まった、今年で何回目だろう。
城端ストレートを歩いて行くと露店が見えてきた、道幅もあり立派な道なのだ。
そして十字路では大勢の人が踊っている、これは噂に聞く、あれか?
「むぎや踊り講習会(13:00~14:00)」
正面に見えるのが善徳寺だ。
15分ほど講習会を見学、来年参加してみようかな・・・。
講習会で学び、夜の総踊りに参加(踊りをマスターする)と記念てぬぐいが貰える。
まずは善徳寺に行ってみようか・・・。
「麦屋節コンクール全国大会(8:30~14:15)」が行われていた。
これがスピーカーから流れていたやつだ。
善徳寺からセフレ方向に下りていく。
「セフレ」というのは城端にあるスーパーだ、
名前はアレだが、至って普通のお店だよ・・・・。
神明社前では踊りが始まっていた、これが最初のむぎや踊りとなった!!
西神田町の人たちだ、
この中で踊りがキレッキレッの人がいるのだ、総じて男性の踊り手はキレていた。
(この段階では気づいていなかったのだが)
いい景色だ、これも城端の名所と言ってもいい。
踊り手たちの大移動が見える。
どこに向かっているかというと「じょうはな座」だ。
14時から「むぎや踊り競演会」が行われている。
こちらはメインストリートにある城端曳山会館だ、本日はメインではない。
街並み踊りの最初の会場として「坡場の坂会場」を選んだ。
ここは段差になっており、最前列は座ることができる、
そういう意味では待ちやすい場所といえる。
14時、出丸町の踊りが始まる、初めは幼い女の子による手踊りだ。
けっこうバラバラ、自由に踊る子もいてカワイイ。
今はこれでよいのだ、
これから研鑽を重ね、立派な踊り手として成長していくのだろう。
むぎや祭ではマイクで唄う。
声としてとても響く、動画録音でよくわかる。
三味線、胡弓、太鼓が並ぶ。
次に男児の登場、こちらも未来の逸材たちだ。
踊りの終盤から次の踊り手が後ろ入ってくる・・次は中学女子だろうか。
交代していくにつれて踊りが洗練されていく、桃色の着物が可愛らしい。
次に青年男性が登場する。
袴姿に帯刀している、これはむぎや節の発祥に関わるのだろうか・・・。
平家が壇の浦の合戦に敗れて、
落人たちは安住の地を探し、人里はなれた五箇山の地に辿り着いた、
落人たちは刀を鎌や鍬に持ち替え、栄華を偲びつつ麦を刈った、
その時の作業唄が麦屋節という。
決まった!!
まだ続くよ。
こちらの女性たちは着物の花柄が全て違う・・・細かいぜ。
こちらの手踊りもとても優雅だ。
この踊りは「古代神」、はじめて聞いた人は何それ?と思うだろう、私も同じだった。
この踊りでは女性も菅笠をつかう。
素晴らしかった!!
こきりこ節が最後に披露される。
以前、こきりこ節は五箇山という認識だったが、麦屋節もそうとは思っていなかった。
今回は色々と学ぶことが多い。
「じょうはな座」に来てみた。
ここでは「むぎや祭り競演会」が行われている、1日に3部開催されており、
1部の鑑賞代が500円だ。
ここは全席指定となっており、座席MAPから好きな席を選ぶようになっている。
さあ、善徳寺は無料、じょうはな座は有料、どちらを選ぶ!?
「なんと! 農業協同組合・・・」
※南砺です。
町に自然と溶け込む山々・・・。
何気ない風景に癒される。
次に来たのは「浄念寺会場」だ。
時刻は14時45分になる。
空を見上げると、だたの青空が広がっている、
それだけでも「城端に来てよかった。」と思える、そんな清々しい天気だ。
15時から西新田町の街並み踊りが始まった。
こちらの町も幼い子供の演舞から始まり、ベテランへと変わっていく、
恐らく、全てはこのような流れなのだろうと理解した。
町々の着物を見るだけで楽しい、
この踊り場は坂道にあり、斜めっているのだ。
町により踊り方は若干異なるのか、踊り手の違いなのかはわからならいが、
この町はキレッキレッで菅笠をさばく、特に右から二番目の踊り手がスゴイ!!
笠は小気味よく動く・動く!!
バサッ、バサッ・・・。
15時15分踊りは終わった。
同じ会場であるが場所を変えてみた、俯瞰する感じで新鮮だ。
こちらは西上町だろうか(スケジュールの時間的に)
この所作が一番好きだな。
3回連続で浄念寺会場に居座る、易きに流れた?!
違う、合理化だよ!
そして西下町が登場する。
踊りはまだまだであるが、花がある子供たち、
将来に向けての準備期間なのだろう、かわいいは正義か?!(笑)
着物に襷という姿も素敵だ。
街並み踊りもこれで4回目となった。
・浄念寺会場: 3回
・坡場の坂会場:1回
合計4回
次に出丸坂会場に向かってみた。
時刻は16時28分、
16時30分から踊りが行われる、この時間に踊っている会場はここしかないのだ。
背景が山の自然舞台、城端ならではの踊り場だ。
まだ16時開始の踊りが行われており、5分ほど見ることができた。
こちらは四葉会、
町内単位の演奏が多い中、こちらは地域内外から民謡好きが集まり結成している。
西上町、先ほども見た支部だ。
できれば全ての町の踊りを見たいが、そこまで考えず、行き当たりばったりで動くこと
にしている、だからバッティングも仕方がない。
女性の袴姿は珍しいのかも、全てを見ていないので推測に過ぎないが。
最後は成年男子によるむぎや踊りだ。
またまた浄念寺会場に戻ってきてしまった。
さきほど見た四葉会が踊りを披露していた。
これは初めて見る踊りだ、その後全員で手をつなぎ周るのだ。
ね、周るでしょ。
かごめかごめを唄っているわけではない。
お小夜節だ。
こちらも初めて見る2人だけでのむぎや踊りだ。
最後に成年男子によるむぎや踊り、この所作から必ずスタートする。
時刻は17時20分になっていた。
駅に戻るまで4時間近く残っている、さてどうプランをたてようか・・・。
行き当たりもばったりもよいが、その中でもある程度の方針を決めておく必要はあるだろう。
これから夜の帳が落ちていく、
その中で踊る麦屋節はどう見えるのか、楽しみで仕方がない。
昼の顔、夜の顔は違うものだ、そのギャップを楽しみたい。
まずは「むぎや踊り競演会」に行ってみるか?!
城端むぎや踊りに行こう!【昼の部】 完