約一年待っていた?!
千葉の奇祭・あらい祭りだ。
この祭りはまさしく奇祭、なぜなら・・・・・。
大根で女性器、男性器をつくり、それを獅子舞がパクっと咥える・・。
子供たちが大根を宮司に向かって投げる、さらには櫓を燃やす・・・という。
これだけ聞くと、とんでもない祭りのように思えるが、さにあらず。
古から続けられていた村の願いが込められている素晴らしい伝統行事なのだ。
こんな耳を疑うような祭りがあるとは!
これは実際に見てみたいとなるのは必然だ!
今年の初め頃、この祭りを知ってから、この日をなんとなく待っていた。
今日はそのレポートを上げたいと思います!
最寄駅は芝山鉄道の芝山千代田駅、初めて聞いたという人も多いだろう。
鉄道マニアなら有名な2駅しかない鉄道路線だ、終点と終点を結ぶ、他ではお目にかか
れない鉄道なのだ。
そもそも、最寄り駅という表現も間違っている、徒歩1時間以上もかかるだから。
東成田に向かうには京成成田駅からが一般的であるが、
そもそも東成田駅に行くこと自体が一般的ではない・・とこの場で言っておこう。
今回は横浜・品川間は横須賀線、
品川から成田エクスプレスで第二空港ビル駅に向かい、そこから東成田駅まで歩くこと
にした。
品川発8時18分、
丁度よい時刻の横浜発の成田エクスプレスがなく、
新宿始発のNEXに乗ることになった。
車内のモニターには各国へのフライト情報が表示されていた、
「あらい祭り」に向かっている客は私だけだろう・・・・。
≪・・・9時25分、空港第2ビル駅に到着した・・・≫
成田空港から東成田 へ向かう。
廃墟のような東成田駅から芝山鉄道に乗り、終点・芝山千代田駅に到着した。
SR芝山千代田駅
どうですか!! なかなか味のある駅でしょう!
改札を出るとすぐにバス停が見つかる。
〔 芝山ふれあいバス 〕
駅前のロータリー中央には、はにわが見守っている。
この地域ははにわ推しであり、駅などの看板でははにわを全面に勧めている。
バス停は2つしかない、
ロータリー左側には成田駅方面のとても数少ないバスが出ている、
右側が芝山ふれあいバスの停留所となる、
うれしいことに、速い時間から停車していた、
それに3人が乗り込んだ、全員、目的地はきっと同じだろう。
10時26分発、松尾駅行きバスが出発する。
そもそも、松尾駅って何? どこ??
のどかな景色が流れていく・・・。
10時44分に到着。
バス停12個目・『山田』で下車した、もちろん全員だ。
ふれあいバスは、ふれあう人がいない状態で松尾に向けて走り去っていく。
バス停の正面が目的の山田集会所、幟が立っており見逃すはずがない。
グーグルマップでも、『山田集会所・芝山』でヒットしたことにも驚いた。
入口には駐車場らしき場所があり、かなり埋まっていた、
クルマで来るなら速いほうが良いかもしれない。
すでに集会所には法被を着た人、カメラマンがすでに待機していた、
時刻は10時45分だ。
一応、11時からと聞いていたが始まる様子は全くない、
そもそも何が始まるかよく変わっていないのだ。
のどかだ・・・陽も優しい。
「あらい祭」
テントの中から祭囃子が流れている。
地元の方に話しをきくと・・・この祭は、
無病息災・火盗難除・五穀豊穣、そして七五三を全てをまとめて行うという。
『なるほど、ごった煮ですね!』と言おうとしたが、思うだけにした。
そして、獅子舞が静かに出番を待っている。
裏では料理をつくっている主婦たちが見えた。
この坂を上がって行くとさらに広い土地に出る、そこが最終決戦地となるのだ。
(何の? 戦い???)
それは後でわかります・・・。
かなりの頻度で飛行機が左に右に通過していく、あれは日本カーゴだ。
集会所内をのぞいてみよう。
この祭りが奇祭をいわれる理由の一つが置かれていた。
「拡大するのは、やめておこう。」
20分過ぎたあたりだろうか、座布団前に配膳がされていく、これから食事をするらし
い、中にいるおじいさんがテキパキとお盆を運ぶ姿が印象的だった。
ぞろぞろと人が来ては食事をして、時折獅子舞が部屋に入り舞っていく、
これが繰り返されていく。
泣き叫ぶ子供、隠れる子供・喜ぶ子供など、反応は様々だが、期待通りのリアクション
だろう。
しかし本気で怖がっている子供からすれば、たまったもんじゃない。
地区の家族たちが来て食事を頂く、次に見物人に対しても、
召し上がってくださいとお声がけを頂く、なんか遠山霜月祭りを思い出す。
とても暖かい地区であり、お祭りだ。
祭りの当日は当番の家に集まり、『神の食』を頂くという、今では集会所になるのだろ
う、食事は全員に対して振舞われる。
この日は誰に対しても、もてなしをしなければならないと地元の方から聞いた。
来年行く人がいれば、昼飯は持って行かなくてもよいかもしれない。
それにしても穏やかな「芝山時間」がゆっくりと流れていく。
時の流れは一定ではないと、そんな感想を抱いてしまう。
11時35分、ついに獅子舞動く!!
この獅子舞には大人二人が入っている、息があわないと獅子舞にならない。
なんと愛嬌がある獅子舞だろうか。
頭を噛む、これは健康祈願だ。
獅子舞は人が入れ替わる度、4回か5回ほど、集会所の中に入ってきた。
ここには「古き良き日本の続き」があった。
その中の1回において『事案が発生した!』
と現代ではいわれるのだろうか。
神物に近づいていく獅子舞。
そして、パクっと咥えた。
主婦から「なんかやだー。」と聞こえたのは私の幻聴か。
これは、新妻の前で神物を咥え、子孫繁栄を祈願する行為ときく。
決してふざけているわけではない。
かなりのんびりとした時間が流れていく。
ほんとうにのんびりなのだ、飽きっぽい人は向かないかもしれない。
今日は陽が暖かく、気持ちがよい。
そして再び、まったりとした時間が流れていく・・・・・・・。
そして、事態が動いた。
幟が降ろされ、たたまれていく、
これから来年の引き継ぎ式をするという、五つの地区があり、当番制になっている。
これがどのように行われたのかは、畑に移動してしまったので、わからない。
これからが、メインイベントと言っていいだろう、
子供が大人(宮司)に対して大根を投げる、もちろん、ぶつけるためだ。
『なんじゃそりゃー』と思うのは無理はない。
子供と親たちは食事を終えると、上の畑に行き準備をするのだ。
その頃、下の集会所では幟が降ろされていた。
私も上の畑に行くと、道や畑の片隅に大根が無造作に置かれている。
もう、準備は万端らしい、畑に纏められた大根たちが置かれている。
さて、そろそろあがってくるか?
ここでもかなり時間が空くので、それを承知で来ましょう!
13時37分頃、とうとう始まった!!
坂を上がり切る手前から始まるという・・・。
子供たちが大根を投げる!
ゴザで防御する大人たち!
なぜ、大根を投げるのか・・その理由がわからない。
ゴザを広げている理由はなんとなく想像ができる、当たると痛いからだろう(笑)
『なんじゃこりゃ〜』と思うのは無理はない。
私もそう思ったのだから。
年の差が大きい者同士の戦闘がゆる~く行われている。
「後ろからは禁止!!!」と言っているのが微笑ましい。
そして、森の向こうからは煙りが上がっている?!!
え?!
その方向に進んでいくと、景色が開かれ煙の全貌が見えてくる。
竹だろうか、四方に竹が組まれ、焼かれていた。
時折、バンって竹が弾ける。
かなりの迫力がある、
昔は延焼したこともあるという・・・。
奥には神社がみえる、
子供たちは竹でやぐらをつくり火をつけ、宮司(大人たち)が神社に正面から入るのを
防ぐのだ。
これは子供たちが元気に育っているということを意味しているという。
今回だけだろうか・・・。
神社の中では宮司らしき人が正装に着替えていた。
これから何かの儀礼・儀式が行われるのだろうか。
町民は遠目で眺めている。
時計を見ると時刻は13時55分、これならバスが間に合う。
最悪の場合、タクシーも考えていただけによかった!
最後まで見れないのは少し残念ではあるが、
大きな流れでの「あらい祭り」は終わったと考えてよいだろう。
とても満足な気分、帰りの足取りも軽い!
(そこでバスに乗るけど。)
時刻表上、 3分前に到着。
14時03分発の芝田千代田駅行きだ。
車内が1名ほどしか乗っていない状態。
芝田千代田には14時19分頃に着いたのだが、
芝山鉄道の接続が悪い、40分ぐらい待たねばならないのだ。
周りにはお店は一切ない。
あるのは飛行機ぐらいか・・・。
フェンスの向こうにはバス停が整然とならんでいる、
あれはなんだ?!
駅の前には向こう岸に繋がっているだろう地下道の階段があるのだが、
その下に警備員らしき人が長机の前に立っているのだ、
これは一般人は通れないと理解した。
駅前にある芝山町の観光MAPだ。
〔 芝山古墳・はにわ博物館 〕
〔 はにわ祭 〕
芝山鉄道の全駅だ!
芝山千代田駅・・・以上!
これから隣り駅・東成田駅に向かう、行きと同じルートをとり横浜に課dる。
飛行機が見える駅も珍しいよね、というか無いよね。
14時57分、芝田千代田駅発。
東成田駅には15時ちょうどに到着した。
急いで空港第2ビル駅に向かう、
成田エクスプレスの時刻は18分に迫っているのだ。
成田空港に到着、この喧騒がホッとする。
思いのほか早く改札前に到着できた、
コンビニで軽い軽食(一緒の意味か・・)を買った。
かなり疲れた・・・。
成田エクスプレスは横浜まで行ってくれるので、とても助かる。
お隣りの京成スカイライナーでは京成上野止まりとなってしまうからね。
たまにはスカイライナーも乗ってみたいのだが・・・。
いつも通り、
京成スカイライナーは大盛況、一方我らが成田エクスプレスは空いている。
「あらい祭り」・・・
初めは、閉鎖的な祭りかな・・と思っていたが、
とっても開放的で温かい祭りであった、みているとリピーターが多いように感じた、
やっぱり、そういうことだよね。
皆さんもお時間があれば、行ってみてはいかがでしょうか?
「いい風景」を見ることができますよ!
きさいの奇祭・あらい祭りに行こう! 完