この伊豆旅のメインが湯本館に泊ること、
ようやく念願の旅館に泊まれることに、うれしさを隠せない・・・。
ついに到着した湯ヶ島・湯本館。
今年の夏には伊豆・湯ケ野にある福田家に泊まった、
ここも伊豆の踊子と深いつながりがある宿、この宿は小説・伊豆の踊子にも登場、
しかも読者には最も印象的な場面として記憶している人も多いに違いない。
今回の湯本館はその伊豆の踊子を書いた宿、
舞台の宿・福田家、
それを執筆した宿・湯本館である。
客室へご案内、入口から広く、奥行きもある。
この花は「るり」?!
十分に広い、
3人分の布団を敷いてもまだ余裕があるぐらいには・・・ある。
お茶請けは康成饅頭だ、
これを買うには前日までに注文しておかねばならない。
※もちろん買った。
広縁にはテーブルとイス2脚、そしてガラスの向こうには客室温泉となっている。
そして広縁からの眺めがこちら、狩野川がごぉーごぉーと音を立てて流れている。
川のせせらぎという感じではない。
人によっては気になるかもね、私には心地よかった。
ここは2階、狩野川が半円を描きながら流れていく。
この一際大きい岩は流れてきたのか、山から落ちてきたのか・・・。
眼下には藤棚だろうか、下の階は客室としては使わていないように思われる。
夕食、朝食は部屋ではなく、この下の部屋に案内された、
造りはほぼ同じであり、いつでも客室として使えそうだ。
冷蔵庫にはビールもたっぷり。
こちらが水周り、手前にはお手洗いがあり、そのお隣りは洗面所となっている、
そして、最奥には客室温泉がある。
こちらは見てのまま洗面所。
そして奥には温泉、しかも源泉かけ流しだ。
かなり広く、キレイであり、いい意味で期待を裏切ってくれた。
「オレの期待を裏切ったな!!(歓喜)」
温泉がひたすら流れていく光景、これが明日の10時まで使いたい放題とは・・・。
うれしい!
蛇口から温泉が出てくる、コレもいい!
湯舟にはなみなみとあるが、ここからはダイレクト温泉(?)が使える。
そして「秘湯くまささシリーズ、揃い踏み」
この宿も秘湯を守る会の会員だ、福田家さんもそうだった。
「当館の温泉」
カルシウム・ナトリウム・硫酸塩温泉
神経痛から慢性皮膚炎まで幅広く効果があります。
では館内の散策へ、
ここには見るべきものが多くある、そういう宿って素晴らしいと思うが、
日本にはそんなに多くは存在していない。
廊下にはいろいろな額やポスターなどが掛けられており、その度に足が止まってしまう、
伊豆の踊子が館内いっぱいに溢れている!!
「伊豆の踊子」の一番面
こちらもどこかで見たことがあるような、デジャブか?!
伊豆の踊子の各年代のポスターたち。
比較的新しい山口百恵版のポスターが目立つ
そして最も有名な階段、この下はすぐ帳場・玄関となっている。
なぜ有名か、次の次の画像をみてばわかります!!
こちらは帳場。
帳場前の階段に座っている川端康成。
皆さん、同じ段に座り記念撮影をするという・・・。
少し角度が違うかな・・。
私たちも段を数えて座りました!
帳場横にあるお土産が置かれているスペース、
そして右側の部屋は休憩室となっており、露天風呂の入口にもなっている。
「天城」
若山牧水の愛した地酒
これを夕食に頂いた、おいしかったが飲みなれないものは、旅行で飲むべきではない・・と思った、
奥の引き戸が露天風呂への出入口となっている、
室内スリッパが置かれていれば先客がおり、待たねばならない、そのようなルールとな
っていた。
まぁ要するに露天風呂では他の客とかち合わないようになっている。
この休憩室、壁の至るところに写真や原稿などが貼られており、情報量がとても多い!
映画のロケに川端康成が来ているような写真も飾られている。
なるほど、分かり易い!!
「学生時代の伊豆旅行の経験をもとにした小説。湯ヶ島温泉から下田までの旅の中、
踊子たちとの出会いと別れを描いた物語です。」
簡潔だ!
こちらは伊豆の踊子の冒頭文の直筆原稿とかかれている。
超貴重だ!
「伊豆の踊子」人形
おそらく福田家にもあったものと同じだろう、一見目を引くものであり、じっくり見て
いると癖になる表情・・・。
絵画も多数掛けられており、その収集が羨ましくもある。
休憩ルームから出て、階段を下りていく。
階段を下りて、庭の石畳みを少しだけ歩くと、脱衣所が見えてくる。
ここで裸になるのか・・・と少しだけ心細い気持ちになってしまう。
脱衣所の横には鮎が入った水槽がある。
スリッパで階段を下りて湯舟前で脱ぐことになる、
狩野川が目の前を流れており、野性味あふれる露天風呂となっている、
時たま、釣り人と遭遇することもあるらしく、注意が必要かもしれない・・・。
日本秘湯を守る会
もう少し近づいてみると、向こうには吊橋が見えてくる、そして同じ目線に狩野川。
その臨場感がいい!
こちらが夜バージョン
あの出っ張っている部分が私たちの客室となっており、客室風呂の窓だと思われる。
場所を移し、ここは川端康成の展示室。
川端康成が手紙の封に使っていた印璽の型も展示されている。
写真は若かりし頃の川端康成だよね・・・。
伊豆の踊子の絵皿、こういうの欲しいと思うのだが、どこかに売っていれば
いいのにな・・・土産屋では見たことが無い。
奥の集合写真には川端康成が映っている、その上の文章は達筆すぎて、半分少ししか読
みとることができなかった。
所狭しと掛けられている額、時折読めないものもあり、もどかしい・・。
そういう時は雰囲気で感じろ!
この部屋に川端康成は十年も住みつき、「伊豆の踊子」の出版届にもこちらの住所を書
いたという。
川端康成氏「伊豆の思い出」ヨリ
~省略~
五号室だけは離れているものだから、長逗留の私はそこにゐた。
「川端さん」の部屋から出た先には、資料館がある。
こちらは撮影禁止となっている。
そして、夕食のお時間となりました。
もうお腹いっぱい~。
天国と地獄は表裏一体か?!
美味しかったけど、お腹いっぱいで苦しい・・・。
そして朝になった・・・。
旅の心地よい疲れと夕食の食べ過ぎですぐに寝てしまった、
名酒・天城がその後押しをしてしまったことは否定できない。
朝風呂(温泉)はもちろん入る!
隣りに温泉があるって素晴らしい!!
深夜にも目が覚めてしまったので、入ってしまった、贅沢だなぁ。
そして朝食の時間へ。
朝食はシンプルでいい!!
美味しく頂きました。
あゆを骨まで丸かじり!!
これが美味しかった!!!
どこで売っているのか、調べてみたい!
朝から板わさもいい!
ピリッと目が覚める。
朝のど定番の玉子焼き。
伊豆らしくみかんの餅。
これも締めとしてはサイコーだ。
では出立の時間!!
お土産として康成まんじゅうと伊豆の踊子の湯飲みを購入。
やはり素晴らしい宿だった湯本館、
ご主人と女将さんもアットホームな方たちでとても居心地がよかった、
中居さんは一人だったのだろうか、とても忙しそうに仕事をしていた。
最後は三人に見送って頂き、お別れとなった。
また、来たいなーも思える、人に勧められる宿、湯本館でした!
もう、この伊豆旅は大成功と確約された。
『伊豆の踊子』執筆の宿・湯本館に泊まろう 完