KITの気ままな旅日記

旅行の記録を公開していきます ≪過去・現在・未来≫

小説『雪国』ゆかりの宿・高半に泊まろう!《その2》

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東京から新幹線に乗れば越後湯沢はすぐそこ!

今回は川端康成『雪国』をめぐる旅へ出かけている、

高半旅館、宿泊の2日目、静かにスタート・・・。

turumigawa915.hatenablog.com

 

旅館「高半」はここ!

住所:新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢923

 

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5時40分過ぎ、夜の闇は次第に上がっていき、空が白み始めてきた。

ようやく、越後湯沢の町を見ることができる、昨日この宿に到着した時は暗闇だった。

 

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あの高い山々が関東と新潟を分断している、それにしても壮観な光景だ。

 

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時折、小説『雪国』を開いて読んでみる・・・。 

やはり旅に出ていると、朝早く目が覚めてしまう、いつものテレビを見ても趣きが無い

ので日本文学に浸る、そんな時間がたまにあってもいいだろう。

 

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6時11分頃だろうか、ガーラ湯沢方面から新幹線が本線へと入っていく。

恥ずかしながら、ガーラ湯沢駅は越後湯沢からの分岐線上にある駅なのだ・・・。

 

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高半からは新幹線を見ることができる、トイレインビュー旅館ともいえる、

全ての客室から見えるわけではないので客室選択は要注意だ。

 

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あの山々の向こうには関東平野が広がっている、あれが雪国と関東を分断する国境なの

だろう、そして空が明るんでいる、これは確実に晴天となる予兆だ。

 

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天気予報では新潟は曇りのち晴れとなっている、

しかしここは新潟市からほど遠い、関東に最も近い新潟・越後湯沢だ、その為この予報

では適格な情報は得られない。 

 

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朝食の前に旅館の周りを散策してみようと思う。

散策、温泉、朝食、この3つの順番は時として迷うこともある。

旅の多くは、朝食⇒散策⇒温泉だろうか。

 

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2階から1階へ、エレベーターで下る。

正面には昨日、映画『雪国』上映で入れなかった部屋が開放されていた。

 

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すっかり、休憩室になっている。

この老舗旅館の野暮ったさがうれしいし、楽しい。

 

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壁には『雪国』映画版のポスターが掛けられている、

岩下志麻岸恵子などが駒子役を演じていた、映画化はこの2作品ということかな。

やはり『伊豆の踊子』のほうが映画化は多い。

 

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旅館の外に出てみた・・。

冷たい外気により目が覚める、やはり関東とは違うのだ。

ブルゾンを着て来なかったことを少しだけ後悔したが、耐えられる寒さだ、新潟を肌で

感じるのも悪くはないだろう。

 

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玄関を出ると、先ほどの引き込み線の先が見えた、

あればガーラ湯沢駅だろう、これまで全く興味がなかったので知らなかったのだが、

ガーラ湯沢駅は通常の駅とは異なり、スキーシーズンのみ臨時で停車する駅なのだろ

う。

 

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『GALA SNOW RESORT』

ホームには新幹線が停まっている様子が見えた。

 

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本線の上越新幹線はこの中を通っている、これをなんと呼ぶかはわからない、

少なくともトンネルではないだろう。

 

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少しいびつな形をしている高半旅館、

手前の2階部分が川端康成の文学資料館になっているのだろう、なんとなく増改築をし

てきたように思える。

 

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これは越後湯沢駅方面を見ているのだが、新幹線が旅館の下を通過していることがわか

る、私の立っている足元だ・・なんともいえず不思議なことだ。

 

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高架は上越新幹線の線路であるが、左下にも線路が見える、これは上越線の線路になっ

ている。

 

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こう見ると分かり易い、高半の真下を上越新幹線が通過している。

 

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旅館の外周を歩いてみよう。

 

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一周ぐらいすると、外湯『山の湯』という温泉施設がある。

 

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おそらくは多くの地元民が入りにくるような場所なのだろう、

このような時期なので、外モノは遠慮しておくべきだね・・・。

では旅館に帰ろう。

 

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2階に戻ってみると、

資料館の門が開放されたので、さっそく入ってみよう!

 

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絵画、甲冑や欄干など、様々な品が展示されている。

 

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どちらかといえば、こちらがメイン。

小説『雪国』、高半旅館、川端康成関連の資料が並ぶ。

 

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「SNOW COUNTRY」

なんか、あれだな・・・。

 

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雪国は世界中で翻訳されている、川端康成の文章は翻訳するには苦労が多そうだ。

この写真はノーベル文学賞の授賞式だろうか。

 

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「消えゆく湯の里の風情」という記事に目がとまる、これは上越新幹線のことを指して

いる、たしかに一見、無粋にも見るのだが、妙に融合してなくもない・・・。

 

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ではメインのメインへ入ろう!

ここからが本当の『雪国』の世界だ。

 

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写真展示が並ぶ。

 

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こちらは昭和10年、右の芸者が駒子のモデルになった松栄(まつえ)

 

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19歳ごろの松栄さんの写真

本人も小説のモデルとなってしまい、当初は当惑したらしい・・・。

 

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松栄(本名:小高キク)さんと雪国撮影スタッフとの打ち合わ風景。

 

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川端先生らしい眼光・・。

 

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かつての木造建ての高半旅館、今の鉄筋コンクリートは二代目なのだろう。

 

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一角にあった「川端康成 伊藤初代との恋」という文書は興味深かった。

 

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『かすみの間』へ

 

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館内に白砂で敷かれている!

 

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この襖の向こうが『かすみの間』だ。

 

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ここがかつて川端康成が執筆活動をした高半の一室・かすみの間だ、

今は現代風に改築されているが、この部屋だけは移築されて今に至る、

川端康成昭和9年~12年の3年間、こちらに逗留して『雪国』を執筆した。

 

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この景色を眺めていたのだろうか、

高速道路が走り、新幹線が地下を貫き、民家も多く建ってはいるが、あの山並みは同じ

だったに違いない。

 

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とても奇抜な机だ、個人的にはチョイスしないが、この部屋には妙にマッチする。

 

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当時は火鉢を使っていたのだろう、まさに時代劇の風景だ。

 

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こちらは松栄さん寄贈の着物だ。

 

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当時の間取りが図解されている、こういう展示はとてもうれしい。

 

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音がすると外を見てしまう、そして新幹線が通過していった。

当時は新幹線などはあるわけもなく、その下の上越本線はあったのだろうか。

 

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客室(自室)に戻ると、雲の隙間には青空が見えてきた、

これは良い兆候だ。

 

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あちらの山では紅葉が少しづつ進んでいた。

 

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おっと、走行音がすると思っていると、現美新幹線が通過していく、越後湯沢駅に向か

っているとことだ。

乗ってみたい思うし、どうでもよいとも思ってしまう・・。

 

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しばらくすると、先ほどの現美新幹線が新潟に向けて走り去っていった。

これは越後湯沢~新潟間を走行する、関東人にはやっかいな乗り物なのだ。

 

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次にMAXときが通過していく、これは二階建て車両であり、世界最大の輸送量を誇る

列車だ。

 

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この北陸新幹線として使用されている車両も、走っているんだな~と気づく。

 

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こちらは少し古いタイプの車両だ。

 

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窓の外には大きな木がたっているのだが、これがけっこう眺望の邪魔をしているのだ

が、一方では風情の良さに寄与していないわけではない・・・・・。

 

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客室から見える森の下には神社がある、

それは小説『雪国』にも描写がされている場所だ、その神社から高半旅館への獣道が

あったのだが、それは新幹線ができる前の話だ。

目を凝らしてみたが、やはり獣道は当たり前だが、見えない。

 

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S字を描いているのが関越自動車道、全体的に山間の町であることがよくわかる。

 

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あの妙に高い、場違いな高層ビルは何? 

 

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越後湯沢付近の関越自動車道は直線状、

ここは走った記憶がないな・・・藤岡で曲がってしまう。 

 

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窓を全開にして風を感じてみた、

もう夜ではないので、虫が入ってくる心配はない。 

 

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ベランダ(バルコニーとの違いって??)があるっていいね!!

臨場感が違う! 感動が違う! 

 

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では退館の時!

また来たい、温泉目的だけもいいと思うよ。

 

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こちらは1階のお土産コーナー、その一角には『雪国』らしいものもある。

 

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「雪国』のモデル考 

もちろん買いました・・・。

 

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では私も行こうか・・雪国の町へ。 

 

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多くの人は車で来るのだろう、

でもここは駅からもそれほど遠くなく、観光しながら駅へ歩くことができる。

けっこうバランスがいい観光地だと思う。 

 

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美しい文章だ、これは川端康成にしか表現できないもの。 

 

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今日は散策日和だ、期待に胸膨らむ! 

 

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旅館前には「雪国」文学散歩道 高半旅館と。 

 

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薬師堂なんてあったのか・・・。

これから向かう先は諏訪神社、笹の道はもうないので新幹線高架下を通り、向かうこと

になる。 

 

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高半地下を貫く丸いトンネル、無粋にも見えるが、妙に馴染んでいるようにも感じた、

これが無ければ、横浜から気軽に高半にはやってこれない。

さあて、あの木の向こうには諏訪神社がある、行こうじゃないか。

 

小説『雪国』ゆかりの宿・高半に泊まろう!《その2》 完