スーパービュー踊り子号(SVO)の引退日である。
スーパービュー踊り子号で伊豆急下田にやってきた!
時刻は13時31分。
ホームには引退を惜しむ人たちで溢れていた。
そしてここからが本番なのだ。
スーパービュー踊り子号のラストランは伊豆急下田発・16時07分池袋行きだ。
こちらはホームに入る改札口だ。
人が並んでいるのは、14時10分発のスーパービュー踊り子号の乗車を待っているため。
私が乗ってきたSVOがスーパービュー踊り子8号となり東京に向かう。
これは東京行きSVOのラストランといっていいだろう。
当初は東京行きのラストランに乗り、
再び横浜に戻り、池袋行きの最終列車に乗ろうと考えたのだが、
やはり乗り通してのラストランをすべきと考え・・やめた。
駅前には東海バスのバス停が並ぶ、
この光景が好きなのだ、ここからはバス旅のみ、南伊豆の最果て感がいい!
最終列車の発車まで2時間30分ほどあるので、ここで南伊豆・下田観光をしたいと思
う。
3番乗り場にバスが到着、このバスは伊浜行きだ、田牛行きでも大丈夫だ。
目的のバス停は「入田」バス停となる。
入田バス停に到着、ここで降りたのは私一人だ、下田から約10分ほどで着いた。
バス停から少し戻り、生活道路に入っていく、
看板もあるので迷うことはない。
「入田浜海水浴場」
道路分岐から3分ほどで着いた。
きれいだな〜!
春の海は人がいなくていい。
海は見ているだけで癒される、しかも水質が抜群にいい!
横浜から3時間も走れば、別世界の海。
向こうにはホテルがみえる、夏は栄えるのだろう。
看板を要約すると、
この海のキレイだよ、こんな水質の海は日本に14つしかないよ、すげーだろ!
沖縄かかってこいやーッ!!
という感じに書かれている。
下田から車で10分ほどの場所にこんなビーチがあるとはね!
帰る際、ふと脇を見るとこんな路地を見つけた、
この細い道を進むと、白い砂浜・青い海が広がってくる、
こんな感動的な光景を見ることができるに違いない。
ということで、伊豆急下田駅に戻ってきました。
ホームには185系特急踊り子が停車している。
まだまだ、時間はあるので、駅の周りを散策してみる、本来ならもう少しで高級観光列
車・ザ・ロイヤルエクスプレスが入ってくる時間だった。
横浜から下田までの料金は26,000円ほど、だったかな、
プラチナシートは39,000円を超える。
伊豆にはサフィール踊り子をはるかに凌ぐ高級列車がすでに走っているのだ。
そろそろ、185系踊り子号が出ていく、
この車両もあと1年ほどで引退するのでは・・と囁かれている、
というのも、明日から中央線特急のリニューアル車両が伊豆に登場する、これに随時置
き換わるといわれているのだ。
車体側面はサビ、キズが絶えない、30年間,毎日走るのだから、仕方がないのだろう、
しかも伊豆以外にも通勤列車としても活躍していた、
おはようライナーやホームライナーとして新宿・小田原間を結んでいた。
もうお客様が乗らない車両というは、悲しいものがある。
では駅の待合室で検札開始を待とうか。
電光掲示板にはスーパービュー踊り子の最終便が表記されている。
1番線・池袋行き・16時07分発
今日はラストランということだろうか、早めにホームに入ることができた、
いつもなら出発5分前か10分前なのだが、さすが伊豆急だ!
ホームは人で溢れている、そして、伊豆急のオモシロ駅長が来ていた。
残念ながら私は知らなかった。
その3人が横断幕を持ってくれている、こういう演出はありがたいよね、とてもいい記
念になる。
あとで調べると「伊豆急の観光PR大使」ということだ。
左の人は伊豆半島ジオパーク冒険団駅長、
右の人がバリ舞踊駅長という・・・・。
駅長つければいいってもんじゃねえぞ!!
そして・・
スーパービュー踊り子7号、首都圏発最終SVOが入線してくる。
これは13時ちょうどに東京駅を出発した列車だ。
ホームでは降りる人、乗る人、撮影する人、眺める人で溢れかえる。
こんな伊豆急下田駅は初めてみた。
185系のラストランもこのように、いや今日以上になるだろうと思う。
折り返しとなる為、車内清掃が行われる。
撮影はおこなわれているが、ホームは少しばかりの静けさを取り戻す。
最後の到着駅は池袋だ。
個人的には東京駅であってほしいと思っているが、それは仕方がない。
先頭車まで来てみた、表現はおかしいかもしれないが、
おもちゃのような外見だが、同時に重厚さを併せ持っている不思議な車体と思う。
車体のエンブレム
SINCE1990
SVO
SUPER VIEW ODORIKO
では人がいない車内に一番乗りだ!!
これがスーパービューだ、
窓が大きく、外光が多く取り込まれており、車内がこんなに明るい!!
この車体の特徴は収納棚だ、さながら航空機のようになっている。
これによりとてもスタイリッシュに見える。
いろんな形状の手荷物が置かれている様は一見雑然と汚らしくにも見えるかもしれな
い、これが改善されているのがSVOだ。
多くの人に見送れられて、最終のスーパービュー踊り子池袋行きが出発する。
行きよりもさらに車内は濃くなった、それは「鉄ちゃん成分」だ。
いつもの旅行帰りという雰囲気は全くない、聞こえてくる話は数字が入る話ばかり、
数字と言っても、251や185などだ・・・これは車体番号なんだけどね。
窓際・海側のA席がとれたので、オーシャンビューとなる。
通常の車両でも窓から海を見ることができるが、
オーシャンビューと呼ぶにふさわしいのがこのSVOだと思う。
向こうに見えるのは伊豆熱川地区だ。
駅前に温泉やぐらの湯気が見えれば、伊豆熱川駅だ。
伊豆高原駅ではE257系リニューアル踊り子号が停車している、
こちらは明日のダイヤ改正から運行開始する車両だ、明日の上り列車の回送かな。
伊豆高原では多くの人がホームで手を振ってくれている、
これは全力で振り返さないと!
熱海駅にそろそろ到着する、空も赤みを帯びてきた。
ここから横浜は早い、
スーパービュー踊り子は特別急行の名に相応しく速度を上げていく。
なかなか気持ちいい走りだ、駅を走り抜ける様は気分がいい。
これが特急列車の醍醐味といってもいいだろう。
横浜駅に到着する、時刻は18時24分だ。
ここは10番線、横須賀線の上り ホーム、あまり普段と変わらないな~と。
「前言撤回!」
18時57分、新宿駅に 到着、向こうに見えるのは高島屋新宿店だ。
あと6分後には池袋に到着してしまう・・・。
19時05分、終着駅池袋駅に到着した。
余韻に浸る間も無く、車外に出ないといけない、
次の旅客列車の運行に支障がでてしまうのだ。
池袋駅ホームには多くの人で溢れている、大きな混乱はないので一安心だ。
ここは踊り子の専用ホームではなく、在来線ホームなので、あまり停まることはできな
い。
方向幕が回転していく、皆大注目だ、私も場の流れで便乗することにした。
方向幕は回送でとまる。
反対側のホームでも人で溢れかえっている。
私は9号車なので、先頭車にはすぐ行けた、そこでも人だかりができており、
もう終わりなのだな・・・と実感させられる。
電光掲示板にも『回送』19:09と表示されている、
19:15には宇都宮線が入線してくる。
スーパービュー踊り子は長い汽笛を鳴らし出発していく、
出発という表現はおかしいかもしれないけど・・・。
では、来た道を帰ろう、湘南新宿ラインで横浜に向かう、
向こうには鉄道マニアらしきひと達がホームライナーの乗車待ちをしている光景が見え
た。
このスーパービュー踊り子車両はホームライナーにも使用されており、新宿・小田原間
を運行する、車体としてのラストランはこの21時過ぎのホームライナーとなる。
でもわたしはスーパービュー踊り子のラストランに乗りたいのだ、
だからホームライナーには乗らずに帰ることにする。
ここでスーパービュー踊り子は終わりとなる。
明日から首都圏・伊豆急下田間にはサフィール踊り子号が運行する、
私は明後日、サフィール踊り子号に乗車する予定だ、
だからこそ、この引退は悲しいが、新しい楽しみの始まりでもある。
スーパービュー踊り子ラストランに乗ろう! 完