神奈川県横須賀市の田浦に「のの字橋」という気になる場所を見つけた、そしてそれよりも気になる場所を見つけてしまった・・・。
ここは横須賀線・田浦駅、横浜から40分ほどで来ることができる場所。
この田浦駅は他にはない特徴がある、それは別の機会にということで・・。
駅舎出口には「田浦梅の里」の案内図があった、どうやら梅の季節には賑わうらしい・・。
まずは「のの字橋」を目指して歩いていく、駅からはそれほど遠くないのはありがたい。
駅前には広いスペースがあった、バスターミナルとは思えないが、土地でも余っていたのだろうか。
今日は特に暑い、汗が噴き出てくるほどに暑い、やはり着替えは持ってくるべきと後悔をした、いつまでも進歩がない私。
駅前には国道16号線が走っており、それを渡ります。
正面にあるのは新田浦隧道という、それは通らず、その手前の道を左折する。
名もなき生活道を歩いていく、もう少しで昼ごはんとなる時間帯だ。
急傾斜地崩壊危険区域 とかかれている。ゆるやかな坂を上がっていく、もう汗はだくだくだった・・・。
ここから「のの字橋」へと入っていく!!
田浦一丁目公園はのの字橋の中央にある。
人であれば、この階段から上がればショートカットができるが、今日は「のの字」を楽しもう!
坂がぐるりと伸びている、これが「のの字」
上からみると、平仮名の『の』に見える、だから、何?と言わないで。
さらに坂を上がっていく、この日とても暑く、歩くたびごとに汗が噴き出た。
金網に向こうには、少しだけ海が見えた、そこには2隻の軍艦が停泊しているように見えた。
ここを右へ曲がれば、目的地周辺となる、さぁ行こうか!
「なにか、あるぞ!」
市営月見台住宅、きれいな名前だ。
この道へと入ると、急に人の気配が全くしなくなった。
では住宅街へと続く階段を上がっていこう、同じような階段が2つあったが奥のほうを上がることにした。
平屋住宅が均等に並んでいる、鳥とセミの声しか聞こえない静かな場所・・・。
方々では雑草が生い茂っている、雑草の繁茂の力はものすごいものだ。
この月見台団地は1960年につくられたものであり、築後の耐用年数を大幅に越えてしまったことにより、横須賀市が十数年前から転居を求めており、それが2021年と聞いていた・・・。
同じような理由で他の2つの住宅団地が廃止されるという。
多くの住宅が軒を連ねるが、全く人の気配がしないことの違和感、歩く足も静かに動かしてしまう。
ここで住宅街から抜けた、この月見台団地は3つの通りから形成されており、ここで収斂されていた。
もっとも奥側の道を歩く、先ほど入った住宅街入口へ戻っていくことにした、それにしてもセミの声がうるさい。
もう一つの階段を上がり、もう1本の通りを歩いてみようと思う。
こちらは長屋のような造りになっている、コンクリート仕様の住宅だ。
これで何世帯入ることができるのだろうか、さすがに奥まで立ち入ることはやめた。
掲示板があり、後ろから見た時、酷く痛んでいたが、回り込んでみると、それはとてもきれいな状態だった、それはとても意外に感じた、そして貼ってあるものは比較的新しいものだった。
田浦駅を出て16号線から生活道に入ってから、誰一人として出会っていない、しかしのの字橋までは人の息吹を感じていたし、ある一民家ではガレージで子供が遊んでいた、しかし、ここに入ってからは気配を少しも感じない、そんな異様とも思える空間に息をとめて、回りをうかがってしまう・・・。
ふいにガタッと建物の中から音が聞こえたような気がした、まだ人が住まれているのかもしれない、2021年までといいながらも、それは目標であり、実際に変わることはよくあることなのだ、それとも私の勘違い、幻聴なのか。
もう少しで住宅街から抜ける、最後に振り返ってみた、夏の風景に、セミが鳴く、そして静かに佇む住宅たち、複雑な思いが入り混じるような感覚をおぼえた。
ふと民家の間から海が見えていることに気づいた。
海って、やっぱりいいよね、あのマンションは田浦駅の真横に建っていたものだろう。
危険区域と書かれた柱を何本も見た。
来た道には戻らず、そのまま反対側へ抜けて行こう、たぶん道はつながっているはず、しばらくすると階段状になっていたが、宅配便のバイクが階段を下りてきたことには驚いた、すいませーンと通過していった、たくましいな。
いくつか分岐があった、少し興味が湧いたが、いつしか私有地に入ってしまうこともあり、それは控えておいたほうがいいだろうと思った。
森の中にある小さな道、蜘蛛の巣が張り、それをくぐりながら進むことになった。
眼下には16号線が見えた、いつしか16号線を越えて、またそれを折り返している、そんなルートになっているのだろう。
ちいさな探検はここで終わった、グーグルマップで見つけた「のの字橋」
名前が気になり、やってきたけど、人がいなくなった住宅街、そこから見える東京湾と・・楽しい散策ができたと思う。
田浦駅に戻ってきた、ちょうど上りの横須賀線が入線してきた、20分ほど空いてしまったが、周りにはコンビニなどのお店は一切ない。
ホームに入り、列車を待つことにした、そのホームの先には明治・大正・昭和、それぞれの時代につくられたトンネルが漆黒の闇へと続く入口にように思えた。
その反対側は雑草に覆いつくされた崖、それとも山だろうか、それが行く手を阻んでいるかのようにも見えた、この駅は閉塞しており、それが魅力的な何かを作り出している。
着替えをもっていれば、もう少し歩きたいと思ったけど、今回はこれまでにしよう。
田浦散策、ほんとにちょっとの散策となったけど、充実したものだった。
真夏の田浦をちょっと歩こう!! 完