水窪、なんかいい響きだ、その町は静岡県浜松市の北部にある、少し走ればそこはもう長野県、そんな山間に町が形成されている、さぁ伝承の町へ行こう!
今年は珍しくお盆休みが纏めてとれてしまった・・・
数年間ずっと出勤だったのでこの期間に旅行することなど想定外だったのだ、しかし!
今年は違う、よし浜松へ行こう!!!
東名・新東名を走る、お盆だけど渋滞はない、なぜなら4時45分出発だったからだ、お盆休みは渋滞する、でも渋滞の先頭を走れれば、渋滞はない
まさに「先の先!」
新東名浜北ICで下ります、ここからは国道152号線をひたすらに北上していきます、目指す先は水窪(みさくぼ)です
船明隧道にさしかかる・・・これは「せんめい」と読みたいのだが実は「ふなぎら」と読むのだ、初見で読めるはずがない!
このトンネルに入らず左に曲がると、とある交通看板がある
「月3km」だ、一部の変わり者たちの中では有名な看板、つくった人のセンスに乾杯だ
ほどなくして道の駅花桃の里に到着した、浜松浜北ICから20分ほどの距離にあります、開店前なので駐車場は閑散としていたが、それでも多くの人がトイレ休憩などをしていた
(道の駅 花桃の里)
国道152号線の隣りには天竜川だ、そこに立派な橋が架かっている、先に急ぎたい気持ちもあるが、これは渡るべきと私の理性が語りかける
「よし、行こう!」
「まぼろしの佐久間線」とあるけど、そんな鉄道の計画があったのだろうね、よくある話しなのかもしれない
実際に上がってみると幅が狭い鉄橋だな、これを渡り2KMぐらい歩けば、月集落にいけそうだ
浜松は青空だ、でも天竜川は前日などの雨により茶色になっていた、天竜川といえば深い緑、その色が見たいのだ
夏はソフトクリームに目が行ってしまう、でもやっていない
こんなところにポークの無人販売店がありました、珍しい!
さらに北上していくと秋葉ダムに差し掛かる、そのトンネルを走っていると、トンネル内で分岐が出てくる、秋葉ダムへ行くにはここを右折するのだが道幅が狭い、ちょっと気がひけます・・私は水窪へ急ぐことにした
ちょっと曇ってきてしまった、一縷の望みを託したい、晴れてくれ!
途中から1.5車線ほどの道がちょこちょこと顔を出すようになってきた、でもこれぐらいなら全く離合は問題ない、ヒョー越え峠に比べれば春のそよ風だ
ついに水窪集落の入口が見えてきた、新東名浜松浜北ICから1時間10分ほどの距離です、インターからならそれなりに近いのだが、横浜から行くとなると結構遠いのだ
JR東海・飯田線の駅「水窪駅」に到着です、駅前には駐車場があり、そこに停めることができます、列車は1時間以上来ないので人は誰もいなかった
(水窪駅)
駅は高台にあり、そこからの景色がこちら、眼下には水窪川が流れ、その向こうには町が形成されており、その背後には山々が囲んでいる、まさに袋小路のような町です、この水窪という町、ずっと前から来たいと思っていたのだが、どうしても距離的な問題もあり足が遠のいてしまっていた
飯田線は愛知県・豊橋駅と長野県辰野駅を196KMほどでつなぐ路線であり、凶悪な秘境駅をいつくも抱えている最強路線でもある、この路線には特急伊那路が走っていて、私も2回ほど乗車している
「みさくぼ駅」、その隣りの駅はおおぞれ駅(大嵐)であり、実はその駅から夏焼集落という天空の廃集落へ行けるのだ、今回の旅ではそこを目指していたのだが、天候が曇りとなってしまい、急遽水窪に目的地を修正した、でも、もし晴れたら11時台の列車に乗り大嵐に行こうとも考えていた、なら車でいけばと思う人もいるかもしれないが、車だと2時間近くかかってしまう、飯田線なら5分なのに・・・そんな厳しい山間部の立地、ここは袋小路なのだ
「ようこそ 水と緑と伝承の里 みさくぼへ」との看板が迎えてくれる、たしかにさっきの景色でも水窪川の水、山々の緑、あと、伝承ってなんだっけ??
飯田線の時刻表、すっかすかです、早朝・深夜でもないのに2時間も来ない時間帯があるという凶悪な運行です、ちなみに水窪駅は特急が停まります
こんなにベンチが必要なのだろうか・・・と心に思ったが、そんなときもあったのだろうな
ではそろそろ町へくりだそうか!!
駅からはこの水辺の小径を下っていきます
けっこうな急な階段を下っていく、水窪川の音がとても心地よい
こういう看板のイラストって味があっていいよね
うぁ~看板が倒れている・・・「みさくぼ塩の道」とかかれているのだが、詳細は見えない
これが水窪駅と水窪の町をつなぐ橋だ、ここを歩いて飯田線を利用する人はどれだけいるのだろか、ちなみにこの橋は20人までしか渡れないと注意書き看板が立っていた
かなりの勢いの水窪川、数人の釣り師が川に入っていた、アユでも釣れるのだろうか、この川は佐久間地区で天竜川に合流して遠州灘へと流れ出ていく
このゲートの向こうは国道152号線だ、さてまずは展望台を目指していこうか
展望台は水窪小学校の近くにある、こっち側だな
「おしゃれの店 かしや」・・・なるほど時代を感じさせるネーミングだ
信州街道(秋葉街道)の案内板
飯田市南信州から浜松市水窪町を横断する街道であり、秋葉神社への信仰の道、塩を運搬する道、甲州の武田信玄の軍勢が上洛を目指した道でもある
こちら側は商店街の中心地からは少し離れた場所になるのだろう、所々にお店がある感じだ
小沢歯科さんのこの表札もいいよね、東京ではデンタルクリニックといい、オシャレな外装になっています(笑)
この坂を上がっていきます、ここで痛恨のミスをしたのだが、左へ進むと「塩の道」という看板があり、その先には雰囲気ある階段があるのだ、私は下調べがあまく反対側のエリアを探してしまい、最後にはあきらめてしまった・・・。
シカです・・・クリスマスに来たらトナカイと思ってしまうかも(笑)
この辺りはジビエ、鹿にイノシシに熊に・・と食文化が変わってくる
着きました展望公園、駅から10分ほどの距離にあります、ちゃんと「塩の道」とかかれています
人間にかかせない塩、交通網の発達していない昔は、大変貴重なものであり、それを運搬するための道が整備された、それが静岡県牧之原市(太平洋)から始まり、水窪・飯田と経由して日本海の糸魚川へと続く長大な街道が存在した、水窪なら圧倒的に太平洋が近いが、辰野あたりなら太平洋・日本海どちらが近いのだろうか
東屋があり散策の疲れを癒すことができる、お隣りにはお手洗いもあるので、外からの観光客にもありがたい公園です
ここからは水窪の町並みを一望することができる、右には水窪駅があり水窪川を隔て、水窪の町が広がっている
深い山間の町、水窪・・・散策が楽しみだ
飯田線はあの山の手前をほぼ垂直に左方向へと曲がり、山の中へと入っていく
国道152号線は北上していくが、飯田線の隣り駅の大嵐にいくためには大迂回しないと辿りつくことはできない、この山々が2つの駅を分断している、でもここに住む人たちがそれに不便を感じることは皆無だろう
緑と水と伝承の町・水窪を歩こう!(3-1) 完